東洋建設と東京大学が社会連携講座を開設。センシングとAIで海洋建設の知能化施工を推進

東洋建設と東京大学大学院工学系研究科は、2025年10月1日に社会連携講座「次世代海洋建設技術の創出」を共同で開設した。

海洋建設における施工および維持管理のスマート化・DX化を目的とし、センシング・AIの応用に関する研究・技術開発を行う。

物理シミュレーションとAIを統合、現場環境変動をリアルタイムに把握

本講座では、海上・海中センサによる情報収集・処理技術の高度化や、物理シミュレーション・センシング・AIの統合により現場の物理環境変動をリアルタイムに把握・予測する技術の開発など、実践的な研究を展開する。

センシングとは、風速計や波浪計の他に、海上ブイやソナー、LiDAR、カメラ、ドローン、衛星画像などの各種センサを連携させたシステムから得られるデータをリアルタイムに収集・処理する技術を指す。



海洋における建設事業は、気象・海象や地盤条件など自然環境の不確実性に強く影響され、従来、施工・維持管理には特殊な専門技術と判断力が不可欠であった。

一方、近年では専門技術者の高齢化や担い手不足が深刻化しており、属人化している技術を次世代へ継承していくことが喫緊の課題となっている。

このような社会課題に対し、本講座では、従来の経験・技能依存型の施工から、客観的なデータに基づくデータ駆動型・知能化施工へと転換させるための基盤技術開発に取り組む。

さらに、実際の現場をフィールドとした研究・技術開発や教育を通して、安全かつ持続可能な社会の実現に貢献できる、次世代の海洋建設を担う若手技術者・研究者の育成に努める方針だ。

東洋建設は海洋土木を強みとするゼネコンとして、長年にわたり海洋建設における豊富な施工実績とノウハウを蓄積してきた。

東京大学大学院工学系研究科は、先端的な研究開発能力と教育機能を有している。