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杭ナビと快測ナビの違いとは? 〜「機器」と「アプリ」の関係をわかりやすく解説! 〜
「杭ナビ」と「快測ナビ」は、何が違う?
建設現場の測量・施工管理について調べていると、「杭ナビ」と「快測ナビ」という名前をよく目にする。
名前が似ているため……
- 「杭ナビと快測ナビは、どちらを使えばいいのか?」
- 「杭ナビと快測ナビは競合する製品なのか?」
- 「そもそも杭ナビと快測ナビは何が違うのか?」
と疑問に思う人も多いだろう。
結論から言えば、杭ナビと快測ナビは、基本的に競合するものではない。
- 杭ナビ = 測量を行う「機器」
- 快測ナビ = 測量・施工を支援する「アプリ」
という違いがある。
そして両者を組み合わせることで、建設現場の位置出し(墨出し)や測量などを、従来より少ない人数で行えるようになる。
なお、「快測ナビ」は「快速ナビ」と誤表記されることがあるが、正しい名称は「快測ナビ」である。
「快測」は、提供元であるKENTEM(建設システム)の正式なサービス名称にも使われている表記であり、「快速ナビ」ではない。
今回は、杭ナビと快測ナビの違いから、それぞれの役割、組み合わせて使うメリット、さらにスマートフォンを利用した「スマホ測量」まで、建設ICTの初心者にもわかりやすく解説していく。
杭ナビと快測ナビの違いは?
まずは、両者の違いを簡単に整理してみよう。
| 項目 | 杭ナビ | 快測ナビ |
| 種別 | 測量機器 | アプリ |
| メーカー | トプコン | KENTEM |
| 主な役割 | プリズムを自動追尾し、位置を測定 | 3D施工データを使って測設・観測を支援 |
| 主な用途 | 杭打ち、位置出し、墨出し、測量など | 位置出し、丁張設置、施工チェックなど |
| 組み合わせ | アプリやコントローラーと接続 | アプリやコントローラーと接続 |
つまり杭ナビが「測る機器」、快測ナビが「測量・施工を支援するアプリ」と考えると分かりやすい。
KENTEMは、快測ナビについて「ICT施工現場端末アプリ」と説明しており、TOPCON製のLNシリーズなどの測量機器(杭ナビ)と連動して、位置出しや丁張設置、施工段階のチェックなどをワンマンで行えるとしている。
そもそも「杭ナビ」とは?
「杭ナビ」は、トプコンのレイアウトナビゲーター(Layout Navigator)シリーズの愛称として知られる測量機器である。
一般的なトータルステーション(TS)と同じように角度や距離を測定するが、大きな特徴は、プリズムを自動で追尾できることにある。
作業者が持つプリズムを機器が追いかけてくれるため、従来の測量で必要だった「測量機器を操作する人」と「プリズムを持って移動する人」という役割分担を見直し、1人で行う測量・位置出しを実現しやすくなる。
トプコンは「杭ナビ」について、2014年の発売以来、「誰でも簡単に1人で素早く」をコンセプトに、杭打ちや墨出しなどの作業を効率化する製品として展開している。
「杭ナビ」という名前は製品名なのか?
ここが少しややこしいところである。
「杭ナビ」は、厳密には単一製品の正式名称ではなく、トプコンの「レイアウトナビゲーター」シリーズを指す通称として広く使われている。
代表的な機種としては、
- LN-100
- LN-100W
- LN-150
- LN-160
などがある。
さらに2026年には、杭ナビシリーズの新モデルとして「LN-1000i」も登場した。
LN-1000iはカメラやグリーンレーザーポインターを搭載するほか、ノンプリズム測定にも対応している。トプコンは同機を従来のLN-160の上位モデルとして位置付けている。
したがって、「杭ナビ=LN-160が最新機種」と単純に覚えるのではなく、杭ナビシリーズには複数の機種があり、2026年には上位モデルとしてLN-1000iも加わったと理解しておくとよい。
杭ナビはどうやって1人で測量できる?
ポイントとなるのが、自動追尾機能である。
たとえば、現場で設計上の杭位置を出したいとする。
従来型のTSを使った測量では、
- TSを設置する
- 作業者がプリズムを持つ
- TSを操作する
- プリズムを持った作業者を誘導する
- 設計位置と現在位置の差を確認する
- 目的の位置まで移動する
といった作業が必要になる。
一方、杭ナビでは、プリズムを自動追尾することで、こうした作業をワンマンで行いやすくすることができる。
もちろん、現場条件や作業内容によって必要な人数は異なるが、「1人で位置出しができる」という点が杭ナビの大きな特徴である。
杭ナビだけで全部できるのか?
ここも注意したいポイントである。
杭ナビそのものが測量機器であるのに対し、3D施工データを利用して設計位置との比較や誘導などを行う場合には、用途に応じたアプリやコントローラーを組み合わせて使用する。
(画像元:TopLayout アプリ画面/ Google PlayWEBサイトより引用)たとえばトプコンには、3次元座標データの杭打ちや放射観測による3次元測量などに対応する「TopLayout」がある。
また、KENTEMの「快測ナビ」も、杭ナビをはじめとする対応測量機器と接続して利用できる。
「快測ナビ」とは?
では、快測ナビはどのようなものなのだろうか。
快測ナビは、KENTEM(建設システム)が提供するICT施工現場端末アプリである。
(画像元:快測ナビWEBサイトより引用)3D施工データなどを利用して、現場での位置出しや丁張設置、施工段階のチェックなどを支援する。
特徴のひとつが、測量機器と連動したリアルタイムのナビゲーションである。
KENTEMの「どこでもナビ」では、3D施工データをもとに現在位置の横断形状を表示し、計画データとの離れや標高差などを確認できる。
つまり、単純に「現在地を測る」だけではない。
「設計上の位置に対して、今どれくらいズレているのか」
を確認しながら作業できるのが、快測ナビの大きな特徴である。
杭ナビ+快測ナビで「ワンマン測量」ができる
ここで、杭ナビと快測ナビの関係が見えてくる。
イメージとしては、次のようになる。
杭ナビ
↓
プリズムの位置を測る
↓
位置情報をアプリへ送る
↓
快測ナビ
↓
3D施工データと照合
↓
「あと○cm移動」「ここが設計位置」 などを確認
↓
作業者が1人で位置出し・測量
↓
プリズムの位置を測る
↓
位置情報をアプリへ送る
↓
快測ナビ
↓
3D施工データと照合
↓
「あと○cm移動」「ここが設計位置」 などを確認
↓
作業者が1人で位置出し・測量
という流れである。
なお、現在の快測ナビはLN-150、LN-160、LN-100など複数のTOPCON製TSに対応している。さらにTOPCON以外のTSやGNSS測量機にも対応している。
そのため、
杭ナビ = 快測ナビ専用の機器 というわけではない。
快測ナビは、対応するさまざまな測量機器と組み合わせて使用できる。
快測ナビは、対応するさまざまな測量機器と組み合わせて使用できる。
「杭ナビ」と「快測ナビ」は競合ではない
ここまでを整理すると、杭ナビと快測ナビは、
「どちらを選ぶか」ではなく、「どう組み合わせるか」という関係に近い
- 杭ナビ:プリズムの位置を測るためのハードウェア
- 快測ナビ:杭ナビ等の測量機器で取得した位置情報と3D施工データなどを活用して、現場作業を支援するソフトウェア
たとえるなら、
- 杭ナビが「目」や「測定器」
- 快測ナビが「頭脳」や「ナビゲーション」
のような関係と考えるとイメージしやすい。
「杭ナビ + 快測ナビ」と「スマホ測量」は何が違う?
ここで、近年注目されているもうひとつの選択肢がスマートフォンを活用した測量である。
代表例のひとつが、OPTiMの高精度スマホ測量「OPTiM Geo Scan」だ。

Geo Scanは、LiDARを搭載したiPhoneなどのスマートフォンとGNSS受信機などを組み合わせ、3次元測量を行うアプリである。
専用の自動追尾TSと操作アプリを組み合わせる方法とは異なり、スマートフォンを活用した1人測量という選択肢になる。

また、トンネルや屋内などGNSSが利用しにくい環境では、TSとの接続にも対応している。
現場条件や必要な精度に応じて、TS、GNSS、スマートフォンなどを使い分ける時代になっているのである。
スマホでミリ単位の単点計測も可能に!
2026年には、スマホ測量をめぐっても新しい動きがあった。
OPTiMは2026年3月、「OPTiM Geo Scan」の単点計測について、水平・鉛直方向ともにミリ単位の測位精度を実現したと発表した。

これにより、従来は自動追尾TSなどを利用していた構造物の位置出しや墨出しなどへの活用が可能になったとしている。
もちろん、実際の精度は測定環境や操作条件などによって変わるため、「スマートフォンならどんな現場でもミリ単位」という意味ではない。
また、Geo Scanには一般的な3次元測量用途と、より高精度な単点計測など、用途に応じた機能がある。
Geo ScanはNETISで「VE」を獲得
Geo Scanについてもうひとつ注目したいのが、国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)である。
Geo ScanはNETISに登録されており、登録番号はQS-210050-VE。2024年には事後評価で最高評価の「VE」を獲得している。

評価では、少人数で測量できることによる省人化・経済性や、経験の少ない職員でも計測しやすいことによる施工性向上などが評価されている。
また、NETIS登録技術の活用提案は、工事成績評定や総合評価方式での加点対象となる場合があるが、具体的な扱いや点数は発注機関・地域などによって異なる。
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建設土木のICT活用など、
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