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デジコン編集部 2026.3.16

切羽直下への作業員立入ゼロを達成。前田建設工業が山岳トンネルで自動装薬専用機の実証施工を開始

CONTENTS
  1. 切羽事故の8割を占める「切羽直下作業」を無人化
  2. AIと穿孔データで発破パターンを自動最適化。孔数を約15%削減
前田建設工業株式会社は2026年3月16日、山岳トンネルの発破掘削に用いる「3ブーム自動装薬専用機(装薬機)」と「発破パターン作成支援システム」を組み合わせた連係動作施工の実証を開始したと発表した。

実証は福島県発注の浪江三春線・(仮称)2号トンネル(浪江側)工事で実施。穿孔から装薬・発破までの一連作業をワンボタンで連続実施し、実火薬の自動装填と発破に成功した。

切羽事故の8割を占める「切羽直下作業」を無人化


山岳トンネル工事における切羽(掘削の最前線)は、肌落ち(落石)災害の危険が常に伴う。

装薬や支保工の建込みといった切羽直下での作業は切羽事故全体の8割を占めており、長年にわたり重篤災害のリスクが指摘されてきた。



今回の装薬機は、全自動ドリルジャンボから送られる穿孔実績データと自動装薬システムを連携させ、運転席からのワンマンオペレーターのみで装薬を完結させる仕組みだ。

補助作業員が不要となるだけでなく、切羽直下への作業員立入"ゼロ"を実現。目標数すべての爆薬を自動装填し、発破後の切羽・ずり形状も問題なく、確実な装填を確認した。

AIと穿孔データで発破パターンを自動最適化。孔数を約15%削減


併用した「発破パターン作成支援システム」は、1スパン手前の穿孔実績データをもとに次切羽の発破パターンを自動生成するシステムだ。

発破後の切羽形状の点群データと、同社開発の「AI切羽評価システム」による風化・亀裂の判定データをフィードバックすることで、熟練技能者の経験や暗黙知に頼らない最適な発破パターンの作成が可能になる。


今回の実証では設計上の孔数と比較して約15%の削減を達成し、必要最小限の孔数での施工に成功した。

前田建設工業は現在、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)において無線電子雷管システムの社会実装にも取り組んでおり、装薬機への適用により人手による結線作業の省略も視野に入れている。



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