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デジコン編集部 2025.8.25

五洋建設とセンシンロボティクス、工事用仮設エレベーターの監視システムを開発。稼働状況の可視化で揚重作業の効率化を実現

五洋建設とセンシンロボティクスは、工事用仮設エレベーターによる揚重作業のリアルタイム監視と稼働データの収集・分析による作業効率の向上を目的に「工事用仮設エレベータモニタリングシステム」を開発した。

実工事への適用でその効果を確認し、作業員の待ち時間改善や搬入車両の待機時間短縮を実現している。

QRコード活用でスマートデバイスから現在階と行き先階を確認可能


建設現場で使用される工事用仮設エレベーターは、一般的な本設エレベーターとは異なり、外装に現在階や行き先階の表示がないため、作業員がエレベーターの動きを把握できず、待機時間が長くなるケースが多く業務効率の低下が課題となっていた。

複数台のエレベーターが稼働している現場においては、各エレベーター稼働状況や揚重物に関するデータを集計する手段がなく、エレベーターの最適配置や揚重計画の効率化も難しい状況であった。

〈画像左:ELVかご内映像/画像右:荷積み階映像(B2階)〉

新システムは、現場に設置されたエッジデバイスとクラウドシステムで構成されており、エレベーターの制御盤の信号およびエレベーター内部の映像をエッジデバイスが取得し、クラウドシステムへリアルタイムで配信する。

〈エレベータ稼働状況のグラフ化(縦軸:階数 横軸:時刻)〉

クラウドシステム上では、現場事務所のモニターや作業員のスマートフォンなどから、エレベーターの現在位置や行き先階などの稼働状況を即時に確認できる。

揚重する資材の情報はスマートデバイスに入力し、工事事務所や作業員事務所に設置したモニターから資材の種類や重量、エレベーターの現在階と行き先階などを確認できる。

収集した稼働データはグラフ化し、揚重計画の改善や修正に生かすことができ、リアルタイムの監視にも対応している。

〈ELVゲート前に設置したQRコード(スマートフォンでQRコードを読み取ることでエレベータ位置情報が入手可能)〉

エレベーターの階数情報は現場内の全作業員がスマートデバイスから確認可能で、混雑時の待ち時間を有効活用できる環境を整える。

東京都中央区で施工中の「月島三丁目北地区市街地再開発事業建設工事」に同システムを適用した結果、作業員の待ち時間の改善、高層階での荷下ろし状況に応じた荷積み階での作業効率の向上、搬入車両の待機時間の短縮などの効果が確認された。




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デジコン編集部

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