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デジコン編集部 2026.10.19

建物を壊さず、その直下のPFASを封じ込める。鹿島とケミカルグラウト、高圧噴射撹拌工法×特殊吸着材でPFASを固定化する土壌対策技術を開発

CONTENTS
  1. 水道水の基準に追加されたPFAS。建物直下と高アルカリ環境が壁に
  2. 噴射量・圧力を管理し、特殊吸着材を土壌に均一分散
  3. PFOA溶出量を基準値以下に。pH10〜12でも吸着性能を維持
鹿島とグループ会社のケミカルグラウトは、高圧噴射撹拌工法と鉱物系特殊PFAS吸着材「PFAS Green™-soil」を組み合わせ、地盤中のPFASを固定化する技術を開発した。

狭隘な場所での施工性に優れ、既存建物直下に地盤改良体を構築できる高圧噴射撹拌工法と、セメント系固化材による高アルカリ環境下でも高い吸着性能を維持する特殊吸着材を組み合わせたものだ。

これにより、掘削除去が困難な既存建物直下のPFAS含有土壌に対して、建物を供用したままPFASの地下水への溶出を抑制できる。

PFAS含有土壌対策の適用範囲拡大とコスト低減に貢献する技術である。

水道水の基準に追加されたPFAS。建物直下と高アルカリ環境が壁に


PFASは、フライパンのコーティングや泡消火剤など、身近な製品に幅広く利用されてきた。

一方で、PFASの一種であるPFOAやPFOSについては、人体や環境への影響が特に懸念されている。

日本では、PFOAおよびPFOSが2026年4月から水道水の水質基準項目に追加されており、今後、PFAS含有土壌対策へのニーズの高まりが見込まれている。

PFAS含有土壌に対しては、これまで掘削除去やセメント系固化材による固定化などの対策が行われてきた。

しかし、既存建物直下では掘削除去が困難であるほか、PFASは水溶性が高く分子サイズも小さいため、従来のセメント系固化材による固定化のみでは、地下水への溶出を十分に抑制することが難しかった。

また、一般的な活性炭系吸着材は、セメント系固化材によって生じる高アルカリ環境下で吸着性能が低下するため、両者を組み合わせた対策には課題があった。

このため、既存建物直下にも適用でき、高アルカリ環境下でもPFASを効率的に固定化できる技術が求められていた。

噴射量・圧力を管理し、特殊吸着材を土壌に均一分散


本技術は、特殊吸着材を混合したセメント系固化材を用いた高圧噴射撹拌工法により地盤改良体を構築することで、PFASを地盤中に固定化し、地下水への溶出を抑制するものだ。

高圧噴射撹拌工法とは、スラリー状のセメント系固化材を高圧噴射し、原地盤を切削・撹拌混合して、柱状の強固な地盤改良体を構築する技術である。



鹿島とケミカルグラウトは、高圧噴射撹拌工法の豊富な施工実績と技術ノウハウを活用し、土質条件に応じて噴射量や噴射圧力を適切に管理することで、特殊吸着材を土壌中に均一に分散させ、PFASを効率的に固定化する。

PFOA溶出量を基準値以下に。pH10〜12でも吸着性能を維持


効果検証も行われた。PFOSよりも水溶性が高く、対策が困難とされるPFOAを含む土壌を用いて模擬地盤改良体を作製し、PFOAの土壌溶出量を分析したところ、特殊吸着材を混合した地盤改良体では、PFOA溶出量が水道水の水質基準値である50ng/L以下となることを確認した。


さらに、PFOA吸着性能評価試験の結果、セメント系固化材によって生じるpH10〜12程度の高アルカリ環境下においても、特殊吸着材が吸着性能を維持することを確認している。

鹿島とケミカルグラウトは今後も、本技術の適用範囲の拡大および施工性の向上を図るとともに、PFAS含有土壌対策への普及展開を進める。

これにより、既存建物直下をはじめとする従来対策が困難だったPFAS含有土壌への適用を拡大し、PFASによる環境負荷の低減と安全・安心な社会の実現に貢献していくとしている。



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デジコン編集部

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