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デジコン編集部 2025.6.5

西武建設、壁面接触作業ドローンを6月4日Japan Drone 2025出展。コンクリート中性化測定から穿孔穴埋め・仕上げまで遠隔操作で実現

ミライト・ワンのグループ会社である西武建設は、6月4日から6日まで幕張メッセで開催される「Japan Drone 2025」に壁面接触作業ドローンを出展すると発表した。

同ドローンはコンクリート壁面への直接接触により建設作業を行う技術で、2023年度にドリル法による中性化測定、2024年度には穿孔の穴埋めと仕上げ作業を実現し、高所建築物の維持保全業務における省力化と安全性向上を目指している。

ドリル法中性化測定から穿孔穴埋め・ヘラ均し作業まで。壁面への接触・加圧制御技術と搭載機器遠隔操作を統合


西武建設が開発した壁面接触作業ドローンの技術的核心は、ドローンを建築物の壁面に安定して接触させ、搭載された専用機器により精密な建設作業を遠隔実行する点にある。

従来のドローンが非接触での撮影や測量に留まっていたのに対し、この技術は物理的な接触作業を可能にすることで、建設分野でのドローン活用領域を大幅に拡張している。


システムの主要技術要素として、壁面への接触・加圧手法の確立と、搭載機器の遠隔操作および位置制御技術の開発が挙げられる。

壁面に対する適切な圧力制御により、作業精度を確保しながらドローン自体の安定性を維持する高度な制御アルゴリズムが実装されている。この制御技術により、風や振動などの外部要因に影響されることなく、継続的な接触作業の実行が可能となった。

2023年度に実現されたドリル法によるコンクリート壁面の中性化測定は、建築物の健全性評価における重要な技術的進歩である。


コンクリートの中性化は鉄筋腐食の主要因となるため、定期的な測定による早期発見が建築物の長寿命化に不可欠となっている。従来は作業員が足場や高所作業車を使用して実施していたこの測定作業を、ドローンによる遠隔操作で安全かつ効率的に実行できるようになった。

2024年度には測定作業で生じた微破壊・破壊箇所の復旧技術が確立された。穿孔の穴埋め材充填から切粉除去、ヘラ均しによる仕上げ作業まで、一連の復旧プロセスをドローンで完結できる体制が整備されている。

この技術により、測定から復旧まで人手による高所作業を大幅に削減し、作業の安全性と効率性を同時に向上させることが可能となった。





参考・画像元:ミライト・ワンプレスリリースより
 
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デジコン編集部

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