本格的な冬の到来とともに、建設現場の作業環境は厳しさを増す。
寒さは単に不快なだけでなく、体の動きを鈍らせ、判断力を低下させ、最悪の場合は労働災害のリスクを高める要因にもなりかねない。
そこで極めて重要なのが、肌に直接触れる「ベースレイヤー(インナー)」の選び方である。近年、ワークウェアのテクノロジーは飛躍的に進化しており、薄手でも驚くほど温かい「機能性インナー」が数多く登場している。
本記事では、建設現場に最適な機能性インナーの基礎知識から、現場を知り尽くしたプロが選ぶおすすめアイテム7選までを徹底解説する。
機能性インナー(コンプレッションインナーや冬用アンダーウェアとも呼ばれる)とは、単に体を覆うだけでなく、「保温」「発熱」「吸汗速乾」など、過酷な環境下で快適に過ごすための科学的な機能が付加された肌着のことである。
一般的な綿(コットン)の肌着は肌触りこそ良いものの、作業で汗をかくと水分を保持してしまい乾きにくい。
冬場において、濡れた衣服は体温を急激に奪う「汗冷え」の最大の原因となる。
一方、建設現場などの作業者向けの機能性インナーは、ポリエステルなどの化学繊維や特殊加工された天然繊維を使用し、「温かさを保ちつつ、汗を素早く逃がす」ように設計されているのが最大の違いだ。
薄手の生地でも温かさを感じるのには、主に2つの理由がある。
多くの冬用インナーに採用されている技術だ。
体から常に蒸発している微量な水分(水蒸気)を繊維が吸収する際、水分が液体に変わるときに発生する熱(凝縮熱)を利用して、生地自体を発熱させる仕組みである。
裏起毛加工や特殊な繊維構造により、生地と肌の間に温かい空気を溜め込む層(デッドエア)を形成する。
この空気の層が断熱材の役割を果たし、外気の冷たさを遮断しつつ、体温を逃がさないように保温するのだ。
建設現場の環境や作業内容によって、選ぶべきインナーのタイプは異なる。
体にぴったりと密着し、筋肉の無駄な揺れを抑えて疲労を軽減する。隙間がないため冷気が入り込みにくく、足場の上など激しく動く作業に向いている。
(画像元:おたふく手袋Amazonサイトより引用)
締め付けが少なく、リラックスした着心地である。体と生地の間に空気の層ができやすく、保温性が高い製品が多い。
寒冷地での作業や、動きの少ない監視業務・重機オペレーターなどに最適である。動きやすさよりも保温性を最優先したモデルだ。
生地の表面に防風ラミネート加工などが施されており、風を通さない。高所作業や吹きっさらしの現場で真価を発揮する。
オススメ商品紹介に移る前に、建設業の現場作業ならではの「失敗しない選び方」を追記したい。一般的な防寒インナー選びとは異なる視点が必要だ。
建設作業では、しゃがんだり前屈みになったりする姿勢が多い。
着丈が短いインナーだと、動くたびに背中が出てしまい、そこから冷気が入り込んで腰を冷やす原因となる。
購入時は着丈の長さを確認し、しっかりとズボンにインできるものを選ぶことが鉄則だ。
細かい手作業が多い職人の場合、袖口がもたつくと作業効率が落ちる。また、手袋やリストバンドと干渉して不快になることもある。
あえて9分袖のものを選ぶか、袖口がピタリとフィットしてずり上がってこないストレッチ性の高い素材を選ぶと良い。
冬場とはいえ、厚着をして作業をすれば汗をかく。詰め所(休憩所)や通勤車内など、密閉された空間で過ごすことも多いため、汗のニオイ対策はマナーの一つだ。
消臭テープ付きや、抗菌防臭加工が施されたモデルを選ぶことで、自身も周囲も快適に過ごせる。
数あるワークウェアブランドの中から、建設業界で支持の高い実力派インナーを厳選した。それぞれの特徴を詳細に解説する。
【「蓄熱」で温める進化系。コスパ最強ブランドが放つ次世代インナー】
土木・建設現場において圧倒的なシェアを誇る「おたふく手袋」のボディタフネスシリーズ。
(画像元:THERMO EVO製品サイトより引用)
その中でも、従来の防寒インナーを“過去のもの”にするべく開発されたのが、この『サーモエボ(THERMO EVO)』シリーズである。
最大の特徴は、熱の生み出し方にある。一般的な発熱インナーが汗などの水分に反応して発熱するのに対し、サーモエボは繊維の一本一本に「熱を蓄える粉末(鉱石パウダー)」を練り込んでいる。
(画像元:THERMO EVO商品サイトより引用)
この蓄熱粉末が、人体や太陽光から発せられる熱エネルギー(遠赤外線)を吸収・蓄熱し、生地全体が温まることで体温の低下を防ぐのだ。
汗をかいていない状態でも温かさを感じられるため、作業開始直後の冷え込みにも強い。
(画像元:THERMO EVO商品サイトより引用)
もちろん、現場作業に不可欠な機能も最高レベルで備えている。驚異的な伸縮率を誇るストレッチ生地は、どんな激しい動きにも皮膚のように追従し、ストレスを感じさせない。
さらに特筆すべきは「全面消臭」機能だ。消臭テープなどの局所的な対策ではなく、消臭コアーミシン糸を使用することで、洗濯を繰り返しても半永久的に消臭効果が持続する。
(画像元:THERMO EVO商品サイトより引用)
「暖かさ・動きやすさ・消臭」のすべてをハイレベルで満たしながら、手に取りやすい価格を実現した、まさに「進化(Evolution)」した現場のニュースタンダードである。
【デザインと機能が融合、見えても格好良いインナー】
スタイリッシュなワークウェアで若手職人を中心に絶大な支持を得るバートル。
「ホットフィッテッド」シリーズは、単なる防寒着の枠を超え、ファッションアイテムとしても成立する完成度を誇る。
(画像元:ユニフォームネクスト ホットフィッテッドページより引用)
機能面では、裏起毛素材の高い保温性に加え、縫い目を平らに仕上げる「フラットロックシーム」縫製を採用。
フルハーネスや腰道具で圧迫されても、縫い目が肌に食い込んで痛くなることがなく、ストレスフリーな着心地を実現している。
(画像元:ユニフォームネクスト ホットフィッテッドページより引用)
また、脇部分には消臭テープが配置されており、気になるニオイもケア。生地はマットな質感で高級感があり、休憩中に上着を脱いでインナー姿になっても様になる。
「現場でも格好良くありたい」と願う職人には、間違いなくこの一着がおすすめだ。
【寒風をシャットアウトする「着る防風壁」】
冬の屋外作業、特に高所や吹きっさらしの土木現場において、体温を奪う最大の敵は「風」である。
TS DESIGNのこのモデルは、前面や胸元など風を直接受ける部分に特殊な「防風ラミネート素材」を使用し、物理的に冷気を遮断する構造になっている。
(画像元:ラミネートロングスリーブジップシャツ製品サイトより引用)
しかし、全面を防風素材にしてしまうと、今度は汗が逃げずに蒸れて汗冷えしてしまう。そこで、バックパックを背負ったり上着を着たりして汗をかきやすい「背中」や「脇」には、通気性の良いマイクロフリースを配置。
(画像元:ラミネートロングスリーブジップシャツ製品サイトより引用)
この「前は防風、後ろは通気」というハイブリッド構造により、「風は防ぐが、湿気は逃がす」という理想的な衣服内環境を作り出す。
常に風に晒される鳶職や、バイク通勤の作業員にとって、これ以上の選択肢はないだろう。
【天然素材「メリノウール」の実力を、冬の現場へ】
これまで登山家など一部のアウトドア愛好家にのみ愛用されてきた高級素材「メリノウール」を、ワークマンならではの低価格帯で、現場へ普及させた衝撃作だ。
(画像元:メリノウール100 長袖クルーネック 商品サイトより引用)
ウールは「天然のエアコン」と呼ばれ、繊維自体が呼吸するように湿気を調整する能力を持つ。 化学繊維のインナーと比較して圧倒的に優れているのが「吸湿性」と「抗菌防臭性」だ。
汗をかいてもゆっくりと湿気を放出するため、急激な体温低下(汗冷え)が起きにくい。
(画像元:メリノウール100 長袖クルーネック 商品サイトより引用)
また、天然素材特有の免疫機能でニオイの原因菌を抑制する効果は非常に高く、数日間の出張や、洗濯が頻繁にできない過酷な現場でも快適さを保てる。
肌が弱く、化学繊維特有のチクチク感が苦手な方にも強く推奨したい一着だ。
【スポーツ科学の粋を結集した発熱力】
日本のスポーツメーカー・ミズノが誇る吸湿発熱素材「ブレスサーモ」。
その実力は、ウインタースポーツのオリンピック選手たちを支えてきた歴史が証明している。
人体から常に発生している微量な水分を吸収して発熱するその能力は、他社製品と比較しても頭一つ抜けていると言えるだろう。
現場向けモデルでは、スポーツウェア開発で培われた「ダイナモーションフィット」設計を採用。
腕の上げ下げや屈伸運動時の皮膚の伸縮を分析し、ウェアのつっぱり感を極限まで抑えている。
また、発熱力だけでなく「肌をドライに保つ」能力にも長けているため、激しく動いて汗をかいた後でもサラッとした着心地が続く。
動きやすさと温かさ、そしてドライ感を最高レベルで両立させたいプロフェッショナル向けの一品だ。
【男の色気と機能性、闘う男のコンプレッション】
新庄剛志氏が長年イメージキャラクターを務めることでも知られるJawinブランド。
そのコンセプトは明確で、現場で働く男のプライドと闘争本能を刺激するデザインにある。
(画像元:だるま商店 ジャウィン 冬用インナーウェア商品サイトより引用)
ブラックベースの生地に、ゴールドやシルバーの幾何学模様やカモフラージュ柄をあしらったデザインは、単調になりがちな作業着の下で確かな存在感を放つ。
もちろん見た目だけではない。適度な加圧(コンプレッション)が筋肉を程よく締め付け、長時間の作業による疲労蓄積を軽減するサポート効果が期待できる。
(画像元:だるま商店 ジャウィン 冬用インナーウェア商品サイトより引用)
吸汗速乾加工、消臭・抗菌テープといった基本機能も高水準で網羅。「魅せるインナー」として、仕事へのモチベーションを高めたい方、己を鼓舞したい職人にこそ選んでほしい。
【極厚素材で極寒に挑む、最強の保温性】
「とにかく寒いのが苦手」「極寒の現場で、あまり動かない作業が多い」という場合に選ぶべきは、イーブンリバーのヒートボディシリーズ一択だ。
通常のコンプレッションインナーとは一線を画す、肉厚な「極厚」の裏起毛素材を使用しており、着用した瞬間に感じる安心感は、まるで毛布を纏っているかのようだ。
(画像元:ヒートボディコンプレッション商品サイトより引用)
生地は厚いが、4方向への高いストレッチ性(フリーストレッチ)があるため、身体の動きには驚くほど柔軟に追従する。
特に、北海道や東北、北陸などの寒冷地現場、あるいは動きが少なく体温が上がりづらい交通誘導員や重機オペレーターにおいては、この物理的な厚みが命綱となる。薄手のインナーではどうにもならない寒さには、この「極厚」で対抗してほしい。
機能性インナーで「体の内側」から温めることは重要だが、極寒の現場における究極の防寒対策は、「寒風に晒される作業時間そのものを短縮すること」に他ならない。
記事の締めくくりとして、建設ICTメディア「デジコン」ならではの視点から、冬の現場業務を劇的に効率化し、温かい事務所へ早く戻るための「もう一つの防寒ツール」を紹介したい。
どんなに高性能なインナーを着込んでも、寒い屋外で数時間立ち尽くして行う測量作業は過酷そのものである。
手がかじかんで野帳への記入もままならない、そんな経験を持つ技術者は多いのではないだろうか。
そこでおすすめしたいのが、手持ちのiPhoneやiPadで高精度な測量が可能になる1人測量アプリ「OPTiM Geo Scan」だ。
「OPTiM Geo Scan」は、iPhone Proなどに搭載されているLiDARセンサーを活用し、対象物をスキャンするだけで測量データを取得できる画期的なアプリである。
機能性インナーで体温を守り、ICTツールで作業時間を削る。
この「フィジカル」と「デジタル」の両輪こそが、令和の建設現場におけるスマートな防寒スタイルと言えるだろう。
「寒くて作業が進まない」と嘆く前に、最新のテクノロジーを導入して、現場作業を定時よりも早く終わらせてみてはいかがだろうか。
建設現場における防寒対策は、単に服を何枚も重ね着すれば良いというものではない。
「動きやすさ」を維持しつつ、「体温調整」と「汗冷え防止」を両立させる機能性インナーを適切に選ぶことこそが、冬場の作業効率を劇的に変える鍵となる。
コストパフォーマンス、防風機能、発熱素材、あるいは天然素材の快適さ。ご自身の作業スタイルや現場の気象条件に合わせて最適な一枚を選び抜き、この冬の現場を安全かつ快適に乗り切ってほしい。
寒さは単に不快なだけでなく、体の動きを鈍らせ、判断力を低下させ、最悪の場合は労働災害のリスクを高める要因にもなりかねない。
そこで極めて重要なのが、肌に直接触れる「ベースレイヤー(インナー)」の選び方である。近年、ワークウェアのテクノロジーは飛躍的に進化しており、薄手でも驚くほど温かい「機能性インナー」が数多く登場している。
本記事では、建設現場に最適な機能性インナーの基礎知識から、現場を知り尽くしたプロが選ぶおすすめアイテム7選までを徹底解説する。
機能性インナーとは? 一般的な肌着との決定的な違い
機能性インナー(コンプレッションインナーや冬用アンダーウェアとも呼ばれる)とは、単に体を覆うだけでなく、「保温」「発熱」「吸汗速乾」など、過酷な環境下で快適に過ごすための科学的な機能が付加された肌着のことである。
一般的な綿(コットン)の肌着は肌触りこそ良いものの、作業で汗をかくと水分を保持してしまい乾きにくい。
冬場において、濡れた衣服は体温を急激に奪う「汗冷え」の最大の原因となる。
一方、建設現場などの作業者向けの機能性インナーは、ポリエステルなどの化学繊維や特殊加工された天然繊維を使用し、「温かさを保ちつつ、汗を素早く逃がす」ように設計されているのが最大の違いだ。
なぜ温かいのか? そのメカニズム
薄手の生地でも温かさを感じるのには、主に2つの理由がある。
吸湿発熱
多くの冬用インナーに採用されている技術だ。
体から常に蒸発している微量な水分(水蒸気)を繊維が吸収する際、水分が液体に変わるときに発生する熱(凝縮熱)を利用して、生地自体を発熱させる仕組みである。
デッドエア(空気の層)の確保
裏起毛加工や特殊な繊維構造により、生地と肌の間に温かい空気を溜め込む層(デッドエア)を形成する。
この空気の層が断熱材の役割を果たし、外気の冷たさを遮断しつつ、体温を逃がさないように保温するのだ。
機能性インナーにはどんな種類がある? 選び方の基本タイプ
建設現場の環境や作業内容によって、選ぶべきインナーのタイプは異なる。
コンプレッション(加圧)タイプ
体にぴったりと密着し、筋肉の無駄な揺れを抑えて疲労を軽減する。隙間がないため冷気が入り込みにくく、足場の上など激しく動く作業に向いている。
(画像元:おたふく手袋Amazonサイトより引用)ルーズフィットタイプ
締め付けが少なく、リラックスした着心地である。体と生地の間に空気の層ができやすく、保温性が高い製品が多い。
極厚(ごくあつ)タイプ
寒冷地での作業や、動きの少ない監視業務・重機オペレーターなどに最適である。動きやすさよりも保温性を最優先したモデルだ。
防風タイプ
生地の表面に防風ラミネート加工などが施されており、風を通さない。高所作業や吹きっさらしの現場で真価を発揮する。
土木・建設現場ならではの「選び方」3つのチェックポイント
オススメ商品紹介に移る前に、建設業の現場作業ならではの「失敗しない選び方」を追記したい。一般的な防寒インナー選びとは異なる視点が必要だ。
① 「着丈」は長いものを選ぶべし
建設作業では、しゃがんだり前屈みになったりする姿勢が多い。
着丈が短いインナーだと、動くたびに背中が出てしまい、そこから冷気が入り込んで腰を冷やす原因となる。
購入時は着丈の長さを確認し、しっかりとズボンにインできるものを選ぶことが鉄則だ。
② 「袖の長さ」と手首の干渉
細かい手作業が多い職人の場合、袖口がもたつくと作業効率が落ちる。また、手袋やリストバンドと干渉して不快になることもある。
あえて9分袖のものを選ぶか、袖口がピタリとフィットしてずり上がってこないストレッチ性の高い素材を選ぶと良い。
③ 「消臭機能」は必須エチケット
冬場とはいえ、厚着をして作業をすれば汗をかく。詰め所(休憩所)や通勤車内など、密閉された空間で過ごすことも多いため、汗のニオイ対策はマナーの一つだ。
消臭テープ付きや、抗菌防臭加工が施されたモデルを選ぶことで、自身も周囲も快適に過ごせる。
現場作業でも温かい!機能性インナー オススメ7選
数あるワークウェアブランドの中から、建設業界で支持の高い実力派インナーを厳選した。それぞれの特徴を詳細に解説する。
① BODY TOUGHNESS THERMO EVOシリーズ 〈 おたふく手袋 〉
【「蓄熱」で温める進化系。コスパ最強ブランドが放つ次世代インナー】
土木・建設現場において圧倒的なシェアを誇る「おたふく手袋」のボディタフネスシリーズ。
(画像元:THERMO EVO製品サイトより引用)その中でも、従来の防寒インナーを“過去のもの”にするべく開発されたのが、この『サーモエボ(THERMO EVO)』シリーズである。
最大の特徴は、熱の生み出し方にある。一般的な発熱インナーが汗などの水分に反応して発熱するのに対し、サーモエボは繊維の一本一本に「熱を蓄える粉末(鉱石パウダー)」を練り込んでいる。
(画像元:THERMO EVO商品サイトより引用)この蓄熱粉末が、人体や太陽光から発せられる熱エネルギー(遠赤外線)を吸収・蓄熱し、生地全体が温まることで体温の低下を防ぐのだ。
汗をかいていない状態でも温かさを感じられるため、作業開始直後の冷え込みにも強い。
(画像元:THERMO EVO商品サイトより引用)もちろん、現場作業に不可欠な機能も最高レベルで備えている。驚異的な伸縮率を誇るストレッチ生地は、どんな激しい動きにも皮膚のように追従し、ストレスを感じさせない。
さらに特筆すべきは「全面消臭」機能だ。消臭テープなどの局所的な対策ではなく、消臭コアーミシン糸を使用することで、洗濯を繰り返しても半永久的に消臭効果が持続する。
(画像元:THERMO EVO商品サイトより引用)「暖かさ・動きやすさ・消臭」のすべてをハイレベルで満たしながら、手に取りやすい価格を実現した、まさに「進化(Evolution)」した現場のニュースタンダードである。
② ホットフィッテッド 〈 BURTLE(バートル) 〉
【デザインと機能が融合、見えても格好良いインナー】
スタイリッシュなワークウェアで若手職人を中心に絶大な支持を得るバートル。
「ホットフィッテッド」シリーズは、単なる防寒着の枠を超え、ファッションアイテムとしても成立する完成度を誇る。
(画像元:ユニフォームネクスト ホットフィッテッドページより引用)機能面では、裏起毛素材の高い保温性に加え、縫い目を平らに仕上げる「フラットロックシーム」縫製を採用。
フルハーネスや腰道具で圧迫されても、縫い目が肌に食い込んで痛くなることがなく、ストレスフリーな着心地を実現している。
(画像元:ユニフォームネクスト ホットフィッテッドページより引用)また、脇部分には消臭テープが配置されており、気になるニオイもケア。生地はマットな質感で高級感があり、休憩中に上着を脱いでインナー姿になっても様になる。
「現場でも格好良くありたい」と願う職人には、間違いなくこの一着がおすすめだ。
③ ラミネートロングスリーブジップシャツ〈 TS DESIGN 〉
【寒風をシャットアウトする「着る防風壁」】
冬の屋外作業、特に高所や吹きっさらしの土木現場において、体温を奪う最大の敵は「風」である。
TS DESIGNのこのモデルは、前面や胸元など風を直接受ける部分に特殊な「防風ラミネート素材」を使用し、物理的に冷気を遮断する構造になっている。
(画像元:ラミネートロングスリーブジップシャツ製品サイトより引用)しかし、全面を防風素材にしてしまうと、今度は汗が逃げずに蒸れて汗冷えしてしまう。そこで、バックパックを背負ったり上着を着たりして汗をかきやすい「背中」や「脇」には、通気性の良いマイクロフリースを配置。
(画像元:ラミネートロングスリーブジップシャツ製品サイトより引用)この「前は防風、後ろは通気」というハイブリッド構造により、「風は防ぐが、湿気は逃がす」という理想的な衣服内環境を作り出す。
常に風に晒される鳶職や、バイク通勤の作業員にとって、これ以上の選択肢はないだろう。
④ メリノウール100 長袖クルーネック 〈 ワークマン 〉
【天然素材「メリノウール」の実力を、冬の現場へ】
これまで登山家など一部のアウトドア愛好家にのみ愛用されてきた高級素材「メリノウール」を、ワークマンならではの低価格帯で、現場へ普及させた衝撃作だ。
(画像元:メリノウール100 長袖クルーネック 商品サイトより引用)ウールは「天然のエアコン」と呼ばれ、繊維自体が呼吸するように湿気を調整する能力を持つ。 化学繊維のインナーと比較して圧倒的に優れているのが「吸湿性」と「抗菌防臭性」だ。
汗をかいてもゆっくりと湿気を放出するため、急激な体温低下(汗冷え)が起きにくい。
(画像元:メリノウール100 長袖クルーネック 商品サイトより引用)また、天然素材特有の免疫機能でニオイの原因菌を抑制する効果は非常に高く、数日間の出張や、洗濯が頻繁にできない過酷な現場でも快適さを保てる。
肌が弱く、化学繊維特有のチクチク感が苦手な方にも強く推奨したい一着だ。
⑤ プレミアホットインナー ブレスサーモプレミア〈 MIZUNO 〉
【スポーツ科学の粋を結集した発熱力】
日本のスポーツメーカー・ミズノが誇る吸湿発熱素材「ブレスサーモ」。
その実力は、ウインタースポーツのオリンピック選手たちを支えてきた歴史が証明している。
人体から常に発生している微量な水分を吸収して発熱するその能力は、他社製品と比較しても頭一つ抜けていると言えるだろう。
現場向けモデルでは、スポーツウェア開発で培われた「ダイナモーションフィット」設計を採用。
腕の上げ下げや屈伸運動時の皮膚の伸縮を分析し、ウェアのつっぱり感を極限まで抑えている。
また、発熱力だけでなく「肌をドライに保つ」能力にも長けているため、激しく動いて汗をかいた後でもサラッとした着心地が続く。
動きやすさと温かさ、そしてドライ感を最高レベルで両立させたいプロフェッショナル向けの一品だ。
⑥ Jawin 冬用インナーウェア 58204 SERIES〈 自重堂 〉
【男の色気と機能性、闘う男のコンプレッション】
新庄剛志氏が長年イメージキャラクターを務めることでも知られるJawinブランド。
そのコンセプトは明確で、現場で働く男のプライドと闘争本能を刺激するデザインにある。
(画像元:だるま商店 ジャウィン 冬用インナーウェア商品サイトより引用)ブラックベースの生地に、ゴールドやシルバーの幾何学模様やカモフラージュ柄をあしらったデザインは、単調になりがちな作業着の下で確かな存在感を放つ。
もちろん見た目だけではない。適度な加圧(コンプレッション)が筋肉を程よく締め付け、長時間の作業による疲労蓄積を軽減するサポート効果が期待できる。
(画像元:だるま商店 ジャウィン 冬用インナーウェア商品サイトより引用)吸汗速乾加工、消臭・抗菌テープといった基本機能も高水準で網羅。「魅せるインナー」として、仕事へのモチベーションを高めたい方、己を鼓舞したい職人にこそ選んでほしい。
⑦ ヒートボディコンプレッション シリーズ〈 イーブンリバー 〉
【極厚素材で極寒に挑む、最強の保温性】
「とにかく寒いのが苦手」「極寒の現場で、あまり動かない作業が多い」という場合に選ぶべきは、イーブンリバーのヒートボディシリーズ一択だ。
通常のコンプレッションインナーとは一線を画す、肉厚な「極厚」の裏起毛素材を使用しており、着用した瞬間に感じる安心感は、まるで毛布を纏っているかのようだ。
(画像元:ヒートボディコンプレッション商品サイトより引用)生地は厚いが、4方向への高いストレッチ性(フリーストレッチ)があるため、身体の動きには驚くほど柔軟に追従する。
特に、北海道や東北、北陸などの寒冷地現場、あるいは動きが少なく体温が上がりづらい交通誘導員や重機オペレーターにおいては、この物理的な厚みが命綱となる。薄手のインナーではどうにもならない寒さには、この「極厚」で対抗してほしい。
機能性インナーで「体の内側」から温めることは重要だが、極寒の現場における究極の防寒対策は、「寒風に晒される作業時間そのものを短縮すること」に他ならない。
記事の締めくくりとして、建設ICTメディア「デジコン」ならではの視点から、冬の現場業務を劇的に効率化し、温かい事務所へ早く戻るための「もう一つの防寒ツール」を紹介したい。
最強の防寒対策は「現場滞在時間を減らす」こと!1人測量アプリ「OPTiM Geo Scan」で劇的時短を!
どんなに高性能なインナーを着込んでも、寒い屋外で数時間立ち尽くして行う測量作業は過酷そのものである。
手がかじかんで野帳への記入もままならない、そんな経験を持つ技術者は多いのではないだろうか。
そこでおすすめしたいのが、手持ちのiPhoneやiPadで高精度な測量が可能になる1人測量アプリ「OPTiM Geo Scan」だ。
「OPTiM Geo Scan」は、iPhone Proなどに搭載されているLiDARセンサーを活用し、対象物をスキャンするだけで測量データを取得できる画期的なアプリである。
- 準備不要: 重たいトータルステーション(TS)や三脚を担いで移動し、寒空の下で据え付けを行う必要はない。ポケットからスマホを取り出すだけで準備完了だ。
- 圧倒的なスピード:従来の手法では数時間〜半日かかっていた小規模な現場の現況測量が、数十分程度で完了するケースも珍しくない。
- 一人で完結:プリズムを持つ相棒も不要。一人でサッと現場に入り、サッと計測を終えて撤収できる。
最強インナー × ICT で冬の現場を攻略せよ
機能性インナーで体温を守り、ICTツールで作業時間を削る。
この「フィジカル」と「デジタル」の両輪こそが、令和の建設現場におけるスマートな防寒スタイルと言えるだろう。
「寒くて作業が進まない」と嘆く前に、最新のテクノロジーを導入して、現場作業を定時よりも早く終わらせてみてはいかがだろうか。
まとめ
建設現場における防寒対策は、単に服を何枚も重ね着すれば良いというものではない。
「動きやすさ」を維持しつつ、「体温調整」と「汗冷え防止」を両立させる機能性インナーを適切に選ぶことこそが、冬場の作業効率を劇的に変える鍵となる。
コストパフォーマンス、防風機能、発熱素材、あるいは天然素材の快適さ。ご自身の作業スタイルや現場の気象条件に合わせて最適な一枚を選び抜き、この冬の現場を安全かつ快適に乗り切ってほしい。
WRITTEN by
建設土木のICT活用など、
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