行政・政策
デジコン編集部 2025.10.1

国交省。歩道と路肩等の柔軟な利活用ガイドラインを策定。パークレットや時間帯別利用で人中心の道路空間を実現

国土交通省は2025年9月30日、道路に対する利活用ニーズの多様化に対応するため、「歩道と路肩等の柔軟な利活用に関するガイドライン」を策定したと発表した。

計画検討から効果計測まで実践的な手順を提示


同省は道路政策のビジョン「2040年、道路の景色が変わる」において、道路を人々が滞在し交流できる空間に回帰することを提示している。

この考え方を踏まえ、歩道に加えて路肩等の柔軟な利活用のあり方を検討するため、令和6年6月に「人中心の道路空間」のあり方に関する検討会を設置した。

検討会では、国内外の事例を踏まえた柔軟な利活用に向けた課題や、ガイドライン作成の方向性、合意形成や維持管理・運営、効果計測手法の記載方針について議論を重ねてきた。

本ガイドラインは、道路空間再編を行う道路管理者や道路空間の利活用に関わる様々な関係者に対して、歩道と路肩等の利活用を検討する際に参考となる具体的な導入手順等のポイントを示す実践的な指針となっている。

ガイドラインの構成は大きく4つの項目で整理されている。

計画検討では、まちづくりの将来像を踏まえ、上位計画等の確認と地域の現状把握、検討範囲の設定、検討範囲内の道路に求められる機能・役割の整理、導入箇所の絞り込みという推奨手順と検討のポイントを解説している。

利活用方法検討では、路肩部分も含めた「パークレット」、車道部分も含めた「時間帯別の使い分け」の2つの利活用方法を対象に、実施イメージ、期待される効果、法的な整理・運用や安全確保の方法等を示している。

ほこみち制度を活用した一体的な利活用についても整理されている。

取組実施では、歩道と路肩等の柔軟な利活用に関する取組実施の全体の流れを示すとともに、具体的な発意から計画の具体化検討、社会実験等での検証・本格実施検討、本格実施時の維持管理・運営にあたっての留意点について手法やポイントを解説している。

効果計測では、幅広い関係者との間で円滑な協議を行うために、参考となり得る評価方法や指標について解説している。

また、別冊として事例集を用意し、計画検討、利活用方法検討、取組実施、効果計測の項目ごとに事例を紹介している。

事例については、取組段階が本格実施か社会実験かを明記し、歩行者利便増進道路、いわゆるほこみちに指定されているかどうかについても記載されている。

参考資料として、海外における歩道と路肩等の利活用事例も紹介しており、サンフランシスコ市、バンクーバー市、メルボルン市でまとめられているマニュアルを掲載している。





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