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デジコン編集部 2025.9.24

長谷工コーポレーション。生成AI活用の危険予測支援システム「Kizuki AI」を首都圏全129現場に導入

長谷工コーポレーションは、建設現場における安全対策に関する知識の平準化と効率的な対応を実現するため、生成AI技術を活用した施工管理者の危険予測支援システム「Kizuki AI」を開発し、活用を開始した。

2025年8月現在、同社が首都圏で手掛けるすべての建設現場129カ所に採用しており、今後全エリアの建設現場へ順次拡大する予定である。

オープンソースAI開発プラットフォーム「Dify」上で実装し若手施工管理者の気付きを向上


建設現場における災害撲滅のためには、施工管理者一人一人が災害に結び付く潜在的な危険に気づき、未然に防ぐことが重要である。

一方で、危険予測は施工管理者の経験や知識の差が影響し、危険の見落としが生じる恐れがある。

昨今は労働者不足や時間外労働の上限規制等の対応が求められる中、安全に対する技術力向上には、より効率的で新しい情報取得が重要となっている。


(左:入力画面/右:生成AI回答提示画面)


Kizuki AIでは、パソコンやスマートフォンに工種、作業内容、天候、気温を入力し、作業現場の写真をアップロードするだけで作業を行う。

生成AIが熱中症や足場の不安定性など、想定されるリスクと対策を具体的に提示するため、施工管理者に気づきを与えることが可能になる。

これまでの試行段階では、過去の災害事例の写真をもとにプロンプト(生成AIへの指示)を調整し、検出されるリスクの精度向上を図ってきた。

若手の施工管理者と本システムのそれぞれがリストアップしたリスクを比較したところ、若手の施工管理者に新たな気付きを与える効果を確認した。

現在、首都圏の作業所にて検証を進めており、システムの精度を高めていくとともに、近畿圏・東海圏の建設現場での利用拡大を進める。

安全対策に関する知識の平準化と効率化を図り、現中期経営計画「HASEKO Evolution Plan」の重点戦略に沿ってDXを加速している。

同社は引き続きマンション事業全体でDXを活用し、効率化による生産性の向上と働き方改革の両立を実現する方針である。





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