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デジコン編集部 2026.10.14

成層圏の「空飛ぶ基地局」を、地上から追尾してレーザー測距。ソフトバンクら、世界初の実証に成功

CONTENTS
  1. 次世代通信「光無線通信」の実現へ。追尾技術がカギに
  2. 室戸岬沖のHAPSを追尾。衛星レーザー測距装置を可搬型に
  3. 取得データを分析し、追尾技術を高度化。3次元通信ネットワークへ
ソフトバンク、一橋大学、国立極地研究所は、成層圏通信プラットフォーム「HAPS」を地上からリアルタイムに追尾し、レーザー測距する実証に、世界で初めて成功したと発表した。

HAPS用に開発したコーナーキューブ反射鏡(CCR)を、Sceye(スカイ)社のLTA型HAPSに搭載し、小型・可搬型のレーザー測距装置で地上からレーザー光を送信。

成層圏に滞空するHAPSをリアルタイムに追尾しながら、反射光を連続的に受信してレーザー測距することに成功した。

将来的な衛星とHAPS、地上間の光無線通信の実現に向けた、重要な一歩となる成果である。

次世代通信「光無線通信」の実現へ。追尾技術がカギに


近年、衛星通信やHAPSなどの非地上系ネットワーク(NTN)によるサービスを支える次世代の高速通信技術として、光無線通信が注目されている。

すでに衛星間通信で実用化が始まっており、今後は地球観測データの即時リレーや、インフラ未整備地域の接続、災害時の早期通信復旧、大陸間の低遅延バックボーンとしての活用などが期待されている。

ソフトバンクは、宇宙と成層圏間、宇宙と地上間の光無線通信の実証に向けた取り組みを進めている。

2026年に実証用の低軌道衛星を打ち上げて宇宙と地上間の光無線通信を実証し、2027年にはHAPSに光無線通信装置を搭載して、衛星とHAPS間の双方向光無線通信を検証する予定だ。

今回の実証は、HAPSへの光無線通信装置の搭載方法や要件を検討するとともに、将来の光無線通信の実現に向けたデータを取得するために実施された。


レーザー測距は、指向性の高いレーザー光を対象物に正確に送信するため、高精度な捕捉・追尾が必要であり、この技術は光無線通信にも活用できる。

室戸岬沖のHAPSを追尾。衛星レーザー測距装置を可搬型に


実証に用いた装置は、各機関が分担して準備した。国立極地研究所がHAPSに搭載するコーナーキューブ反射鏡を設計し、ソフトバンクがこれを配置した反射装置を製作。

地上側には、一橋大学が設計した小型の衛星レーザー測距装置「Omni-SLR」をベースに、HAPSの追尾に対応した小型・可搬型のレーザー測距装置を構築した。



レーザー測距は通常、事前に装置を設置して軸を正確に合わせる必要があるため天文台などの観測所で行われるが、今回は小型の装置を機動的に設置して実証を行った。

実証は、ソフトバンクがHAPSの商用化に向けて行った試験サービスの提供に合わせて実施された。

2026年8月22日に高知県の室戸岬沖を滞空するHAPSを観測してソフトウェアを調整し、23日から24日にかけて、地上からHAPSを連続的に捕捉・追尾しながらレーザー光を送信し、反射光を連続受信してレーザー測距する実証に世界で初めて成功した。

あわせて、成層圏と地上間の大気における光の減衰量など、光無線通信の実現に向けて重要なデータを取得。

なお使用したレーザー光は高出力なものではないが、安全性を考慮し、HAPSの方向に有人航空機がある場合には送信を停止するプログラムのもとで実施したという。

取得データを分析し、追尾技術を高度化。3次元通信ネットワークへ


ソフトバンクらは今後、今回取得した各種データを分析し、成層圏と地上間における光の減衰や変動、HAPSの動きに応じた追尾特性などを評価する。

その結果を基に、HAPSに搭載する光無線通信装置の仕様や搭載方法、捕捉・追尾技術などの検討を進める。




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