InnovateX社。焼却・埋立前提だった混合廃プラスチックの建材化に成功。ウレタン・人工芝・ラミネートも対象

InnovateXは、これまでリサイクルが困難だった混合プラスチックや汚れた包装材、ラミネート素材、人工芝、ポリウレタンなどに対応した新たな再資源化プロセスを確立した。

最終処分が前提だった素材も、焼却・埋立せずに建築・土木用資材として再活用できるようになる。

年間800万トンのプラスチックごみから洗剤袋・菓子袋・人工芝まで建材に転換

日本では年間800万トンを超えるプラスチックごみが発生しており、その多くが焼却または埋立によって処理されている現状がある。


特に「複合素材」や「汚れた包装プラ」はリサイクルが困難とされ、最終処分に頼らざるを得ない状況が続いていた。

同社が確立した再資源化プロセスでは、洗浄不要の汚れた食品包装プラ（詰め替え洗剤袋など）、アルミ蒸着されたスナック菓子袋・パウチ類、ポリウレタン・ゴムを含む人工芝や合成皮革、異素材が混在する複合プラスチックごみなどにも対応可能である。

これまで処理できなかった、または処理されていなかった素材から、加工成形し、建築・土木用資材として再利用可能にする技術となっている。


想定される用途として、公園や庁舎、観光地などに設置するベンチ・テーブル、外構用のデッキ材・ルーバー、インフラ用途の路盤材・U字溝の蓋などが挙げられている。

現在、茨城県城里町をはじめとした自治体との連携が始まっており、地域循環型資源としてのモデルケース化が進んでいる状況である。


今後は、国内各地の自治体や企業と連携を進めるとともに、製造拠点を海外に設けてEU諸国への輸出を進める予定となっている。

EUと協力国間の関税ゼロ協定（EVFTA）を活用し、国際展開を加速させる計画である。

さらに、さらなる環境負荷低減を目指し、リサイクルが困難とされてきた「廃石膏ボード」などの建築系混合廃材を用いた建材化の実証実験も進めている。

これにより、これまで再利用の道が閉ざされていた廃材にも、新たな資源としての価値を見出していく方針である。