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東京大学生産技術研究所、UAVによる海底位置計測に世界初成功。センチメートル精度で深海底観測を実現

東京大学生産技術研究所の横田裕輔准教授とハマは共同で、海面に着水したUAVによって1000メートル以深の深海底をセンチメートル精度で位置計測することに世界で初めて成功した。
従来の船舶やブイに依存しない高速かつ高機動な海底観測技術として、南海トラフ巨大地震などの地震災害対策への応用が期待される。
これまでの海底観測では、地形や位置の把握、海水サンプルの取得、深海洋ロボットの投入と回収などに船舶やブイが用いられてきた。
しかし船舶には大型船舶の場合で1日あたり100万円以上の燃料・人工費がかかるコスト面の課題があるほか、一般的な船舶では時速約20キロメートル程度の機動性の制約があった。
ブイについても海面位置の保持能力に限界があり、多くの海洋・海底計測の頻度向上においてボトルネックとなっていた。
特に近年は南海トラフなどプレート境界で発生する地震のメカニズム解明および地震災害対策のため、海底の微小な地殻変動を高頻度かつ高精度に計測することが求められている。
研究チームは2022年に海面に着水しているUAVによる深海底の観測を行うことに成功しており、今回この知見を基にGNSSアンテナや音響ソナーをはじめとする各種機器と解析の高精度解析手法を確立した。

実験で使用されたUAVは、ハマが新たに開発した飛行艇型UAV「HAMADORI6000新モデル」で、翼幅6.3メートルのボディにガソリンエンジンを搭載している。
機体の大型化により時速90キロメートル以上の速度で330キロメートルの飛行が可能となったほか、観測機器の一部には民生用ドローンで一般的に採用される非測量用機器を利用することで、観測機器のコスト低減も実現している。
深海底の位置計測は、音響によって海底に設置された海底音響基準局との通信および測距を繰り返すことで行われる。

東京大学生産技術研究所の海洋工学水槽でUAVに搭載されている音響装置を用いた水中の距離計測実験を実施した結果、約2センチメートル以内の精度で計測を行うことが可能であることが示された。
さらに相模湾において実際にUAVを用いた海底位置計測実験を行ったところ、海底位置がセンチメートル精度で特定できることが実証された。

この実験結果により、船舶を使用せずに低コストかつ迅速に海底の位置を測定できることが示され、地震発生直後の迅速な海底変動の把握や、より頻繁な長期モニタリングへの応用が期待される。
船に比べて圧倒的な機動性を持つ飛行艇型UAVによる高精度海底観測の成功は、南海トラフ巨大地震などの地震災害対策に必要な海底情報の迅速な取得の基盤実現に大きく貢献するものである。
従来の船舶やブイに依存しない高速かつ高機動な海底観測技術として、南海トラフ巨大地震などの地震災害対策への応用が期待される。
飛行艇型UAVで船舶コストを大幅削減、観測頻度の向上も実現
これまでの海底観測では、地形や位置の把握、海水サンプルの取得、深海洋ロボットの投入と回収などに船舶やブイが用いられてきた。
しかし船舶には大型船舶の場合で1日あたり100万円以上の燃料・人工費がかかるコスト面の課題があるほか、一般的な船舶では時速約20キロメートル程度の機動性の制約があった。
ブイについても海面位置の保持能力に限界があり、多くの海洋・海底計測の頻度向上においてボトルネックとなっていた。
特に近年は南海トラフなどプレート境界で発生する地震のメカニズム解明および地震災害対策のため、海底の微小な地殻変動を高頻度かつ高精度に計測することが求められている。
研究チームは2022年に海面に着水しているUAVによる深海底の観測を行うことに成功しており、今回この知見を基にGNSSアンテナや音響ソナーをはじめとする各種機器と解析の高精度解析手法を確立した。

実験で使用されたUAVは、ハマが新たに開発した飛行艇型UAV「HAMADORI6000新モデル」で、翼幅6.3メートルのボディにガソリンエンジンを搭載している。
機体の大型化により時速90キロメートル以上の速度で330キロメートルの飛行が可能となったほか、観測機器の一部には民生用ドローンで一般的に採用される非測量用機器を利用することで、観測機器のコスト低減も実現している。
深海底の位置計測は、音響によって海底に設置された海底音響基準局との通信および測距を繰り返すことで行われる。

東京大学生産技術研究所の海洋工学水槽でUAVに搭載されている音響装置を用いた水中の距離計測実験を実施した結果、約2センチメートル以内の精度で計測を行うことが可能であることが示された。
さらに相模湾において実際にUAVを用いた海底位置計測実験を行ったところ、海底位置がセンチメートル精度で特定できることが実証された。

この実験結果により、船舶を使用せずに低コストかつ迅速に海底の位置を測定できることが示され、地震発生直後の迅速な海底変動の把握や、より頻繁な長期モニタリングへの応用が期待される。
船に比べて圧倒的な機動性を持つ飛行艇型UAVによる高精度海底観測の成功は、南海トラフ巨大地震などの地震災害対策に必要な海底情報の迅速な取得の基盤実現に大きく貢献するものである。
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