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デジコン編集部 2025.6.13

松杭引抜き工事効率化機材を独自開発。特許取得で工期短縮とコスト削減。住吉運輸(山口県)とマンダイクレーン(岡山県)。

住吉運輸は、マンダイクレーンと建物の解体後に行う杭抜き工事における松杭引き抜き作業を効率化する機材を製作し、新たに特許を取得した。

腐食した松杭も安全に引き抜き可能になり、工期短縮とコスト削減を実現する新機材となっている。

杭頭部一点把持から広範囲把持に変更し筒型構造で破損・落下リスクを軽減


現在、建物の老朽化に伴い建て替えの需要が高まっている状況である。

古い建物はコンクリート杭が普及する前の松杭がよく使われており、松杭は時間とともに腐食や虫害で弱くなっているため引き抜き作業で杭の頭部を把持する際、一点に強い力がかかり破損することがある。

杭頭破損により、施工のやり直しによる作業時間増加や杭を吊り上げた際に杭が落下する危険が課題としてあった。

この課題を解決するため、杭の頭部一点を把持する従前の方法でなく、より広範囲を把持することができる仕組みを発明し、当該発明の特許を取得するに至った。

今回の発明は、従前のバイブロハンマ引き抜き工法で使用していた杭把持装置に、新たに製作した杭抜き補助具を取り付けることで、杭の破損を防ぎ、より安全に杭を把持し引き抜くことを可能にしている。



補助具はバイブロハンマ機材に直接溶接するため既存の機構と互換性があり、把持圧部材と把持受部材の2つの部品が連携し、杭をしっかりと固定する構造となっている。

筒型にして、バイブロにて地中に埋め込むことで、地上に近く腐食の激しい頭部以外を把持することが可能になるとともに、把持部の面積を広くし突起をつけることで、より強固に杭を把持することができる設計である。

杭の破損を防ぐことで、施工のやり直しがなくなり工期短縮につながる効果が期待される。

また、把持後の杭引き抜きや吊り上げ時に杭が破損することによる落下を防ぎ、作業員や周囲環境への衝突リスク軽減に貢献する仕組みとなっている。






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デジコン編集部

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