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デジコン編集部 2025.6.27

シンフォニア社、小型移動式クレーンVR訓練システムとアプリ連動感電デバイス「UNAGI」を連携。高圧電線接触事故で実際に感電体験

シンフォニアが同社提供の「小型移動式クレーンVR訓練システム」と、アプリ連動感電デバイス「UNAGI」を連携させた危険事故体験コンテンツを公開した。

VRによる視覚・聴覚に「感電」を加えた本格的な危険事故体験により、従来の安全教育では難しかった「危険の身体的記憶」を促進する。

VR空間内での感電災害体験時にUNAGIが作動、身体に電気が流れて危険性を直感的に記憶


シンフォニアは自社製品として、「小型移動式クレーンVR訓練システム」(以下、「クレーンVR」)と、アプリ連動感電デバイス「UNAGI」を開発・販売している。

2025年5月には、「クレーンVR」危険体験コンテンツ第二弾として、「高圧電線へのブーム接触感電事故」をリリース。

このコンテンツでは「ブームが高圧電線に接触し操縦者が感電した事故事例」をVR空間内にリアルに再現している。

(「ブームが高圧電線に接触し操縦者が感電した事故事例」の一場面)

受講者は実際にクレーンを操縦しながら、夜間見通しが悪い中での高圧電線への接近・接触という極めて危険な状況を安全に体験することができる。

本連携機能では、VR空間内で体験者が感電災害に被災する瞬間に「UNAGI」が作動する仕組みとなっている。

体験者の指に装着した電極から電気が流れ、身体に実際に電気が走る衝撃が伝わることで、感電の危険性を直感的かつ強烈に記憶に刻み込む。


これにより安全意識の飛躍的な向上を促すことが可能となっている。

建設業界においてクレーン作業中の労働災害は後を絶たず、特に高圧電線への接触による感電は死亡災害に直結する極めて危険な事故である。

従来の安全教育は座学や映像視聴が中心であり、知識としては理解できても、災害の恐ろしさを「自分事」として捉え、危険感受性を高めるまでには至らないという課題があった。

本課題を解決するためにはリアルな「体験」を通じて危険を身体で覚えることが不可欠であると考え、本連携機能の開発に至っている。

本連携がもたらす価値として、圧倒的なリアリティによる「当事者意識」の醸成がある。

VRが提供するリアルな視覚・聴覚情報に、「UNAGI」による身体的な衝撃が加わることで、体験者は災害を単なる映像としてではなく「自身の身に起きたこと」として認識する。

この強烈な当事者意識は「自分は大丈夫」という正常性バイアスを打ち破り、安全への向き合い方を根本から変えるきっかけとなる。


また「恐怖感」の記憶による本能的な危険予知能力の向上も期待される。

一度体験した感電の衝撃と恐怖感は、実際のヒヤリハット体験のように記憶に深く刻み込まれる。

これにより「高圧線に近づいてはいけない」というルールが、頭で理解するだけの知識から「身体が覚えている」無意識レベルの感覚へと変わる。

実際の現場で類似の状況に遭遇した際に、本能的に危険を察知し回避行動をとる能力を養うことができる。

多感覚学習による教育効果の最大化と記憶の定着も特長となっている。

(ラジコン版小型移動式クレーンVR訓練システム)

「VR内で災害時のシチュエーションを見る(視覚)」「衝撃音を聞く(聴覚)」「感電する(触覚)」という複数の感覚情報が同時に脳に入力されることで、災害の記憶がより強固に定着する。

座学で得た知識とリアルな体験が深く結びつくことで、教育内容の理解度を飛躍的に高め、短時間で効率的かつ効果的な安全教育を実現している。

既に「小型移動式クレーンVR訓練システム」を導入済みのユーザーは、「危険体験コンテンツ」の契約及び「UNAGI」を追加購入することで、本連携機能を利用できる。




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デジコン編集部

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