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デジコン編集部 2025.6.5

安藤ハザマとヤプリ、現場専用アプリ「築造」を共同開発。動画教育コンテンツで新人技能者の労働災害27%削減を実現

安藤ハザマアプリプラットフォーム「Yappli(ヤプリ)」は、建設現場での人材不足・教育課題に対応する現場専用アプリ「築造」を共同開発した。

安全・品質教育の効率化と情報共有の迅速化により、建設現場での労働災害リスクの低減と業務効率の向上を実現することで、最終的に労働災害ゼロを目指している。

全現場ヒアリングで開発した直観操作設計。入場30日以内技能者の災害27%減少


このアプリ開発の背景には建設現場が抱える深刻な課題がある。近年の働き方改革や労働時間削減、さらにベテラン社員の退職により、若手社員への指導機会の確保が困難になっているのに加え、ベテラン社員が持つノウハウをいかに継承していくかが業界全体の課題となっている。

安藤ハザマでは従来、社内イントラネット上に社員が必要な情報を掲載していたものの、建設現場で必要となる施工管理のノウハウや安全ルールなどの情報を迅速かつ容易に取得できる環境ではなかった。


「築造」の開発にあたっては、安藤ハザマが複数の建設現場を訪問し、若手社員やベテラン社員へのヒアリングを実施すると同時に、全現場に対してアンケート調査を行って現場のニーズを確実に把握した。

この徹底的な現場調査により、使いやすいインターフェースを分析し、現場での安全管理・品質管理で必要となる情報をより迅速に取得できると同時に、直観的に操作可能なアプリの開発に成功している。

アプリの主要機能として、安全・品質教育に関するコンテンツを動画化し、経験が少ない若手社員でもスキマ時間を活用して知識の習得が可能な仕組みを構築。

これらの動画と社内の安全ルールや災害事例を「築造」に集約し、工種ごとに簡単に視聴できるように整理・配置することで、効率的な学習環境を提供している。

さらに現場で必要とされる情報を分野別に整理し、幅広い年代でも直感的に必要な情報を取得できるよう設計したことで、大きな文字と見やすいボタンを配置して視認性と操作性を向上させており、屋外で手袋をしたままでも操作できる実用的な仕様となっている。

加えてプッシュ通知機能により、重要な情報を確実に利用者に伝えることが可能になった。

導入効果については具体的な数値で成果が示されており、現在「築造」のダウンロード数は約1,700件に達し、これは安藤ハザマのほぼ全ての現場社員が利用している状況を表している。

特に注目すべき成果として、現場入場30日以内の技能者の労働災害件数が「築造」の導入前後の1年間で比較して27%減少したことが安藤ハザマの調査で明らかになっている。







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デジコン編集部

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