名古屋の光建、匠の技を科学的に可視化するプラットフォーム「Science Behind the Skills」を公開。産学連携で技能継承を促進

光建は12月3日、名古屋市立大学および愛知文教女子短期大学と共同で、建設技能の「視える化」を通じて学習と魅力発信を行うプラットフォーム「Science Behind the Skills®（SBS）」を公開したと発表した。

「ゲンバを科学する」をコンセプトに、熟練技能者の技術をデータサイエンスや人間工学を用いて可視化・定量化し、若手への技能継承や建設業の人材不足解消を目指す取り組みである。

熟練技能の「暗黙知」をデジタル技術で数値化

建設業界では、熟練技能者の高齢化と人材不足が深刻化する一方で、高度な技術が「見て盗む」ものとされ、言語化や継承が難しいという課題があった。


光建と名古屋市立大学は2022年から共同研究を開始し、熟練者の動作データや生体情報を計測・分析することで、これまで暗黙知とされていた技能のエッセンスを科学的に解明してきた。


今回公開されたSBSは、その研究成果を集約したWebプラットフォームであり、解析ソフトやWeb3D技術を用いて、技能者の動きや判断、空間情報を視覚的に表現している。

これにより、若手技能者は熟練者の技術を数値やビジュアルを通じて効率的に学ぶことが可能となり、学習時間の短縮や理解度の向上が期待される。


また、コンテンツ制作には愛知文教女子短期大学の学生も参画しており、若い世代の感性を取り入れることで、建設業の魅力をより直感的に伝える工夫が凝らされている。

光建は今後、伝統工芸など異業種との連携や、MR（複合現実）・AIを活用した次世代学習ツールの開発も進める計画であり、言語の壁を超えた海外展開も視野に入れている。