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デジコン編集部 2025.10.9

日本気象がJAXA航空イノベーションチャレンジに採択。次世代空モビリティ向け空域監視システム開発へ

日本気象は、宇宙航空研究開発機構が実施する「航空イノベーションチャレンジ」において、研究テーマが研究フェーズに移行し、共同研究を実施することになった。

ドップラーライダーと気象観測ドローンで低高度空域を詳細に監視


本共同研究は、次世代空モビリティの安全な運航を支える空域監視システムの社会実装を目指すものだ。

空飛ぶクルマや物流ドローンなどの次世代空モビリティは、従来の航空機に比べて低い高度を飛行するため、地形の影響を受けやすい局地的な降水や突風、霧といった気象現象が安全運航の大きな課題となっている。

一方で、現在の気象観測網は低高度の空域を十分にカバーできておらず、特にビル街や山間部などの複雑な地形上空での気象観測網の構築や、気象予測の精度向上が求められている。

(ドップラーライダーによる風況調査

本研究では、次世代空モビリティの安全な運航を支えるため、リモートセンシング技術を活用したドップラーライダーや気象観測ドローンを用いて、低高度の空域を詳細に監視するインフラの構築と、観測データを活用したより高精度な気象予測の実現を目指す。

都市上空や低高度を飛行する空モビリティの普及が期待される中、安全・安心な空の移動社会を支える基盤技術として、本システムの社会実装が期待される。

研究テーマは「リモートセンシング装置と気象観測ドローンによる次世代空モビリティ安全航行のための空域監視システムの開発と気象予報高精度化」だ。

「航空イノベーションチャレンジ」は、JAXAが航空分野のさまざまな研究開発テーマを広く公募するプログラムだ。日本気象の研究テーマは2024年度のフィジビリティスタディを経て、このたび社会実装の可能性が高い案件として研究フェーズへと移行した。

日本気象は、全国で推進される空飛ぶクルマや物流ドローンの導入に向けて、ドップラーライダーをはじめとする最新の観測機器を活用した気象調査や予測情報の提供を行っている。

大阪・関西万博では、大阪市内にドップラーライダーを設置して、空飛ぶクルマやドローンショーの安全運航を支援しており、今後の空飛ぶクルマの商用運航の実現を見据えて、UATMなどの運行管理システム向けの気象情報提供を目指している。





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