ニュース
デジコン編集部 2025.11.10

DataLabsが香港での実証実験で3D配筋検査システムModelyの有効性を実証。スマートヘルメットとの連携で検査自動化へ

DataLabsは、香港の土木発注者であるCEDDおよび世界的大手コンサルタントARUP、現地建設会社各社が参加する実証プロジェクトにおいて、3D配筋検査システムModelyの有効性を示した。

本実証の成果を受けて、より現場実用に向けた第二段階実証を実行予定である。

継手長や均しコンクリートとのかぶり厚の検査で高評価を獲得


香港における土木構造物の配筋検査では、膨大な写真撮影や帳票作成などの作業負荷が課題となっていた。

本実証は、3Dデータを活用したModelyを導入することで、鉄筋のかぶり厚や継手長など重要な検査項目を自動化し、検査・納品プロセスを効率化する可能性を検証することを目的としていた。


また、BeeInventorのスマートヘルメットDasLoopに装着されているカメラから得られる動画データを3D変換し、配筋検査に適用するための検証も実行している。DasLoopはGPS搭載で、装着者のバイタルデータも取得可能なヘルメットである。

将来的に、ヘルメットを被って現場を歩き回るだけで検査に必要なデータが自動生成されるような連携体制構築に取り組んでいく。

主な成果として、品質管理上高い関心領域に対応した点が挙げられる。CEDD担当者が懸念していた継手長や均しコンクリートとのかぶり厚の検査において、Modelyが有効に活用できることを提示。最小継手長の自動検出機能は、省力化の大きな突破口になるとの評価を得た。


現場実証による説得力も成果の一つである。iPad ProやiPhone Pro、スマートヘルメットDasLoopで取得した動画から生成した3Dデータを用い、PIX4DcloudとModelyの組み合わせで検査が可能であることを実証した。

参加したCEDD、ARUP、施工者に対して、Modelyで自動生成される鉄筋のAs-Builtモデルの多面的な利用可能性を直接示した。


業務効率化と標準化の期待も高まっている。ARUPのInspectorからは、紙資料が膨大で電子納品が必須となっている中、Modelyによる効率的な納品を期待しているといった声や、Modelyで事前に現地の状況を確認することで、現地での確認を省力化できるといった声が寄せられた。

さらに、エリアごとに自動で規格値を適用できる仕組みの提案もあり、今後の機能拡張の方向性が明確になった。

BeeInventorとの連携では、BeeInventorが香港の他のプロジェクトに向けて鉄筋検査サービスを推進し、検査の効率性と信頼性の向上を目指す。DataLabsは、Modelyのレポート機能および技術サポートを提供する。

また、両社は香港の現場条件に合わせてModelyの機能を強化するため、共同で取り組んでいく。

今後の展開として、本実証の第二段階では、BeeInventorが3Dデータ取得を担い、段階的に独立運用が可能となる体制を検討している。DataLabsは、オンラインサポートを中心に関与しながら、価格設定やBPOスキームを含めたビジネスモデルの最適化・標準化を実行予定だ。






印刷ページを表示
WRITTEN by

デジコン編集部

建設土木のICT化の情報を日々キャッチして、わかりやすく伝えていきます。

建設土木のICT活用など、
デジコンからの最新情報をメールでお届けします

会員登録

会員登録していただくと、最新記事を案内するメールマガジンが購読できるほか、会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。