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デジコン編集部 2025.10.8

ヤンマーとソニーが水中センシング技術の合弁会社を設立。船底洗浄ROVの開発に着手

ヤンマーホールディングスとソニーグループは、水中センシングに関する技術開発およびその社会実装を目的に合弁会社「ヤンマーブルーテック」を9月8日付で設立し、10月1日より事業を開始する。

海洋生態系保全と人手不足解決に向けた高度化ROVを共同開発


本合弁会社では、海洋生態系の保全や海洋インフラ点検における人手不足問題など、海洋の持続可能性に関する様々な課題の解決に向けて、両社の知見を融合した新たな技術やソリューションの創出に取り組む。

第一弾として、海中調査や船底洗浄作業で活用されるROVの高度化と実用化に取り組む研究プロジェクトを起ち上げ、共同での技術開発と実証実験を進める。

近年、船舶運航にともなう温室効果ガスの排出による地球環境の悪化や、船体付着生物の移動が海洋生態系にもたらす影響が問題視されている。

国際海事機関による法整備や環境規制により、海運業者も船体付着生物への対処が厳格に求められるようになっている一方で、現在はダイバーによる洗浄が主流となっており、人手不足や安全確保などが課題となっている。

ヤンマーグループでは、高圧水噴射式で業界最高クラスの洗浄速度を実現する船底洗浄ROVや、デブリをマイクロメートル単位でろ過回収できるデブリ回収装置の開発に取り組んでいる。

他方で、ソニーは、動体歪みのない高感度な撮影が可能なグローバルシャッター方式のイメージセンサーや、濁りや浮遊物など海中環境に適応した画像処理技術、リアルタイムでの自己位置推定技術などを有している。

本プロジェクトでは、ヤンマーが開発するROVにソニーの要素技術を実装することで、水中映像の鮮明化や3Dデータ化、自己位置の把握など、従来よりも高効率なROV運用の実現を目指す。船底洗浄作業を効率的にし、人に依らない安全かつ安定した運用が可能な新たなソリューションの展開につなげる。

合弁会社の出資比率はヤンマーホールディングスが90%、ソニーが10%で、資本金は3億8,830万円である。




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デジコン編集部

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