三菱電機、現実とバーチャルを繋ぐ時空間データ基盤「GeoCLOVER」を開発

三菱電機株式会社は、現実世界をデジタル空間上に再現する時空間データ基盤「GeoCLOVER（ジオクローバー）」の基礎技術を開発したと発表した。この技術は、建設DXを大きく前進させる可能性を秘めている。

時空間データが拓く新たな可能性

GeoCLOVERは、ビル、工場、都市などの現実空間を、時間と空間のデータとしてバーチャル上に再現する革新的な技術だ。

これにより、建設現場の効率化や自動化、さらには社会課題の解決に向けた新たなアプローチが可能になると期待されている。

従来のデジタルツイン技術では、特定のモノや時間のデータのみを扱うことが多かった。

しかし、GeoCLOVERは現実世界を構成するあらゆるモノの位置と時間を「時空間データ」として収集・統合・管理・活用することができる。これまで見逃されていた現実世界の些細な変化も捉えることが可能となる。

建設業界への影響と応用

GeoCLOVERの登場により、建設業界では以下のような革新的な応用が期待できる。

1. 現場環境のリモート化：遠隔地からでも現場の状況を詳細に把握できるようになる。
2. 問題分析と仮説検証：収集された時空間データを基に、建設プロジェクトの問題点を特定し、解決策を仮想空間上でテストできる。
3. 未来予測：過去から現在までのデータを基に、プロジェクトの進捗や潜在的な問題を予測することが可能になる。
4. 最適な空間設計：オフィスや工場の空間を、快適性や効率性を最大化するよう設計できる。
5. 環境への配慮：建設プロジェクトのCO2排出量をリアルタイムで可視化し、環境に配慮した建設を促進できる。
   
   

三菱電機は、この技術を2026年までに完成させる予定だ。

GeoCLOVERの実用化により、建設業界のデジタル化がさらに加速し、生産性の向上や環境負荷の低減など、多様な社会課題の解決につながることが期待される。