i-Construction推進のカギとなる、ICT技術。しかし、最新の機器やソフトウェアの導入には多額のコストがかかるため、ICT活用が思うように進められない事業者も多いのではないだろうか?
そこで本記事では、設備・機器導入のハードルを少しでも下げるべく、国や自治体などのサポート制度を【ハードウェア導入費】【ソフトウェア導入費】【人材育成費】面から、紹介していく。
■ ものづくり・商業・サービス高度連携促進補助金(経済産業省)
2次公募期間:
2021年8月2日(月)14:00〜2021年9月17日(金)17:00
対象:
【ハードウェア導入費】ICTシステム機器・ICT建設機械等
複数の中小事業者間でデータを共有・活用し、連携体制を強化することで、生産性向上を図る取組みを、最大2年間支援する制度。建設事業者・建設コンサルティング会社の2者間で測量データを共有し、ICT施行による効率化を図るため、測量機器やICT建機を購入し、費用の一部に充てられた事例がある。
【企業間連携型】と【サプライチェーン効率型】の2つの類型があり、補助上限額はそれぞれ100万〜2,000万円、100万〜1,000万円。
▶対象となる要件
以下の事業計画の策定及び実行
2次公募のオンライン説明会は、8月24日(火)15:00〜16:20に開催予定
■ ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業(ものづくり補助金)[中小企業生産性革命推進事業(経済産業省)]
7次公募期間:
2021年6月3日(木)〜2021年8月17日(火)
(次回公募見込 ※ 3ヶ月おきに9次申請まで公募予定)
対象:
【ハードウェア導入】ICTシステム機器・ICT建設機械等/
働き方改革やi-Constructionなどの、制度や方針の策定・変更に伴い発生する設備投資費用を支援する制度。補助額の上限額は最大1,000万円で、これまでの公募時には、3DレーザースキャナーやICT建機の導入費用などに充てられた事例がある。
■ サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金2021)/[中小企業生産性革命推進事業(経済産業省)]
3次公募期間:
2021年6月3日(木)〜2021年9月30日(木)17:00
対象:
【ソフトウェア導入費】ICT活用ソフトウェア等
〈通常枠(A・B型)〉
中小企業や小規模事業者が、社内のデジタル環境を整備し、生産性向上を図るためにITツールを導入する際の購入費を支援する制度。
A類型(導入プロセス2以上)とB類型(導入プロセス5以上)に分類されており、補助額はA類型30万〜150万円以下、B類型が30万〜450万以下。導入プロセスが多く幅広い活用が見込めるB類型には、高い補助額上限が設定されている。
〈特別枠(C・D型)〉
非対面化ツールの導入を前提とし、ポストコロナ時代に対応した新しいビジネスモデルへの転換に必要なITツール導入にかかる費用の一部を支援する制度。C類型(低感染リスク型ビジネス類型)とD類型(テレワーク対応型)に分類され、補助額はC類型が30万〜450万円以下、D類型が30〜150万以下。
▶対象となる要件
以下を満たす3〜5年の事業計画の策定及び実行
■ 人材開発支援助成金(厚生労働省)
適用期間:通年
対象:
【人材育成費】技能実習・訓練・研修等
ICT技術の基本を学ぶ座学研修や、ICT技術取得を目的とした実習など、職務に関連した専門知識及び技能取得費用を助成する制度。支給対象となるのは、特定訓練コースに限られる。雇用する正社員に対して、厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練、若年者への訓練、労働生産性向上に資する訓練等、訓練効果の高い10時間以上の訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成される。
訓練対象となる社員の属性や訓練の目的、訓練費用、所要時間等に応じて受給要件が異なるため、その都度確認が必要だ。
また、直近の会計年度と比較して生産性の向上が見られる企業が人材開発支援助成金制度を活用する場合、助成額(または助成率)の割増等の適用が認められるケースもあるため、併せて確認しておきたい。(※人材開発支援助成金以外の労働関係助成金に対しても適用が可能。)
■ 固定資産税優遇措置(地方税)
適用期間:
令和4年度末まで
対象:
【ハードウェア導入】ICTシステム機器
「導入促進基本計画」の同意を受けた市区町村に事業所を置く中小企業が、ICTシステム機器等を導入した際、機器にかかる固定資産税が減免される制度。固定資産税が3年間、0〜2分の1に軽減される。
▶対象となる要件
■ 中小企業経営強化税制[法人税減免措置(中小企業庁)]
適用期間:
令和4年度末まで
対象:
【ハードウェア導入】ICTシステム機器
経営力向上計画に基づき、事業計画に必要な一定の設備を新たに取得し、購入年度内に使用を開始した場合、購入初年度に取得価額の100%償却、または税額控除(取得価額の7〜10%)のうち、いずれかの選択適用を認める措置。
税制の適用には、事前に経営向上計画を策定・申請し、認定を受ける必要がある。
※ 資本金額によって控除内容が異なる。
▶対象となる要件
■ 中小企業投資促進税制[法人税減免措置(中小企業庁)]
適用期間:
令和4年度末まで
対象:
【ハードウェア導入】ICT建設機械
建設機械の購入など、一定の設備投資を行った際に、取得価額の30%特別償却、税額控除(取得価額の7%)のうち、いずれかの選択適用を認める措置。
※ 資本金額によって控除内容が異なります。
▶対象となる条件
■ IT活用促進資金(日本政策金融金庫)[低利融資制度]
対象:
【ハードウェア導入】ICTシステム機器
ICT活用を目的とした設備の導入・運用にかかる資金の、低利融資を受けられる制度。貸付対象はMC/MG機器やTS、GNSS、TLS等のICT機器と取付改造費。建設機械は含まれないため、注意が必要だ。
貸付金額の上限は、中小企業事業には7億2,000万円、国民生活事業には7,200万円までと定められており、返済期間は設備資金の場合は20年以内(うち措置期間2年以内)、運転資金の場合は7年以内(うち措置期間2年以内)。金額や要件に応じた特別利率が設けられている。
■ 環境エネルギー対策資金(日本政策金融金庫)[低利融資制度]
対象:
【ハードウェア導入】ICTシステム機器
環境対策型建設機械の取得にかかる資金の、低利融資を受けられる制度。貸付対象は、排出ガス対策型建設機械、オフロード法基準適合車、低酸素型及び燃料基準達成建設機械。認定の有無は製品によって異なるため、メーカーへの確認が必要だ。貸付金額の上限は、中小企業事業には7億2,000万円、国民生活事業には7,200万円までと定められており、返済期間は20年以内(うち措置期間2年以内)。金額や要件に応じた特別利率が設けられている。
※補助金・助成金、固定資産税・法人税の減免措置の詳細は、変更される場合があります。各種窓口へお問い合わせください。
参考:https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000792984.pdf
そこで本記事では、設備・機器導入のハードルを少しでも下げるべく、国や自治体などのサポート制度を【ハードウェア導入費】【ソフトウェア導入費】【人材育成費】面から、紹介していく。
i-Constructionをサポートする補助金・助成金制度
■ ものづくり・商業・サービス高度連携促進補助金(経済産業省)
2次公募期間:
2021年8月2日(月)14:00〜2021年9月17日(金)17:00
対象:
【ハードウェア導入費】ICTシステム機器・ICT建設機械等
複数の中小事業者間でデータを共有・活用し、連携体制を強化することで、生産性向上を図る取組みを、最大2年間支援する制度。建設事業者・建設コンサルティング会社の2者間で測量データを共有し、ICT施行による効率化を図るため、測量機器やICT建機を購入し、費用の一部に充てられた事例がある。
【企業間連携型】と【サプライチェーン効率型】の2つの類型があり、補助上限額はそれぞれ100万〜2,000万円、100万〜1,000万円。
▶対象となる要件
以下の事業計画の策定及び実行
- 付加価値額:年間+3%以上
- 給与支給総額:年間+1.5%以上
- 事業場内最低賃金>地域別最低賃金+30円
2次公募のオンライン説明会は、8月24日(火)15:00〜16:20に開催予定
下記より申込み可能。
詳細:令和3年度ものづくり・商業・サービス高度連携促進補助金
詳細:令和3年度ものづくり・商業・サービス高度連携促進補助金
■ ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業(ものづくり補助金)[中小企業生産性革命推進事業(経済産業省)]
7次公募期間:
2021年6月3日(木)〜2021年8月17日(火)
(次回公募見込 ※ 3ヶ月おきに9次申請まで公募予定)
対象:
【ハードウェア導入】ICTシステム機器・ICT建設機械等/
働き方改革やi-Constructionなどの、制度や方針の策定・変更に伴い発生する設備投資費用を支援する制度。補助額の上限額は最大1,000万円で、これまでの公募時には、3DレーザースキャナーやICT建機の導入費用などに充てられた事例がある。
■ サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金2021)/[中小企業生産性革命推進事業(経済産業省)]
3次公募期間:
2021年6月3日(木)〜2021年9月30日(木)17:00
対象:
【ソフトウェア導入費】ICT活用ソフトウェア等
〈通常枠(A・B型)〉
中小企業や小規模事業者が、社内のデジタル環境を整備し、生産性向上を図るためにITツールを導入する際の購入費を支援する制度。
A類型(導入プロセス2以上)とB類型(導入プロセス5以上)に分類されており、補助額はA類型30万〜150万円以下、B類型が30万〜450万以下。導入プロセスが多く幅広い活用が見込めるB類型には、高い補助額上限が設定されている。
〈特別枠(C・D型)〉
非対面化ツールの導入を前提とし、ポストコロナ時代に対応した新しいビジネスモデルへの転換に必要なITツール導入にかかる費用の一部を支援する制度。C類型(低感染リスク型ビジネス類型)とD類型(テレワーク対応型)に分類され、補助額はC類型が30万〜450万円以下、D類型が30〜150万以下。
▶対象となる要件
以下を満たす3〜5年の事業計画の策定及び実行
- 付加価値額:年間+3%以上
- 給与支給総額:年間+1.5%以上
- 事業場内最低賃金>地域別最低賃金 +20円
詳細はこちら:IT導入補助金2021
■ 人材開発支援助成金(厚生労働省)
適用期間:通年
対象:
【人材育成費】技能実習・訓練・研修等
ICT技術の基本を学ぶ座学研修や、ICT技術取得を目的とした実習など、職務に関連した専門知識及び技能取得費用を助成する制度。支給対象となるのは、特定訓練コースに限られる。雇用する正社員に対して、厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練、若年者への訓練、労働生産性向上に資する訓練等、訓練効果の高い10時間以上の訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成される。
訓練対象となる社員の属性や訓練の目的、訓練費用、所要時間等に応じて受給要件が異なるため、その都度確認が必要だ。
詳細はこちら:人材開発支援助成金
また、直近の会計年度と比較して生産性の向上が見られる企業が人材開発支援助成金制度を活用する場合、助成額(または助成率)の割増等の適用が認められるケースもあるため、併せて確認しておきたい。(※人材開発支援助成金以外の労働関係助成金に対しても適用が可能。)
詳細はこちら:労働関係助成金の割増
i-Constructionをサポートする税制・融資制度
■ 固定資産税優遇措置(地方税)
適用期間:
令和4年度末まで
対象:
【ハードウェア導入】ICTシステム機器
「導入促進基本計画」の同意を受けた市区町村に事業所を置く中小企業が、ICTシステム機器等を導入した際、機器にかかる固定資産税が減免される制度。固定資産税が3年間、0〜2分の1に軽減される。
▶対象となる要件
- 購入品が中古品ではない。
- 発売から10年以内(機械設備/建設機械)または6年以内(器機/測量機器)のものであること
- 購入費が160万以上(建設機械)または30万以上(測量機器等)であること。
- 前モデル比で生産性平均1%以上向上
■ 中小企業経営強化税制[法人税減免措置(中小企業庁)]
適用期間:
令和4年度末まで
対象:
【ハードウェア導入】ICTシステム機器
経営力向上計画に基づき、事業計画に必要な一定の設備を新たに取得し、購入年度内に使用を開始した場合、購入初年度に取得価額の100%償却、または税額控除(取得価額の7〜10%)のうち、いずれかの選択適用を認める措置。
税制の適用には、事前に経営向上計画を策定・申請し、認定を受ける必要がある。
※ 資本金額によって控除内容が異なる。
詳細はこちら:経営サポート「経営強化法による支援」
▶対象となる要件
- 一定期間内に販売されたモデル(中古品は対象外)であること。
- 前モデル比で生産性平均1%以上向上していること。
- 取得価額が160万以上(建設機械)または30万以上(測量機器等)であること。
■ 中小企業投資促進税制[法人税減免措置(中小企業庁)]
適用期間:
令和4年度末まで
対象:
【ハードウェア導入】ICT建設機械
建設機械の購入など、一定の設備投資を行った際に、取得価額の30%特別償却、税額控除(取得価額の7%)のうち、いずれかの選択適用を認める措置。
※ 資本金額によって控除内容が異なります。
詳細はこちら:中小企業投資促進税制
▶対象となる条件
- 取得価額の合計額が160万以上(建設機械等)または70万以上(ソフトウェア等)であること。
- 取得価額の合計額が120万以上(測量機器等)であること。
■ IT活用促進資金(日本政策金融金庫)[低利融資制度]
対象:
【ハードウェア導入】ICTシステム機器
ICT活用を目的とした設備の導入・運用にかかる資金の、低利融資を受けられる制度。貸付対象はMC/MG機器やTS、GNSS、TLS等のICT機器と取付改造費。建設機械は含まれないため、注意が必要だ。
貸付金額の上限は、中小企業事業には7億2,000万円、国民生活事業には7,200万円までと定められており、返済期間は設備資金の場合は20年以内(うち措置期間2年以内)、運転資金の場合は7年以内(うち措置期間2年以内)。金額や要件に応じた特別利率が設けられている。
詳細はこちら:IT活用促進資金
■ 環境エネルギー対策資金(日本政策金融金庫)[低利融資制度]
対象:
【ハードウェア導入】ICTシステム機器
環境対策型建設機械の取得にかかる資金の、低利融資を受けられる制度。貸付対象は、排出ガス対策型建設機械、オフロード法基準適合車、低酸素型及び燃料基準達成建設機械。認定の有無は製品によって異なるため、メーカーへの確認が必要だ。貸付金額の上限は、中小企業事業には7億2,000万円、国民生活事業には7,200万円までと定められており、返済期間は20年以内(うち措置期間2年以内)。金額や要件に応じた特別利率が設けられている。
詳細はこちら:環境エネルギー対策資金
※補助金・助成金、固定資産税・法人税の減免措置の詳細は、変更される場合があります。各種窓口へお問い合わせください。
参考:https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000792984.pdf
WRITTEN by
高橋 奈那
神奈川県生まれのコピーライター。コピーライター事務所アシスタント、広告制作会社を経て、2020年より独立。企画・構成からコピーライティング・取材執筆など、ライティング業務全般を手がける。学校法人や企業の発行する広報誌やオウンドメディアといった、広告主のメッセージをじっくり伝える媒体を得意とする。
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