東北一の人口を誇り、東北で唯一の政令指定都市である“杜の都”仙台市を有する宮城県。
同じく東北唯一の国管理空港の仙台空港、国際拠点港湾の仙台塩釜港があり、交通と物流の拠点にもなっている。
自然環境はというと、蔵王・船形・栗駒などの山々が連なる西部は降雪も多く、奥羽山脈の手前には仙台平野が広がる。一方、北部にリアス式海岸が続く海沿いは、比較的穏やかな気候だ。
豊かな自然はときに災害を巻き起こし、近年では2019年の東日本台風、2022年の福島県沖地震や豪雨災害などが発生している。
宮城県土木部では、頻発化・激甚化する自然災害に対し備える必要性を念頭に置き、「次世代に『安全・安心』と『活力』を引き継ぐ『持続可能』な宮城の県土づくり」を基本理念とした行政推進計画を策定。
震災からの復旧・復興後の姿を見据えた「第3期みやぎ建設産業振興プラン」の推進に取り組んでいる。
県内では、2011年の東日本大震災後、建設業許可業者数が増加し、現在も横ばいの状況が続いている。
課題としては、復旧・復興事業が進んできたことにより、建設投資額は急激な減少したこと、他県と同じく、若者入職者の減少や高齢化による担い手不足が挙げられる。
また、建設DXやi-constructionに関しては、令和元年度から県をあげて注力しており、例えば、遠隔現場臨場の導入、ICT関連機器の購入やドローン講習にかかる費用への補助といった導入支援を行うことにより、活用事業者も大幅に増加している。
本記事では、そんな宮城県の総合土木・建設業界をリードする15社を紹介する。各社の歴史、特徴的な技術、代表的なプロジェクト、そして最新の取り組みなどを詳しく見ていこう。
1942年に創業した仙建工業は、「豊かな未来社会の創造」を目指して事業を展開する総合建設会社だ。2019年年度からの直近からの売上高はいずれも400億円前後となっており、社員数も2024年4月時点で698名と、県内総合建設会社の中でも目を引くスケール感を誇る。
鉄道工事を事業の基盤としており、東北新幹線線路復旧工事や、通年でレール削正車による線路修繕工事を行っている。
土木・建築での実績も数多く、福島県での河川護岸の災害復旧工事、秋田新幹線着落雪対策設備の新設、東北本線本宮駅本屋東西自由通路などを手がけてきた。
「安全をすべてに優先させる」ことを経営理念に掲げており、自社で発生した重大事故を風化させず、事故防止のための経験として活用することを目的とした展示施設「事故に学ぶ館」を自社研究センター内に開設していることも特徴だ。
総合建設会社である丸本組は、土木・建築、漁港・港湾、舗装、不動産・ソーラーといった領域で事業を行っている。
1946年の創業後、1952年には初の公共土木工事を手がけて以来、熟練した経験と技術を持つスタッフが調査から施工・監理まで一貫して携わる土木工事の実績を積み重ねてきた。
建築事業においても、医療・福祉施設、文化施設、各種産業施設など、豊富な実績を持っている。
また、港湾工事、河川工事、島嶼工事等で必要となる船舶を多数保持し、3船団で工事や機材運搬などに取り組んでいることや、空き家をリノベーションした空間と飲食店をマッチングするプロジェクトにも特色がある。
ICT分野では、i-ConstructionやBIM/CIMの内製化に向けた取り組みとして、UAVや三次元レーザースキャナー、各種ソフトの導入を進め、社内技術力の向上と社外発信を進めている。
株式会社橋本店は、1878年に創業した老舗企業のひとつだ。創業年に初の建築事業として手がけた宮城集治監(現在の宮城刑務所)は、洋風建築の先駆けとして、「六角大学」「六角塔」と呼ばれ地域の人々に親しまれた。
その後も、江戸時代に伊達政宗が造設した仙台城跡前の大橋補修工事、全国的に有名建築となっている「せんだいメディアテーク」、仙台市地下鉄東西線仙台駅、2019年に開通した気仙沼大島大橋など、名だたる土木・建築事業に取り組み続けている。
計画、調査、設計段階だけでなく、施工、維持管理の各段階でも3Dモデルを導入しており、BIM/CIMの活用によって設計ミスの防止や合意形成の迅速化など作業効率化を図っている。
さらに、電子小黒板の使用、クラウド上で協力会社や発注者、社内の各部門と情報共有できる「ASPサービス」の活用、ドローンによる測量やマシンの自動運転化といったICT施工まで、i-Constructionへの取り組みにも力を注いでいる。
1925年に創業し、1953年に法人化した深松組は、仙台市に置く本社のほか、東北と北陸に5つの支店などを持つ。
土木事業では道路改良工事や発電所建設工事、建築事業では工場や公共施設といった大規模な現場から、増築や改修といった小規模な現場まで幅広い実績がある。
ドローンによる起工測量、ICTブルドーザーによる敷均し、GNSS管理システムによるタイヤローラー締固めなど、各プロセスにおいてICT活用施工を導入している。
また、土木・建築以外の事業でも地域活性に取り組んでおり、2019年には、防災集団移転促進事業による集団移転跡地となった仙台市藤塚地区に複合温泉リゾート「アクアイグニス仙台」を他2社と協働で開業。
ガソリンスタンド経営、不動産賃貸業などとあわせ、設立した関連会社は7社となっている。
創業者である小野寺良助氏によって1920年に設立された小野良組は、土木、建築、住宅建築の事業を展開する企業だ。
土木分野では、道路や防潮堤、漁港などの災害復旧工事の実績を数多く持つ。建築分野では、消防屯所や水道事務所といったインフラに関連する建築のほか、民間のオフィス、店舗などを幅広く手がけている。
若手技術者の採用・育成に向けた取り組みとして、高等学校からのインターンシップ受け入れを行っており、CAD実習、木造住宅の骨組みの加工・組立体験などを約10日間にわたって実施するプログラムを提供している。
1951年に設立された東日本コンクリートは、橋梁を中心としたインフラ整備を主軸事業とする企業だ。
宮城県亘理郡に月産3,000tの生産能力を持つPC(プレストレスト・コンクリート)工場を構えており、そのリソースと技術力をもとに、着工から完成まで一貫して責任施工を行っている。
PC橋梁上部工事、橋梁補修補強工事、コンクリート構造物施工などを手がけているほか、受注生産したPCは、国土交通省、地方自治体、高速道路や鉄道の橋梁建設工事において数多くの使用実績を持つ。
東北に4営業所を置き、近年では、鋼橋(鉄橋)や、橋梁の補修・補強工事にも新たに取り組んでいる。
東北地方の情報通信設備の構築・保守業務を展開するTKKグループに属するHOKUBUは、1966年の営業開始以来、宮城県内を中心に、土木系情報通信事業などを半世紀以上にわたって行ってきた。
通信用ケーブルなどを収容するマンホール・管路・洞道といった設備構築、その補修点検を事業の軸としており、その技術力を活かして、一般土木工事、道路舗装工事も多数手がけている。
近年では、太陽光発電設置業務、測量業務にも乗り出しており、幅広い領域で宮城県内のインフラ整備、エネルギー事業に携わっている。
また、工事現場での一般車両の誘導、作業員の安全確保といった警備事業も行っている。
2024年に創業から100周年を迎えた丸か建設は、同年32歳の佐々木一暢氏が代表取締役社長に就任したばかり。
土木部門では、道路・橋梁工事、築堤工事・護岸工事、治山工事、ほ場整備工事・整備工事、災害復旧・復興工事と、「社会貢献を第一に」というトップメッセージに象徴されるインフラ整備を手がけている。
建築部門でも、登米防災ステーションや長田地区避難施設といった防災関連施設から、学校、商業施設、福祉・医療施設など、公共性の高い事業で数々の実績を積み重ねてきた。
2013年から社内に若手育成の勉強会「大和塾」を立ち上げているほか、入社から15ヶ月以上かけて、外部研修、社内関連部門教育研修、安全研修、実技研修を行う新入社員育成プログラムを構築するなど、若手人材の育成にも精力的に取り組んでいる。
1962年に設立された日建工業は、東北縦貫自動車道をはじめとする国道、県道、仙台市内の舗装工事、河川、橋梁、堤防、上下水道、団地造成といった土木工事を行う。
また、PCM(マグネライン)工法による橋脚やトンネルの補強工事に実績があり、国土交通省北上川下流河川事務所、宮城県気仙沼土木事務所などから多数の発注を受けている企業だ。
仙台市で1977年に創業した栄喜工業。代表的な実績としては、取水堰建設工事や河川護岸工事といった河川土木工事、宅地造成工事、高規格道路や高架橋の橋梁工事、火力発電所の石炭サイロ築造工事があげられる。
社員採用においては未経験社を歓迎しており、資格取得のための費用補助や研修制度でサポートしているほか、ホームページでは1日の仕事の流れ、社員インタビュー動画、入社後のステップアップモデルを公開するなど、新卒・中途採用ともに門戸を広く開いていることに特色がある企業だ。
「みんなが幸せになる会社」を目指す野口建設は、工事を提供する顧客、地域住民、社員と家族、協力会社のそれぞれの存在を念頭に事業に取り組んでいる。
1937年の創業から発展を続け、土木・舗装・建築工事を手がける総合建設業者として、さらには一級建築士事務所、アスファルト合材製造販売業、産業廃棄物中間処理業と事業領域を広げてきた。
個人、法人、公共工事を幅広く受注しており、特に公共工事では、防災倉庫建設工事や高速幹線道路舗装工事などを実施し、宮城県から毎年数件の表彰を受け続けている。
先見の明(SIGHT)と、Sun・Intelligence・Green・Human・Techniqueの頭文字から名付けたユニークな社名を持つサイト興業は、1967年に創業し、100年企業を目指して実績を積み重ねている。
創業以来、会社を象徴する事業となっている躯体工事では、水門操作室建築工事、医療センター建替整備工事、大橋床板工工事、白石城災害復旧工事などの実績がある。
また、近年の代表的な土木工事には、仙台市下水道局から発注を受けた第3南蒲生幹線切替工事などがある。
1947年に創業した本田組は、宮城県丸森町を拠点として事業を行う地域密着型の総合建設業者だ。
大型工事を中心としており、土木事業では、交通インフラ、ガス・電気・上下水道・通信といったライフラインなどの土木設計・施工、住宅造成工事、公共工事から民間駐車場整備まで行う舗装工事に取り組んでいる。
もうひとつの柱である建築事業では、公共施設や鉄骨・鉄筋構造物などの設計・提案・施工、新規・増築・解体工事の実績を多数持っている。
地域貢献と人材育成の一環として、宮城県が実施した小学生と保護者向けの建設工事現場見学会に協力するといった活動も行っている。
村田工務所は、日光東照宮大改修工事の宮大工として修行を積んだ棟梁・村田吉助翁をルーツとして、1956年に創業を迎えた。
本社を置く宮城県大崎市を中心に各種土木・建築工事を手がけており、近年の実績としては、
土木分野では、県内河川の上流維持工事や築堤工事、建築分野では、旧西古川小学校日本語学校施設改修工事、大崎市三本木総合支所庁舎等大規模改修工事などがある。
「担い手不足解消への取り組み」と題して、10代の若手技術者が工事現場での作業や職場環境についてホームページで語ったり、中学生・高校生による職場体験を受け入れるなど、建設産業の魅力発信にも力を入れている企業だ。
東北電工三浦組として1960年に創業した三浦組は、送電事業、土木・水道事業、情報通信事業、内線事業を展開している。
技術の基礎となっている送電事業では、高圧鉄塔の建設に留まらず、地中線工事のように土木技術を含んだ総合的な工事を行っている。
土木・水道事業においては、道路改良工事、ブロック擁壁による災害復旧工事、水道耐震管入替作業、地中送電線マンホール設置工事などが主な実績となっている。
同じく東北唯一の国管理空港の仙台空港、国際拠点港湾の仙台塩釜港があり、交通と物流の拠点にもなっている。
自然環境はというと、蔵王・船形・栗駒などの山々が連なる西部は降雪も多く、奥羽山脈の手前には仙台平野が広がる。一方、北部にリアス式海岸が続く海沿いは、比較的穏やかな気候だ。
豊かな自然はときに災害を巻き起こし、近年では2019年の東日本台風、2022年の福島県沖地震や豪雨災害などが発生している。
宮城県土木部では、頻発化・激甚化する自然災害に対し備える必要性を念頭に置き、「次世代に『安全・安心』と『活力』を引き継ぐ『持続可能』な宮城の県土づくり」を基本理念とした行政推進計画を策定。
震災からの復旧・復興後の姿を見据えた「第3期みやぎ建設産業振興プラン」の推進に取り組んでいる。
県内では、2011年の東日本大震災後、建設業許可業者数が増加し、現在も横ばいの状況が続いている。
課題としては、復旧・復興事業が進んできたことにより、建設投資額は急激な減少したこと、他県と同じく、若者入職者の減少や高齢化による担い手不足が挙げられる。
また、建設DXやi-constructionに関しては、令和元年度から県をあげて注力しており、例えば、遠隔現場臨場の導入、ICT関連機器の購入やドローン講習にかかる費用への補助といった導入支援を行うことにより、活用事業者も大幅に増加している。
本記事では、そんな宮城県の総合土木・建設業界をリードする15社を紹介する。各社の歴史、特徴的な技術、代表的なプロジェクト、そして最新の取り組みなどを詳しく見ていこう。
1. 仙建工業
1942年に創業した仙建工業は、「豊かな未来社会の創造」を目指して事業を展開する総合建設会社だ。2019年年度からの直近からの売上高はいずれも400億円前後となっており、社員数も2024年4月時点で698名と、県内総合建設会社の中でも目を引くスケール感を誇る。
鉄道工事を事業の基盤としており、東北新幹線線路復旧工事や、通年でレール削正車による線路修繕工事を行っている。
土木・建築での実績も数多く、福島県での河川護岸の災害復旧工事、秋田新幹線着落雪対策設備の新設、東北本線本宮駅本屋東西自由通路などを手がけてきた。
「安全をすべてに優先させる」ことを経営理念に掲げており、自社で発生した重大事故を風化させず、事故防止のための経験として活用することを目的とした展示施設「事故に学ぶ館」を自社研究センター内に開設していることも特徴だ。
2. 丸本組
総合建設会社である丸本組は、土木・建築、漁港・港湾、舗装、不動産・ソーラーといった領域で事業を行っている。
1946年の創業後、1952年には初の公共土木工事を手がけて以来、熟練した経験と技術を持つスタッフが調査から施工・監理まで一貫して携わる土木工事の実績を積み重ねてきた。
建築事業においても、医療・福祉施設、文化施設、各種産業施設など、豊富な実績を持っている。
また、港湾工事、河川工事、島嶼工事等で必要となる船舶を多数保持し、3船団で工事や機材運搬などに取り組んでいることや、空き家をリノベーションした空間と飲食店をマッチングするプロジェクトにも特色がある。
ICT分野では、i-ConstructionやBIM/CIMの内製化に向けた取り組みとして、UAVや三次元レーザースキャナー、各種ソフトの導入を進め、社内技術力の向上と社外発信を進めている。
3. 橋本店
株式会社橋本店は、1878年に創業した老舗企業のひとつだ。創業年に初の建築事業として手がけた宮城集治監(現在の宮城刑務所)は、洋風建築の先駆けとして、「六角大学」「六角塔」と呼ばれ地域の人々に親しまれた。
その後も、江戸時代に伊達政宗が造設した仙台城跡前の大橋補修工事、全国的に有名建築となっている「せんだいメディアテーク」、仙台市地下鉄東西線仙台駅、2019年に開通した気仙沼大島大橋など、名だたる土木・建築事業に取り組み続けている。
計画、調査、設計段階だけでなく、施工、維持管理の各段階でも3Dモデルを導入しており、BIM/CIMの活用によって設計ミスの防止や合意形成の迅速化など作業効率化を図っている。
さらに、電子小黒板の使用、クラウド上で協力会社や発注者、社内の各部門と情報共有できる「ASPサービス」の活用、ドローンによる測量やマシンの自動運転化といったICT施工まで、i-Constructionへの取り組みにも力を注いでいる。
4. 深松組
1925年に創業し、1953年に法人化した深松組は、仙台市に置く本社のほか、東北と北陸に5つの支店などを持つ。
土木事業では道路改良工事や発電所建設工事、建築事業では工場や公共施設といった大規模な現場から、増築や改修といった小規模な現場まで幅広い実績がある。
ドローンによる起工測量、ICTブルドーザーによる敷均し、GNSS管理システムによるタイヤローラー締固めなど、各プロセスにおいてICT活用施工を導入している。
また、土木・建築以外の事業でも地域活性に取り組んでおり、2019年には、防災集団移転促進事業による集団移転跡地となった仙台市藤塚地区に複合温泉リゾート「アクアイグニス仙台」を他2社と協働で開業。
ガソリンスタンド経営、不動産賃貸業などとあわせ、設立した関連会社は7社となっている。
5. 小野良組
創業者である小野寺良助氏によって1920年に設立された小野良組は、土木、建築、住宅建築の事業を展開する企業だ。
土木分野では、道路や防潮堤、漁港などの災害復旧工事の実績を数多く持つ。建築分野では、消防屯所や水道事務所といったインフラに関連する建築のほか、民間のオフィス、店舗などを幅広く手がけている。
若手技術者の採用・育成に向けた取り組みとして、高等学校からのインターンシップ受け入れを行っており、CAD実習、木造住宅の骨組みの加工・組立体験などを約10日間にわたって実施するプログラムを提供している。
6. 東日本コンクリート
1951年に設立された東日本コンクリートは、橋梁を中心としたインフラ整備を主軸事業とする企業だ。
宮城県亘理郡に月産3,000tの生産能力を持つPC(プレストレスト・コンクリート)工場を構えており、そのリソースと技術力をもとに、着工から完成まで一貫して責任施工を行っている。
PC橋梁上部工事、橋梁補修補強工事、コンクリート構造物施工などを手がけているほか、受注生産したPCは、国土交通省、地方自治体、高速道路や鉄道の橋梁建設工事において数多くの使用実績を持つ。
東北に4営業所を置き、近年では、鋼橋(鉄橋)や、橋梁の補修・補強工事にも新たに取り組んでいる。
7. HOKUBU
東北地方の情報通信設備の構築・保守業務を展開するTKKグループに属するHOKUBUは、1966年の営業開始以来、宮城県内を中心に、土木系情報通信事業などを半世紀以上にわたって行ってきた。
通信用ケーブルなどを収容するマンホール・管路・洞道といった設備構築、その補修点検を事業の軸としており、その技術力を活かして、一般土木工事、道路舗装工事も多数手がけている。
近年では、太陽光発電設置業務、測量業務にも乗り出しており、幅広い領域で宮城県内のインフラ整備、エネルギー事業に携わっている。
また、工事現場での一般車両の誘導、作業員の安全確保といった警備事業も行っている。
8. 丸か建設
2024年に創業から100周年を迎えた丸か建設は、同年32歳の佐々木一暢氏が代表取締役社長に就任したばかり。
土木部門では、道路・橋梁工事、築堤工事・護岸工事、治山工事、ほ場整備工事・整備工事、災害復旧・復興工事と、「社会貢献を第一に」というトップメッセージに象徴されるインフラ整備を手がけている。
建築部門でも、登米防災ステーションや長田地区避難施設といった防災関連施設から、学校、商業施設、福祉・医療施設など、公共性の高い事業で数々の実績を積み重ねてきた。
2013年から社内に若手育成の勉強会「大和塾」を立ち上げているほか、入社から15ヶ月以上かけて、外部研修、社内関連部門教育研修、安全研修、実技研修を行う新入社員育成プログラムを構築するなど、若手人材の育成にも精力的に取り組んでいる。
9. 日建工業
1962年に設立された日建工業は、東北縦貫自動車道をはじめとする国道、県道、仙台市内の舗装工事、河川、橋梁、堤防、上下水道、団地造成といった土木工事を行う。
また、PCM(マグネライン)工法による橋脚やトンネルの補強工事に実績があり、国土交通省北上川下流河川事務所、宮城県気仙沼土木事務所などから多数の発注を受けている企業だ。
10. 栄喜工業
仙台市で1977年に創業した栄喜工業。代表的な実績としては、取水堰建設工事や河川護岸工事といった河川土木工事、宅地造成工事、高規格道路や高架橋の橋梁工事、火力発電所の石炭サイロ築造工事があげられる。
社員採用においては未経験社を歓迎しており、資格取得のための費用補助や研修制度でサポートしているほか、ホームページでは1日の仕事の流れ、社員インタビュー動画、入社後のステップアップモデルを公開するなど、新卒・中途採用ともに門戸を広く開いていることに特色がある企業だ。
11. 野口建設
「みんなが幸せになる会社」を目指す野口建設は、工事を提供する顧客、地域住民、社員と家族、協力会社のそれぞれの存在を念頭に事業に取り組んでいる。
1937年の創業から発展を続け、土木・舗装・建築工事を手がける総合建設業者として、さらには一級建築士事務所、アスファルト合材製造販売業、産業廃棄物中間処理業と事業領域を広げてきた。
個人、法人、公共工事を幅広く受注しており、特に公共工事では、防災倉庫建設工事や高速幹線道路舗装工事などを実施し、宮城県から毎年数件の表彰を受け続けている。
12. サイト興業
先見の明(SIGHT)と、Sun・Intelligence・Green・Human・Techniqueの頭文字から名付けたユニークな社名を持つサイト興業は、1967年に創業し、100年企業を目指して実績を積み重ねている。
創業以来、会社を象徴する事業となっている躯体工事では、水門操作室建築工事、医療センター建替整備工事、大橋床板工工事、白石城災害復旧工事などの実績がある。
また、近年の代表的な土木工事には、仙台市下水道局から発注を受けた第3南蒲生幹線切替工事などがある。
13. 本田組
1947年に創業した本田組は、宮城県丸森町を拠点として事業を行う地域密着型の総合建設業者だ。
大型工事を中心としており、土木事業では、交通インフラ、ガス・電気・上下水道・通信といったライフラインなどの土木設計・施工、住宅造成工事、公共工事から民間駐車場整備まで行う舗装工事に取り組んでいる。
もうひとつの柱である建築事業では、公共施設や鉄骨・鉄筋構造物などの設計・提案・施工、新規・増築・解体工事の実績を多数持っている。
地域貢献と人材育成の一環として、宮城県が実施した小学生と保護者向けの建設工事現場見学会に協力するといった活動も行っている。
14. 村田工務所
村田工務所は、日光東照宮大改修工事の宮大工として修行を積んだ棟梁・村田吉助翁をルーツとして、1956年に創業を迎えた。
本社を置く宮城県大崎市を中心に各種土木・建築工事を手がけており、近年の実績としては、
土木分野では、県内河川の上流維持工事や築堤工事、建築分野では、旧西古川小学校日本語学校施設改修工事、大崎市三本木総合支所庁舎等大規模改修工事などがある。
「担い手不足解消への取り組み」と題して、10代の若手技術者が工事現場での作業や職場環境についてホームページで語ったり、中学生・高校生による職場体験を受け入れるなど、建設産業の魅力発信にも力を入れている企業だ。
15. 三浦組
東北電工三浦組として1960年に創業した三浦組は、送電事業、土木・水道事業、情報通信事業、内線事業を展開している。
技術の基礎となっている送電事業では、高圧鉄塔の建設に留まらず、地中線工事のように土木技術を含んだ総合的な工事を行っている。
土木・水道事業においては、道路改良工事、ブロック擁壁による災害復旧工事、水道耐震管入替作業、地中送電線マンホール設置工事などが主な実績となっている。
WRITTEN by
國廣 愛佳
創業支援や地域活性を行う都内のまちづくり会社に勤務後、2019年よりフリーランス。紙面やwebサイトの編集、インタビューやコピーライティングなどの執筆を中心に、ジャンルを問わず活動。四国にある築100年の実家をどう生かすかが長年の悩み。
建設土木の未来を
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