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デジコン編集部 2026.10.6

流れてきた水で、壁が自ら立ち上がる。可搬式止水バリア「LENOIR Water Barrier」の国内提供を本格化。ティー・アイ・トレーディング社

CONTENTS
  1. 備えは進んでも「間に合うか」は別問題。短時間強雨は1.5倍に
  2. 組み立て・給水不要、2人で運搬。水圧が壁を立てる
  3. 「止める」だけでなく「溜める」。消火用水の確保にも
産業安全機器の専門商社であるティー・アイ・トレーディングは、スイスのLENOIR Protection Systems社が製造する可搬式止水バリア「LENOIR Water Barrier」について、日本の代理店として国内提供を本格化すると発表した。

折り畳んだバリアを地面に広げて置くと、流れてきた水が中に入り、その水圧で壁が自ら立ち上がって自立する製品だ。

欧州洪水防護協会(EVH)の認証値では、防護高35cmの型式で延長100mあたり約4分で展開でき、突発的な浸水への初動のほか、消火用水の貯留にも使われている。

備えは進んでも「間に合うか」は別問題。短時間強雨は1.5倍に


国土交通省の『水害レポート2025』によると、時間雨量50mm以上の短時間強雨の年間発生回数は、1976〜85年平均の226回から2016〜25年平均の340回へと、約1.5倍に増加している。

短時間強雨による内水氾濫は、予兆から浸水までの時間が短く、「資材はあるが、間に合わなかった」という事態が起こりやすい。

一方で、土のうは積み上げに人手と時間を要し、固定式の止水板は設置場所が決まっている。

工場や物流拠点、地下設備などでは、警報から数十分のうちに、限られた人数で必要な場所を囲うことが求められる。

同じ課題は水害以外にもある。水利の乏しい現場で消火用水を確保する際も、「短時間で、水を溜める場所をつくる」ことが要件となる。

組み立て・給水不要、2人で運搬。水圧が壁を立てる


「LENOIR Water Barrier」は、単一チャンバーの折り畳み式バリアだ。

手順は2段階で、ロールアウトして広げて置き(部材の組み立てやアンカー打設は不要)、流れてきた水がバリアの中に入り、その圧力が内側から押し上げて自立する。


利用者が給水する必要はなく、止めようとする水そのものが壁を立てる力になる。

バリアは2人で運搬でき、連結すれば任意の長さに延長でき、使用後は排水して折り畳み、繰り返し使用できる。

「止める」だけでなく「溜める」。消火用水の確保にも


同じ構造は、水を「止める」だけでなく「溜める」用途にも使われる。

河川や沢に設置して消火用水を確保するなど、欧州では浸水対策と並んでこうした場面でも使用されている。

想定される用途は、工場・物流拠点・地下入口などを警報から短時間で囲う突発的な浸水への初動、河川・沢・敷地内に設置して水を貯留しポンプで吸水する消火用水の確保、そして河川・湖沼での堰止めや放水路の形成といった水管理だ。


なお、同社が取り扱う可搬式止水堤「BEAVER Dam」が「計画的に備える設備」であるのに対し、「LENOIR Water Barrier」は「短時間で立ち上げる」ことに特化している。

高い流速の場所や無人での放置には向かず、設置後は監視を前提とするため、用途と現地条件に応じて適する製品が異なるという。

本製品は受注生産で、納期の目安は発注から約2〜3カ月。実機は国内に配備済みで、重要施設・工場・自治体向けにデモンストレーションを受け付けている。







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