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デジコン編集部 2023.1.4

鹿島、成瀬ダム堤体打設工事にて、月間打設量の国内最高記録を樹立!次世代建設生産システム「A⁴CSEL®」活用

CONTENTS
  1. 大量高速施工を可能とした先端技術
鹿島は、秋田県東成瀬村で施工中の「成瀬ダム堤体打設工事」において、2022年10月の1ヵ月間で、27.1万m3の「CSG※1」と「コンクリート」を堤体の左岸側にて打設をした。

この打設量が、ダム工事における月間打設量として国内最高を記録した。これまでの最高記録は、1960年8月の黒部ダム(富山県)工事の14.73万m3で、今回その記録を大幅に更新することとなった。



※1 Cemented Sand and Gravel:現地発生材(石や砂れき)とセメント、水を混合してつくる材料


大量高速施工を可能とした先端技術


成瀬ダムは、完成すると「台形CSGダム」としては国内最大規模となる。本工事では、2019年から行っている堤体のCSG打設に、鹿島が開発した建設機械の自動運転を核とした次世代建設生産システム「A⁴CSEL®」(クワッドアクセル)を導入している。

多数の自動化建設機械を同時に自律運転させることをコンセプトとしたA⁴CSEL®は、最適な施工計画と作業方法をコード化することで、多数の自動化機械を自律的に連携させることを可能にしたシステムだ。

本工事にA⁴CSEL®を導入することで、極めて効率の高い施工を実現している。また本工事では、CSGの製造設備にSPミキサ※2等を用いることで、1時間あたり1,080m3という大量のCSG製造を実現。


さらに、A⁴CSEL®による堤体CSGの高速打設に、上下流面の保護コンクリート打設が追随できるよう開発した「置き型枠自動スライドシステム」も適用している。

これにより、堤体上でのクレーン作業が不要となり、ダンプトラックでのCSG運搬をスムーズかつ安全に行うことができる。

2022年10月、左岸側の堤体打設箇所において、ブルドーザ3台と振動ローラ4台の自動化建設機械の昼夜連続作業による大量高速施工を実現したことで、国内最高となる月間打設量27.1万m3を記録した。

同年11月7日には、堤体1/2打設完了式(242.5万㎥到達)を工事関係者にて執り行い、今年度の打設は11月中旬に完了。雪解け後の2023年4月中旬に再開する予定だ。


【デジコン オリジナルインタビュー!】
「A⁴CSEL®」(クワッドアクセル)開発ストーリーはこちら
[鹿島建設による次世代建設生産システム「A⁴CSEL」。その開発までの道のり【前編】〜 建機の完全無人化は、夢ではなく実現すべき目標 〜




※2: CSG材にセメントと水を加え、正転・逆転・正転の順に回転する混合筒の中を通過させて攪拌・混合する装置

参考・画像元:鹿島建設プレスリリース
WRITTEN by

デジコン編集部

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