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デジコン編集部 2025.6.4

VFRなど4社、国産ドローンポート試作機を「Japan Drone EXPO 2025」で初公開。経産省SBIR事業で海外製品依存からの脱却目指す

VFR、Cube Earth、Prodrone、ブルーイノベーションの4社は、経済産業省「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)」で共同開発を進める国産ドローンポートの試作機を「Japan Drone / 次世代エアモビリティEXPO 2025」で6月4日から初公開する。

安全保障の観点から海外製品への依存を避け、日本の災害環境に最適化した自国産技術による空の拠点構築を目指している。

ISO5491国際標準規格準拠で安全な離着陸システムと管制機能を実装


現在のドローン活用現場では災害対応やインフラ維持管理をはじめとする様々な分野で需要が拡大しているものの、安全な離着陸、充電、保守を担うドローンポートの整備が課題となっている。

特に省人化を進める上でこうした拠点施設は不可欠な存在であるにも関わらず、既存のドローンポートは海外製が多数を占めており、安全保障の観点からセキュリティ対策の必要性が指摘されていた。

この問題を解決するため、4社は2023年から経済産業省の支援を受けて国産ドローンポートの実用化に向けた共同開発を開始した。


開発される試作機は、2023年6月に正式発行されたドローンポート国際標準規格「ISO 5491」に準拠しており、150kg以下のVTOL電動貨物UAS(垂直離着陸式の無人航空機システム)を扱うVertiportが自動離着陸オペレーションを実現するために必要なインフラストラクチャーと機器の要件を満たしている。

技術的特徴として、ドローンポート上空を監視するセンサーが出力する周囲データを空間ID化し、この空間ID化されたデータをもとにドローンポート周囲にある建物や木等の静止物と、ドローン等の移動物を識別してドローンポート上空の管理を行う空域安全確保システムを搭載している。

さらにブルーイノベーションが開発したドローンポート情報管理システム(VIS)では、国際標準規格で要求されている遠隔監視・制御や離発着管理、外部システム連携などの各種機能を実装している。


このシステムによりドローンポートの稼働状況や各種センサーによるドローンポート周辺の安全確認などの各種情報を一元的かつリアルタイムに集約・管理することが可能となり、他システムとも共有・連結することで一連かつ複数のドローン運航オペレーションを安全に遂行できる仕組みを構築している。

今回のプロジェクトは経済産業省のSBIR(Small/Startup Business Innovation Research)制度のフェーズ3支援を受けており、研究開発の成果を大規模技術実証で検証し、社会実装へと繋げることを目的としている。

各社の専門技術を結集することで、日本独自の災害環境やインフラ構造に最適化された安全なドローンポートの開発を実現し、将来的な省人化社会における空の拠点として機能することが期待されている。




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デジコン編集部

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