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花王、塗って乾かすだけで汚れが勝手に剥がれ落ちる「剥離除去技術」を開発。有機溶剤不要で環境と作業者に優しく
花王は、古い塗装や汚れを簡便に除去できる新たな「剥離除去技術」を開発したと発表した。
この技術は、専用の剤を塗布して乾燥させるだけで、塗膜が汚れを巻き込みながら自発的に剥がれ落ちるという画期的なものだ。有機溶剤を使用せず、粉じんも発生しないため、建設現場や船舶メンテナンスなど幅広い分野での安全性向上と環境負荷低減が期待される。
建物の外壁補修や塗り替えにおいて、古い塗膜や汚れの除去は必須の工程だが、従来は有機溶剤で溶かしたり、工具で削り取ったりする方法が一般的だった。
しかし、これらの方法は作業負荷が高く、溶剤の臭気や粉じんの飛散といった課題があった。


花王が開発した新技術は、乾燥時に塗膜が縮もうとする力(内部応力)を巧みに利用している。
同社は、接着面から剥がれようとする力と、塗膜自体が割れずに耐える強度のバランスを最適化するため、異なる特性を持つ複数の樹脂を組み合わせることでこの技術を確立した。
実証実験では、鋼板のサビやステンレス板の水性ペイントだけでなく、コンクリートの表層を数十〜数百マイクロメートルの深さで除去できることも確認された。
いずれの場合も、塗膜が対象物を閉じ込めて綺麗に剥がれ落ちており、高い除去性能が示されている。
参考・画像元:花王ニュースリリース/youtubeより
この技術は、専用の剤を塗布して乾燥させるだけで、塗膜が汚れを巻き込みながら自発的に剥がれ落ちるという画期的なものだ。有機溶剤を使用せず、粉じんも発生しないため、建設現場や船舶メンテナンスなど幅広い分野での安全性向上と環境負荷低減が期待される。
「内部応力」を利用して自ら剥がれる
建物の外壁補修や塗り替えにおいて、古い塗膜や汚れの除去は必須の工程だが、従来は有機溶剤で溶かしたり、工具で削り取ったりする方法が一般的だった。
しかし、これらの方法は作業負荷が高く、溶剤の臭気や粉じんの飛散といった課題があった。


花王が開発した新技術は、乾燥時に塗膜が縮もうとする力(内部応力)を巧みに利用している。
- 塗布: 剥離除去剤を対象の表面に塗る。
- 乾燥・収縮: 乾燥が進むにつれ、塗膜内部に縮もうとする力が発生する。
- 自己剥離: この力が接着面を引き剥がす方向に働き、汚れを抱え込んだまま塗膜がめくれ上がり、自発的に剥がれ落ちる。
同社は、接着面から剥がれようとする力と、塗膜自体が割れずに耐える強度のバランスを最適化するため、異なる特性を持つ複数の樹脂を組み合わせることでこの技術を確立した。
サビやコンクリート表層も除去可能
実証実験では、鋼板のサビやステンレス板の水性ペイントだけでなく、コンクリートの表層を数十〜数百マイクロメートルの深さで除去できることも確認された。
いずれの場合も、塗膜が対象物を閉じ込めて綺麗に剥がれ落ちており、高い除去性能が示されている。
参考・画像元:花王ニュースリリース/youtubeより
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