DataLabs。四国地整との実証で3Dインフラ点検システムが従来技術超える効果を実証。コスト15%削減と32日の工程短縮

DataLabsが開発する3Dインフラ点検システム「Markly」の技術が、国土交通省四国地方整備局の現場試行で従来技術を超える効果を実証した。

経済性、工程、品質・出来形、施工性のすべての項目で優れる以上の評価を受けNETISで正式公表された。

経済性でコスト15%削減を実現。工程は47.5日から15.2日へと極めて優れる評価

現場試行では橋梁補修設計および現場調査において、従来の人手による現地調査・図面作成・数量算出と比較して大幅な改善効果が確認された。

経済性では従来8704千円/橋から新技術7403千円/橋へと約15%のコスト削減を実現している。

足場費を除いた調査・補修設計のみでは約73%のコスト削減効果が認められた。

工程では従来47.5日/橋から新技術15.2日/橋へと約32日の工程短縮を達成し、この項目では「従来技術より極めて優れる」A評価を獲得している。

品質・出来形では自動モデル化により人為的ミスを低減し、精度の高い出来形管理が可能になった。

施工性ではクラウド上での確認や帳票出力により、専門知識不要で効率的な作業を実現している。

DataLabsは今回評価を受けたMarklyと3Dインフラ補修システムHatsulyを連携させ、インフラメンテナンスの全工程を3Dデータで循環させる「3D InfraLoop」を提案している。

Marklyは調査・設計段階で点群データを3Dモデル化し、各種納品情報をデータベース化することで発注者と調査会社間で効率的に共有する。

Hatsulyは施工・維持管理段階で補修履歴や出来形データを3Dモデルに反映し、施工会社と発注者間でクラウド上のデータ共有を実現する仕組みだ。

両者を統合することで点検から診断、補修設計、補修工事、維持管理のサイクルを3Dデータで回す世界に先駆けたプラットフォームを構築する。

国土交通省も2Dベースの点検記録が抱える非効率、精度不足、共有性の制限といった課題を指摘しており、3D InfraLoopはその方向性を具体的に現場へ実装する取り組みとなる。