大林組が「米国GCON社」の全株式を取得。データセンターや半導体製造施設分野に本格参入

大林組は、米国で建設事業を手掛けるグループ会社ウェブコーを通じて、米国の建設会社GCON社およびそのグループ会社2社の全株式を取得することで合意した。

GCON社は、アリゾナ州をはじめ米国10州で、データセンター、半導体製造、ヘルスケア、航空、商業、高等教育、公共事業分野における建設事業を展開している。

AI普及で急拡大するクリティカルエンバイロメント市場へ

米国におけるデータセンターや半導体製造施設などの建設・改修といったクリティカルエンバイロメント分野の建設市場は、AIの普及による需要拡大を受けて急拡大しており、今後も成長が見込まれている。

クリティカルエンバイロメントとは、研究施設、データセンター、病院、製造施設など、高度な環境管理が要求される施設を指す。

GCON社は、クリティカルエンバイロメント分野の豊富な施工実績を有しており、拠点とするアリゾナ州では半導体製造施設の改修工事実績で高く評価されている。


コロケーター向けデータセンターの建設でも実績を持つ。

コロケーター向けデータセンターとは、複数のユーザーがスペースを共有し、サーバーやネットワーク機器などを設置するデータセンターを指す。

同社は設備工事分野の技術人材を多数抱え、その多くがクリティカルエンバイロメント分野の実務経験を備えている。

大林グループは、日本やアジア諸国でクリティカルエンバイロメント分野での施工実績を有している。

今回、米国カリフォルニア州における住宅、病院、教育施設などの豊富な建設事業の実績を有するウェブコーの子会社としてGCON社を取得することで、ウェブコーの経営基盤に加えGCON社の現地ネットワーク、顧客基盤、施工実績を活用する。

急成長する米国のクリティカルエンバイロメント分野に本格参入するとともに、ウェブコーの拠点であるカリフォルニア州に隣接するアリゾナ州へ事業領域を拡大することで、大林グループのさらなる企業価値向上を実現する。

GCON社は2003年設立で、本社はアリゾナ州フェニックスに所在し、機械設備を含むコンストラクションマネジメントサービスおよび施工を事業内容とする。

株式譲渡契約締結日は2025年10月2日で、株式譲渡予定日は2025年11月中旬以降(米国HSR承認次第)、株式取得比率は100%となる。