日鉄物産がカナダSkygauge社と「非破壊検査用ドローン」の国内独占販売契約を締結。接触型超音波探傷検査を実現

日鉄物産は、カナダで非破壊検査用ドローンの設計、製作、販売を手掛けるSkygauge Roboticsと日本国内での独占販売契約を締結した。

Skygauge社は、商用レベルでは世界で初めて接触型非破壊検査(超音波探傷など)用に使用可能なドローンを開発した企業だ。

インフラ点検市場は2028年度に2088億円、足場設置不要で安全性向上とコスト削減

日本社会では、人手不足を背景に省人化や効率化のニーズが高まっており、ロボットやドローンなどの先端技術の活用が加速している。

そのなかでもインフラ・設備点検分野は、最も成長が期待されるドローン活用領域であり、2024年度の国内市場規模1053億円が、2028年度には約2倍の2088億円へ達すると推測されている。

Skygauge社は、業界をけん引するリーディングカンパニーだ。

同社のドローンは、対象物を傷つけることなく、ドローンの先端に取り付けた探触子で内部の欠陥や劣化を高精度に計測する非破壊検査機能を有している。

すでにカナダ国内の他、アメリカやオーストラリア、中東諸国など世界各地に導入実績があり、グローバルな顧客基盤を構築している。


従来、インフラ点検など高所で行う超音波探傷検査は、足場設置や人力による危険な作業に伴い、作業者の安全確保、高コスト、多くの作業時間を要するといった課題があった。

ドローンの導入により、これらの作業を安全かつ効率的に行うことができるようになり、人手不足への対応やコスト削減、作業リスク低減という課題の解決に大きく寄与する。

実際に日本製鉄グループの日鉄テクノロジーが製鉄所内における高所構造物の超音波板厚調査にSkygauge社のドローンを既に導入済みで、実用化に向けて検証を進めている。

今後、インフラおよびエネルギー分野をはじめとする点検業務全般での利用拡大が期待される。