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デジコン編集部 2024.4.9

奥村組、山岳トンネル工事の安全対策に「肌落ち監視システム」を開発

奥村組とシステム計画研究所は、山岳トンネル工事の切羽における肌落ち※1災害を防止のために、切羽鏡面の吹付けコンクリート(以下、鏡吹付けコンクリート※2)のひび割れを検出して肌落ちの予兆を知らせる「肌落ち監視システム」を開発した。

※:トンネルを掘削した前方の面から岩石等が落下すること

厚生労働省が労働災害の防止を図るため策定した「山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に係るガイドライン」に、事業者が講じることが望ましい事項として「切羽監視責任者の選任」や「具体的な肌落ち防止対策」、「切羽監視責任者による切羽作業中の切羽の常時監視」などが挙げられている。

切羽での作業にあたっては、労働者の立入を原則禁止するとともに、機械化も進めているが、発破掘削における爆薬装填、結線など、切羽に立ち入らざるを得ない作業がある。

そのため、切羽における肌落ち災害の防止を目的として、目視では確認しきれない鏡吹付けコンクリートのひび割れ変状を速やかに検出し、切羽監視責任者による監視を補助する「肌落ち監視システム」を開発した。

本システムは、切羽での作業中にカメラで撮影した切羽画像から、鏡吹付けコンクリートに発生したひび割れをAIで検出し、肌落ちの予兆を警告するシステム


吹付けコンクリート供試体や鏡吹付けコンクリートなどのひび割れ画像を教師データとして作成したAI学習モデル(図-1)を用いて、86%以上の高い精度でひび割れを検出することができる(図-2)。


長崎県発注の主要地方道厳原豆酘美津島線道路改良工事((仮称)箕形トンネル)に本システムを適用・試行し、(図-3)切羽監視責任者が切羽に極力接近することなく、40~60秒程度でひび割れ検出結果を表示でき、肌落ち監視を補助するシステムとして有効であることを確認した。


参考・画像元:奥村組プレスリリース
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デジコン編集部

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