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デジコン編集部 2025.11.13

東急建設がトンネル切羽監視にAI映像解析機能を導入。作業員の危険エリア侵入をリアルタイム検知

東急建設は2025年11月6日、山岳トンネル工事の安全対策として、日本テクノ・ラボおよびマックと共同で「切羽遠隔監視システム」にAI映像解析機能を導入すると発表した。

これまで試験導入を進めてきた監視システムをさらに高度化し、切羽作業の安全性向上を図る取り組みだ。

映像統合監視ソフトとAIサーバを連携して危険を即座に警告


山岳トンネル工事では岩石の落下等による死傷災害リスクが存在するため、労働安全衛生規則に基づき防止措置が義務付けられている。

2024年3月26日に改正されたガイドラインでは、切羽監視におけるデジタル技術の活用が明記された。

東急建設は和歌山県有田市から海南市にかけての有田海南道路1号トンネル工事で切羽遠隔監視システムの試験導入を開始し、デジタル技術を活用した監視体制を構築してきた。

監視位置を監視車両内へ遠隔化することで、切羽監視責任者自身の被災リスクと精神的・肉体的負担が軽減されることを確認した。

今回、監視機能をさらに強化し、より確実な安全衛生水準の達成を目指すため、新たにAI検知システムを連携させる。

本システムは日本テクノ・ラボの映像統合監視ソフトウェア「FIREDIPPER」を映像サーバに搭載し、高性能なAIサーバと連携させている。

実際の現場映像を学習済のAIサーバがAIエンジンを使用し、切羽近傍や重機作業エリア等の危険個所への作業者侵入をリアルタイムで検知する仕組みだ。

危険を検知すると、AIサーバは直ちに映像サーバに通知。これにより切羽監視責任者は警報装置を作動させ、現場に設置された拡声器を通じて作業員に具体的な退避指示を行うことで、迅速に安全を確保できる。

FIREDIPPERを活用したAI映像解析機能は、既存のカメラ機種に依存しない特長がある。

すでに選定されている複数の重機搭載カメラや後方監視カメラに対しても、迅速かつ柔軟に対応してシステム構築が可能だ。



参考・画像元:東急建設プレスリリースより


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