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デジコン編集部 2026.9.11

オペレータの操作をAIが学習。日立建機、油圧ショベルの自律運転へフィジカルAI開発に着手、国家プロジェクトGENIACに採択

CONTENTS
  1. 現場ごとに異なる状況判断が課題。人手不足・災害対応の要請も背景に
  2. 「認知・判断・実行」を自律で。復旧操作や多様な条件のデータも学習
  3. Jizai・奈良先端大と産学連携。災害対応から林業・解体まで展開へ
日立建機は、2026年10月より、油圧ショベルのオペレータ操作を学習するフィジカルAIの研究開発を開始すると発表した。

カメラ映像や作業指示などの情報をもとにオペレータのレバー操作を学習させ、状況に応じて適切な操作を判断・実行するフィジカルAIを開発するもので、経済産業省とNEDOが推進する国家プロジェクト「GENIAC」に採択された。

将来的には、災害現場のがれき除去や、建設・鉱山現場の掘削・積込作業などでの自律運転の実現を目指す。

現場ごとに異なる状況判断が課題。人手不足・災害対応の要請も背景に


建設・鉱山業界では、労働力不足への対応に加え、厳しい作業環境における安全性や生産性の向上が求められている。

さらに近年は、激甚化する自然災害への迅速な対応や、鉱物資源の安定確保の重要性も高まっている。

もっとも油圧ショベルは、対象物の形状や位置、周辺環境、天候など、施工現場ごとに異なる状況に応じて操作する必要がある。

そのため自律運転の実現には、周囲の状況を認識しながら適切な操作を判断できる技術が欠かせない。

日立建機はこれまでも自律運転の研究開発を進めてきたが、本研究開発では、新たにオペレータの操作データを学習したAIを開発することで、現場環境に応じて自律的に作業を行う建設機械の実現を目指す。

「認知・判断・実行」を自律で。復旧操作や多様な条件のデータも学習


フィジカルAIとは、現実世界の状況を認識し、自律的に判断・行動できる技術で、産業用ロボットやヒューマノイドなどへの応用が進む。

日立建機はこれを、建設・鉱山機械が「周辺環境の把握(認知)」「作業計画の最適化(判断)」「操作の実行(実行)」という一連のプロセスを自律的に行い、安全で効率的な施工を実現する技術と捉えている。

単なる機械の自動化ではなく、AIが機械や周辺環境を理解し、自律的に施工を行う点が特徴だ。

本研究開発では、オペレータの作業映像と操作履歴など、長時間のデータを収集し、開発するフィジカルAIに学習させる。

とりわけ、通常の作業に加え、作業ミスから立て直す復旧(リカバリー)の過程や、天候、周辺環境、機械の状態、対象物の位置など、多様な条件下で取得したデータを学習させることで、実際の施工現場でも高精度な施工を実現するAIの開発を目指す。

Jizai・奈良先端大と産学連携。災害対応から林業・解体まで展開へ


本研究開発は、産学連携のもとで推進する。日立建機が全体統括と油圧ショベルの操作データ収集、研究開発環境の構築・実証を担う。

これに加え、Jizai(東京都文京区)がAI学習に必要なデータ活用技術や学習環境に関する研究を、奈良先端科学技術大学院大学が油圧ショベル自律化に向けたフィジカルAI基盤モデルの研究開発を担当する。

なお本研究開発は、国内の生成AIの開発力強化と社会実装の促進を目的としたプロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」の支援を受けて実施される。

日立建機は今回の研究開発を通じて、オペレータの操作を学習したAIによる自律運転技術の確立を目指す。



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