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デジコン編集部 2025.10.20

東大発スタートアップ「ACES」、安全管理DXソリューションの提供を開始。AIで不安全行動をリアルタイム検知し即時アラート

東京大学松尾研発のAIスタートアップACESは、AIによる不安全行動のリアルタイム検知からデータ蓄積・分析・改善までを一気通貫で実現する「安全管理DXソリューション」の提供を開始した。


建設・製造・エネルギーをはじめとする多様な業界で培った実績と特許技術をもとに、より多様な業界・企業に広く提供可能なソリューションとして体系化した。

年間700件以上の労働災害死亡事故、デジタル化とAI活用が不可欠に


日本では依然として年間700件以上の労働災害による死亡事故が発生しており、政府も5%以上の削減目標を掲げている。

一方で熟練人材の退職や人手不足が進む中、安全管理はもはや現場の努力だけにとどまらない重要な経営課題となっている。

こうした環境変化を受け、安全管理のデジタル化とAI活用は不可欠な取り組みとして注目されている。

ACESの安全管理DXソリューションは、従来の人の監視・報告に依存した安全管理のプロセス(計画・予防、実行・監視、報告・分析、改善・再発防止)を、AIを用いて包括的にデジタル化し、網羅性・即時性・客観性のあるPDCAを持続可能な形で実現する。

具体的には3つの機能で構成される。

第一に、AIによる不安全行動のリアルタイム検知と即時アラート機能だ。




工場などの監視カメラ映像を不安全行動検知AIが解析し、転倒・つまずき・未着用・乗り出し・接近等をリアルタイムに検出し、重要度や現場条件に応じて即時アラートを発報する。

少量データから多様な行動を検出できる特許技術により、導入初期から高精度な検知を実現する点が特徴だ。

第二に、不安全行動データの蓄積・可視化機能だ。



AIで検知された不安全行動やヒヤリハットをデータベースに自動蓄積し、ダッシュボード等を通じて拠点・工程・要因別に可視化する。

第三に、改善・定着機能だ。

分析結果を教育・施策にフィードバックし、ヒヤリハット・不安全行動の削減をKPIに据えた継続的な改善サイクルを定着させる。


本ソリューションは、建設・製造・エネルギーをはじめとする多様な業界で培った実績と特許技術をもとに、より広く業界全体の安全管理DXを推進することを目的に構築されている。

実証済みの知見やアセットをベースにしつつ、業界・企業・現場ごとに異なるリスクや業務特性に合わせて最適化し、現場に根ざした仕組みとして運用することが可能だ。

過去にはYKK APや電源開発と協同プロジェクトを実施しており、大規模モデルを用いた行動認識技術に関する特許も取得している。







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