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デジコン編集部 2026.10.29

ソーラー電源のAIカメラが、河川の水位を見張る。長野県のシーティーエスら3社、河川工事現場で水位検知の実証実験を開始

CONTENTS
  1. 短時間強雨は1.5倍、水害被害額も1.5倍。急な水位上昇が現場の脅威に
  2. カメラ内でAI解析、閾値超えで即通知。商用電源不要のオフグリッド構成
    1. エッジAI解析による迅速な検知
    2. 2台構成による比較検証
    3. 商用電源不要のオフグリッド構成
    4. 「IoT SmartHub」による閾値判定と即時通知
  3. 道路冠水や市街地の浸水監視へも。サービス化を目指す
建設ICTの専門企業であるシーティーエス(長野県上田市/CTS)は、DSRのアジア拠点であるDSRアジア(神奈川県横浜市)、岩田地崎建設(北海道札幌市)と共同で、関東地方の河川堤防整備工事の現場において、AIカメラによる水位検知の実証実験を開始した。

エッジAIとソーラー電源を組み合わせた遠隔河川監視の有効性を検証するものだ。

短時間強雨は1.5倍、水害被害額も1.5倍。急な水位上昇が現場の脅威に


近年、集中豪雨や台風などによる水害が多発・激甚化している。

気象庁の解析によれば、1時間降水量50mm以上の短時間強雨の年間発生回数は、直近10年間の平均で統計開始当初の約1.5倍に増加した。


また国土交通省の調査によれば、日本の年平均水害被害額は、2014年から2023年の10年間平均で約7,516億円と、その前の10年間(約5,089億円)の約1.5倍に達している。

河川に近接する建設現場では、急激な水位上昇が作業員の安全を脅かす深刻なリスク要因であり、水位の変動を客観的かつ継続的に監視し、迅速な避難判断を支援する仕組みの確立が求められていた。

なお本実証は、国土交通省の「i-Construction 2.0」が掲げる施工管理のオートメーション化とも軌を一にする、安全管理領域でのAI実装の取り組みだ。

カメラ内でAI解析、閾値超えで即通知。商用電源不要のオフグリッド構成


本実証は、岩田地崎建設が施工する関東地方の河川堤防整備工事の現場で実施する。

CTSが提供するクラウド映像サービス「IoT SmartHub」の新機能として開発中の、AI水位検知ソリューションの実運用適性を検証するものだ。

AXISネットワークカメラと、DSRの完全子会社Noemaが開発したAI洪水検知アプリケーション「Noema Flood Monitor」を組み合わせ、エッジAIによる水位検知と「IoT SmartHub」を通じた閾値判定・即時通知の一連の仕組みを検証する。

技術的特長は以下の通りだ。

エッジAI解析による迅速な検知


カメラ内部でAI解析を完結し、通信負荷を抑えつつ水位の変化を即時にデータ化する。

2台構成による比較検証


超高感度ボックス型カメラと広角バレット型カメラを同一地点に設置し、撮影距離・画角・設置位置の違いによる検知性能を比較する。

商用電源不要のオフグリッド構成


ソーラーパネルと蓄電池による電源供給と4G LTE通信を組み合わせ、電源インフラのない河川沿いでも設置・運用できる。

「IoT SmartHub」による閾値判定と即時通知


AIカメラから受け取った水位データをもとに閾値判定を行い、設定した基準を超えた場合に、チャットで管理者へ即時に通知する。

検証項目としては、水面認識の安定性や水位判定ラインの追従性、撮影距離・画角・設置高さによる検知性能の違い、夜間・雨天時の映像品質とAI検知性能などを確認する。

道路冠水や市街地の浸水監視へも。サービス化を目指す


水害の激甚化が進むなか、河川工事現場のみならず、道路の冠水監視や市街地の浸水予測など、AIを活用した水位監視のニーズは今後さらに拡大することが見込まれる。

3社は、本実証を通じて得られた知見をもとに、河川監視・道路冠水監視向けAIソリューションの標準構成や設置条件、運用方法を整理し、サービスとしての展開を目指す。




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