ニュース
デジコン編集部 2026.10.9

巡視社員に先行し、クマよけ音で線路を守る。東鉄工業とCalTa、自律歩行型動物忌避ロボット「RUKE」を開発・検証

CONTENTS
  1. クマなどの出没増加で、保守社員の遭遇リスクが上昇
  2. 巡視者に先行して忌避音を発生。退避時間の確保にも
  3. 名古屋の模擬環境で先行歩行を検証。10月以降に実環境での検証へ
  4. 越後湯沢で実環境検証、塩尻のイベントで実機展示へ
東鉄工業とCalTaは、4足歩行ロボットをベースにした「自律歩行型動物忌避ロボット」の現場試験を実施したと発表した。

沿線巡視を行う社員に先行して線路内を歩行しながら動物忌避音を発生させるロボットで、熊などの野生動物との遭遇リスク低減を図る。

システム名称は「自律歩行型野生動物遭遇防止システム『RUKE』」で、レールに沿って先導し安全な進行を導くという意味を込め、「Rail Utility Keeper & Escort」の頭文字から名付けられた。

クマなどの出没増加で、保守社員の遭遇リスクが上昇


近年、全国的に熊をはじめとした野生生物の人里への出没や、人との遭遇事故が増加傾向にある。

これに伴い、線路業務や保守業務を行う際に、社員が野生動物と遭遇するリスクが高まっている。

東鉄工業は、鉄道設備のメンテナンス業務における安全性向上に向けた技術開発に取り組んでおり、社員の安全確保を目的に、CalTaと共同で本ロボットの開発を進めている。

巡視者に先行して忌避音を発生。退避時間の確保にも


本ロボットは、沿線巡視を行う社員に先行して線路内を歩行しながら、動物忌避音を発生させる。

これにより、熊などの野生動物との遭遇リスクを低減するとともに、万が一遭遇した場合には、社員の退避時間の確保に寄与し、安全性向上を実現する。


開発にあたっては、「LiSH AKITA」のネットワークを通じた学術機関の専門家や、埼玉県・群馬県内で有害鳥獣対策に従事する人々から、熊をはじめとする野生動物の行動特性や安全対策に関する助言を得ながら検討を進めた。

期待される効果としては、野生動物との遭遇リスク低減や巡視作業の安全性向上、作業員の心理的負担軽減のほか、災害発生時など人が容易に立ち入れない箇所における現場調査への活用が挙げられる。

名古屋の模擬環境で先行歩行を検証。10月以降に実環境での検証へ


現場試験は、2026年10月1日に、愛知県名古屋市内の模擬環境で実施された。

模擬環境下の線路をガイドとして自律歩行型動物忌避ロボットを自律歩行させ、巡視者に先行して歩行する機能などを検証した。

主な検証項目は、レールをガイドとした自律歩行機能、巡視者の前方を先行する歩行機能、複数の種類の動物忌避音の発生機能、鉄道営業線を想定した歩行安定性の確認で、各項目が正常に動作し、要求性能を確保していることを確認した。

越後湯沢で実環境検証、塩尻のイベントで実機展示へ


東鉄工業はこれまで、CalTaのデジタルツインプラットフォーム「TRANCITY」などを利用し、鉄道保守作業などの効率化に取り組んできた。

今回はCalTaの空間ソリューション技術に着目し、共同研究を進めている。

今後は、模擬環境下の機能試験結果を踏まえ、実際の鉄道メンテナンス作業環境での現場検証を進める。

具体的には、2026年10月に東鉄工業新潟支店の越後湯沢出張所で現場検証を実施する予定だ。

さらに11月7日・8日には、長野県塩尻市のJR東日本塩尻スキルアップセンターで開催される「塩尻鉄道せつび体験ラリー2026」で実機展示を予定している。




印刷ページを表示
WRITTEN by

デジコン編集部

建設土木のICT化の情報を日々キャッチして、わかりやすく伝えていきます。

建設土木のICT活用など、
デジコンからの最新情報をメールでお届けします

会員登録

会員登録していただくと、最新記事を案内するメールマガジンが購読できるほか、会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。