名古屋の矢作建設工業、繰り返し災害を撲滅する「AIあんぜん指示ボット」を開発。AIが最適な災害事例を自動配信

矢作建設工業は、建設現場における繰り返し災害を防止するため、AIを活用した「AIあんぜん指示ボット」を開発したと発表した。

AIが翌日の作業予定を解析し、過去の災害事例から関連性の高いものを自動で抽出・配信することで、安全管理の質を高めるとともに職員の業務負荷を軽減する。

過去15年の災害事例をAIが解析し、ビジネスチャットで通知

建設現場では、同様の災害が繰り返し発生することが課題となっており、過去の事例をいかに現場の安全指導に活かすかが重要とされている。

矢作建設工業では過去15年にわたり災害事例を蓄積してきたが、これまでは整理されておらず、有効活用が難しい状況にあった。


今回開発された「AIあんぜん指示ボット」は、建設現場施工管理サービス「Buildee（ビルディー）調整会議」に入力された翌日の作業予定情報をAIが読み取り、クラウド上に保存された過去の災害事例の中から作業内容に合致するものを自動で検索・抽出する。

抽出された事例は、現場向けビジネスチャット「direct（ダイレクト）」を通じてPDF形式で配信される。

これにより、職員は膨大な資料から該当する事例を探す手間をかけることなく、適切なタイミングで具体的な事例に基づいた安全指示を行うことが可能となる。

現場職員からは、「安全指導に説得力が増した」「朝礼や危険予知活動（KY）の際に具体例を用いて話せるようになった」といった声が寄せられているという。

また、若手職員にとっても、効率的に実践的な知識を得ることができるため、早期育成のツールとしての効果も期待されている。