マップフォー、ベクターマップ自動生成ソフト「Vector Map Generator」を6月30日提供開始。3D点群と画像解析で手作業を大幅効率化

マップフォーは自動運転や地図作成業界向けに、3次元点群と画像の解析技術を活用したベクターマップ自動生成ソフトウェア「Vector Map Generator」を開発し、6月30日から年間ライセンスによる提供を開始する。

従来の手作業による煩雑な作図作業を自動化することで、業務効率の大幅な向上を実現する。

LiDARとカメラデータを統合処理し、道路・建物・標識を高精度で自動認識

Vector Map Generatorは、これまで多くの手作業を要していたベクターマップ作成の課題を解決するために開発された。

従来の手法では対象物の検出・分類から作図まで一連の作業に膨大な時間とコストが必要で、特に自動運転システムやシミュレーターで活用が進むベクターマップの需要増加に対応することが困難な状況が続いていた。

新ソフトウェアは、マップフォーが自動運転分野で培った3次元データ解析技術と画像処理技術を融合させることで、この問題の解決を図っている。

具体的には3D LiDARとカメラで取得したデータから高精度なベクターマップを自動生成する仕組みを構築し、点群データの解析機能では、センサーで取得された点群データから対象物の位置や形状、サイズなどの特徴量を自動検出する。

（画像による分類）

さらに画像による分類機能では、カメラ画像から画像認識技術を用いて検出された対象物を、その形状やサイズ、色に基づいて標識・信号などのカテゴリに自動分類する能力を持つ。

これらの点群解析による3次元情報と画像認識による意味情報を統合的に処理することで、地理情報システム（GIS）などで利用可能な高精度なベクターマップを自動的に生成できるようになった。

（情報の統合とベクターデータの出力）

ベクターマップとは、道路、建物、標識等の地物の地理空間情報を点・線・面といった図形要素と、それらに付随する属性情報を用いてデジタルに表現した地図のことを指す。

このような高精度なベクターマップの活用範囲は年々拡大しており、自動運転・モビリティ分野では車両の自己位置推定や経路計画、周辺環境の高精度認識に活用されている。

（インフラ点検・都市整備）

インフラ点検・都市整備の領域では道路や標識の維持管理、都市開発における現況把握に役立てられているほか、シミュレーション・XR分野では仮想空間の再現や運転トレーニング、都市設計のシミュレーションに活用されている。

（シミュレーション・XR）

また公共安全・防災の観点からは、交通事故現場の俯瞰図を第三者へ正確かつ迅速に伝えるための重要なツールとしても期待されている。