アイ・ロボティクスが施設デジタルツイン作成ソリューション開始。ドローンとAIで3D点群データをワンストップ提供

アイ・ロボティクスが、ドローン、高精度ハンディースキャナー、自律・遠隔操作移動ロボットによる計測技術を組み合わせた次世代施設マネジメントソリューションを開始した。

施設全体のデジタルツインを短期間かつ高精度で作成し、点群データからCADデータ、3Dプリント用データまでをワンストップで提供する仕組みとなっている。

公共測量対応レベルの高精度計測と仮設足場不要の安全性を両立

従来の施設計測では、ドローン操縦者や測量用のLiDAR機材をそれぞれ別に手配する必要があり、高所や狭隘部での計測には仮設足場の設置が不可欠だった。

工程全体が煩雑かつコスト高となり、日程調整や安全管理にも多くの手間を要していた課題があった。

同社では、公共測量対応のハンディスキャナー、SfM技術、生成AIによる画像補正を組み合わせることで、現場の状況に応じた最適な機材選定と運用設計を実現している。

360°カメラを搭載した小型ドローンによる高所・狭隘空間の全方位撮影により、仮設足場の設置が不要で安全かつスピーディな点検・計測が可能となっている。


従来のドローン単体での測量では精度が数センチから数十センチ単位にとどまることが多く、追加の再測量や後処理による補正が必要になるケースが一般的だった。

同社では複数機材の特性を踏まえた補正アルゴリズムやAI技術を活用し、現場ごとに最適な精度を調整・確保している。


必要に応じて有資格者の測量士や各領域の専門家との連携を行い、公共測量水準レベルの高精度点群データの取得を可能としている。

取得したデータから必要な範囲のみを切り出す「カーブアウト処理」や、セキュリティ上写してはならない部分の除去処理にも柔軟に対応している。


これまでの点群処理では、CADデータへの変換において手動でのポリゴン修正やノイズ除去が必要であり、多大な人手と時間を要していた。

同社では複数の自動メッシュ補正技術を組み合わせることで、従来比で大幅な作業時間とコストの削減を実現している。

今後さらに生成AIなどを用いた最適化アルゴリズムの導入を計画しており、人為的なばらつきを抑えた再現性の高い高品質な3Dモデルを安定して生成することが可能である。


同ソリューションでは、点群データ、CADファイル（IFC/DWG）、3Dプリント対応フォーマット（STL）を含む多様な出力形式にワンストップで対応している。

生成した3Dモデルは施設の点検・改修・維持管理から解体・廃棄に至るまでのライフサイクル全体における一貫した計画立案を可能とし、防犯・防災、観光用途まで幅広い活用が期待される。