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デジコン編集部 2026.8.14

renue、水道管図面をAIが読み取り拾い表・概算見積書を自動生成するアプリを開発。給水・給湯・排水を読み分け、自動検算で精度を担保

CONTENTS
  1. 担い手不足で属人化する積算。CADのないPDF図面が自動化を阻む
  2. 凡例がなくても系統を判別、通り芯から縮尺を確定。AIと決定論を分業
  3. 「要確認」で怪しい箇所を明示。若手の参画も後押し
renueは、給排水設備図面のPDFをアップロードすると、配管の数量を自動で拾い出し、拾い表(Excel)と概算見積書までを生成するアプリを開発した。

凡例のない図面でも製図の一般知識から系統を判別し、AIの読み取り結果を自動で検算する点が特徴だ。

担い手不足で属人化する積算。CADのないPDF図面が自動化を阻む


建設業界では担い手の減少が続いている。就業者数はピークの1997年の685万人から2024年には477万人へ約30%減少し、55歳以上が36.7%を占める一方、29歳以下は11.7%にとどまる。

熟練者の経験に支えられてきた業務の継承が難しくなるなか、なかでも積算は属人性の高い領域だ。

とりわけ給排水設備の積算には、固有の難しさが残る。

面積や長さの計測が中心となる建築の数量拾いと異なり、「どの系統の配管か」「管種・口径は何か」「バルブや量水器の種別と個数はいくつか」という複合的な属性を、同時に読み取る必要があるためだ。

加えて、凡例の有無や記号の表記は設計事務所ごとに異なり、元請から受け取れるのが紙由来のPDF図面のみでCADデータが手に入らない案件も珍しくない。

その結果、CADの計測機能も使えないまま、手作業に頼らざるを得ないのが実情だった。

凡例がなくても系統を判別、通り芯から縮尺を確定。AIと決定論を分業


今回のアプリは、給排水設備図面のPDFを入力に、配管数量の拾い出しから拾い表・概算見積書の生成までを、一つの画面で完結させる。


積算担当者が手作業で行ってきた「図面を系統ごとに目で追い、長さを測り、バルブや量水器を数える」工程をAIが下書きし、人が確認して確定する分業へと置き換えるものだ。

まず、PDFをページ画像に変換し、マルチモーダル生成AIが製図の一般知識をもとに配管ルートと記号を座標つきで読み取る。


系統の判別は、凡例があればその定義を正として参照し、なければ「給水は実線、給湯は一点鎖線、排水は破線」といった製図の一般慣行にもとづいて行う。

そのため、図面ごとの事前設定やテンプレート登録は不要で、PDFをアップロードするだけで拾いが始まる。

一方、読み取り後の処理はAIに任せず、決定論的なアルゴリズムが担う。

柱位置を示す通り芯を画像処理で検出し、AIが読み取った寸法値と突き合わせて縮尺を確定したうえで、系統×管種・口径ごとに集計してExcelに出力する。

このため、同じ読み取り結果からは必ず同じ数字が出る仕組みだ。

「要確認」で怪しい箇所を明示。若手の参画も後押し


もう一つの特徴が、AIの読み取りを鵜呑みにしない設計である。

申告された経路が図面上の実際の線と重なっているかを照合し、線が見当たらなければ「実在しないルートの疑い」として申告するほか、どの配管にもつながらない孤立した記号は「拾い漏れの可能性」として警告する。

こうした検算の結果は「要確認」として画面と拾い表に一覧化される。

担当者が確認リストの項目をクリックすると図面上の該当箇所がハイライトされ、その場で修正するか確認ボタンを押すだけで確定できる。

読み取れなかった配管を図面上のクリックで描き足す手動追加にも対応し、修正後の再集計はAIを使わない決定論処理のため数秒で終わる。

これにより、「どの線が給水か」を知らない経験の浅い担当者でも、AIの判別結果と要確認リストを起点に拾い出しへ参画できる。

なお本アプリは現在、営業デモとして実装した段階だという。

renueは今後、設備工事会社やサブコンとの共同検証を通じて実案件の図面での精度と実用性を高めるとともに、同一アーキテクチャで対応するガス配管に加え、電気・空調・消防といった他の設備系統への展開も検討していくとしている。





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