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デジコン編集部 2025.6.6

ハウスステージ社、企業所有橋梁の点検・補修サービスを強化。国交省登録資格者が点検から診断・補修提案まで一貫対応

ハウスステージ インフラストラクチャー事業部は、企業や個人が所有する橋梁・歩道橋の点検から診断、補修提案、補修工事管理までを一貫して行うサービスを強化し、その必要性を広く呼びかけていると発表した。

自治体管理橋梁と異なり定期点検の法的義務がない企業・個人所有橋梁の適切な維持管理促進を目指し、国土交通省登録資格を持つ専門技術者による包括的なサービス提供により、施設の安全確保と所有者責任リスクの低減に貢献する。

法的義務のない企業・個人所有橋梁で「声なき老朽化」進行。ゴルフ場・工場での点検実績をもとに包括サービス展開


同社が提供するサービスの背景には、企業・個人所有橋梁における深刻な維持管理課題が存在している。

全国の自治体管理橋梁は法律に基づき5年に1度の定期点検が義務付けられ、計画的な維持管理が進められている一方で、企業敷地内の連絡通路や私道にかかる橋、ゴルフ場内のカート道橋、個人所有橋梁などについては法的義務が存在しない現状がある。

この法的義務の空白により、多くの企業・個人所有橋梁では老朽化の進行具合を把握できず、点検や補修の依頼先が不明確な状況が生じている。


(左:溜まった土砂を撤去したら顕著に腐食している/右:橋を裏側から確認すると腐食により穴が開いている)

維持管理の必要性を認識していない、または後回しにしている事例も多く、知らず知らずのうちに構造物の劣化が進行し、安全性が損なわれている可能性が高まっている。

同社では国土交通省登録資格を持つ専門技術者が、自治体管理橋梁等の点検を行うサービスを既に提供しており、直近ではゴルフ場や工場に設置された橋梁の点検実績を積み重ねている。

これらの実績を基盤として、企業・個人所有橋梁に特化したサービス強化を実施し、放置されがちな民間橋梁の安全確保に取り組んでいる。

橋梁点検の具体的内容として、橋の構造や材質、使用状況を詳細に調査し、損傷や劣化を特定する作業が実施される。


診断段階では、点検結果に基づき橋の安全性や耐久性を評価し、必要な補修や改修の提案を行う。

これらの作業は高度な専門知識と経験が必要であり、定期的な実施により橋梁の長寿命化と安全性確保が実現される。

企業・個人所有橋梁で特に懸念される「声なき老朽化」の具体例として、溜まった土砂を撤去した際に顕著な腐食が発見されるケースや、橋を裏側から確認すると腐食により穴が開いているケースが挙げられる。

これらの損傷は外見からは判断困難な場合が多く、専門技術者による詳細な点検により初めて発見される重大な劣化状況である。

橋梁の劣化進行は、日々の風雨や通行による負荷、経年劣化などにより徐々に進行する特性を持つ。

初期段階の小さなひび割れや腐食も、適切な対応を行わずに放置することで大きな損傷へと発展し、最終的には通行の安全を脅かす事態に発展するリスクを内包している。

万が一、橋梁の破損や落下物によって通行者や利用者に被害が生じた場合、所有者がその責任を問われるケースも考えられる。


このような所有者責任リスクの回避においても、定期的な点検・診断による現状把握と適切な維持管理の実施が重要な意味を持つ。

定期的な点検・診断により得られる効果として、専門家による構造物の健全性と劣化状況の正確な評価が可能となり、橋梁の現状を客観的に把握できる。

損傷の早期発見・早期対応により、崩落などの重大事故リスクを事前に回避し、利用者の安全確保が実現される。

計画的な補修の実施により、橋梁をより長期間にわたって安全に使用できる長寿命化効果も期待される。






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デジコン編集部

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