NTT東日本。令和7年度に美ヶ原高原・上高地で2000m超高高度大型ドローン物資輸送実証試験実施。松本市災害時孤立地域支援スキーム構築

NTT東日本長野支店は、令和7年度デジタルシティ松本推進機構（愛称DigiMAT）の社会実証プロジェクトに採択され、長野県松本市における自然災害などの緊急時に孤立地域となる可能性が高いエリアへの「ドローン物流」による支援スキームの構築を行うための実証事業を実施する。

昨年度の調査プロジェクトの結果を踏まえ、今年度は2000mを超える高高度での大型ドローン物資輸送のための飛行実証試験等を行う。

7月美ヶ原高原・10月乗鞍上高地エリアで飛行実証と運用プラットフォーム検討を実施

昨今、ドローン技術が発展し撮影、農業、軽量物輸送等に徐々に活用が浸透してきており、災害時においては2024年1月に発生した能登半島地震の際、被害状況調査や道路の寸断による孤立地域への医薬品の輸送等、ドローンが活用された。

一方で、混乱が予想される被災直後の現場でドローンを速やかに導入するためには、飛行させるためのポートや飛行ルートの事前設定、体制構築等が必要であることが課題のひとつとして浮彫になった状況である。

松本市においても災害時に孤立地域となりうる山間地域を有しており、ドローン活用は必要不可欠となると想定されている。

（ドローン機体はイメージ）

昨年度の調査研究プロジェクトにおいて、調査し洗い出された「松本市における過去の孤立地域」、「ドローンポート候補地」、「大型ドローン機体の最新状況」等をもとに、選定した複数のドローンによる飛行実証試験等を行う。

2000mを超える高高度での大型ドローン物資輸送事例は国内ではほとんどなく、また山間地域の電波状況の事前確認の必要性等、多くの技術的検証要素が予想される中、まずは安全に飛行可能であることを検証する。

実証事業の概要は、災害時において迅速に孤立地域への物資輸送を可能とし、被災地域の命と安全を守る「ドローン物流」による支援スキームの構築に向けて実施される。

プロジェクト名は「孤立可能性地域へのドローン物流スキーム構築」実証事業で、実施期間は2025年5月から2026年2月末までとなっている。

飛行実証試験は、2025年7月下旬（予定）に美ヶ原高原（孤立可能性地域）と麓最寄の公共施設グラウンド等で実施する。

2025年10月下旬（予定）には、乗鞍上高地エリア（孤立可能性地域）から選定した場所で実施する予定である。

また、被災地・松本市・ドローン運行事業者ら関係者をつなぐ運用プラットフォームの検討と、平常時の大型産業ドローン利活用モデルの市場調査も実施内容に含まれている。