行政・政策
デジコン編集部 2020.7.20

【i-Construction推進コンソーシアム】とはどんな団体?参加はできる?

CONTENTS
  1. i-Construction推進コンソーシアム発足の経緯と目的
  2. i-Construction推進コンソーシアムの活動内容
    1. 技術開発・導入ワーキンググループ
    2. 3次元データ流通・利活用ワーキンググループ
    3. 海外標準ワーキンググループ
  3. i-Construction推進コンソーシアムに参加しよう
国土交通省では、ICTの建設現場への導入によって、建設生産システムの生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指す「i-Construction(アイ・コンストラクション)」の普及のためにさまざまな施策を行なっている。


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「i-Construction(アイ・コンストラクション)」とは?

たとえば、アイ・コンストラクションの優れた取り組みを表彰し、ベストプラクティスとして広く紹介するため、平成29(2017)年度から「i-Construction大賞」を創設している。

こうした施策のひとつとして生まれたのが、「i-Construction推進コンソーシアム」だ。

ここでは、現在、アイ・コンストラクション普及のため、広く参加者を募っているこの組織について紹介する。

i-Construction推進コンソーシアム発足の経緯と目的


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アイ・コンストラクション推進のために産官学が連携し設立された「i-Construction推進コンソーシアム」。平成29年1月に発足した。コンソーシアムとは共同事業体のことだ。

会員には「法人会員」「有識者会員」「行政会員」の3つの種別があり、コンソーシア
ムの目的と事業に賛同する企業、団体、有識者、関係省庁、地方公共団体などを対象とし、広く一般から公募している。

設立のきっかけは、アイ・コンストラクションの基本方針や推進方策を検討する「i-Construction委員会」がコンソーシアムの設立を提言したこと。

その報告書には、次のように説明されている。

i-Construction の推進にあたっては、建設現場の生産性向上について調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新の各建設生産プロセスの関係者間において、常に情報交換し、議論できる場を作ることが必要である。

また、これまで十分連携してこなかった金融、物流、情報通信等の企業関係者や学識経験者・学会との連携も重要である。 特に IoT、ロボット、AI、ビッグデータなどの分野の技術は急激に進化しており、技術開発と社会実装のサイクルが従来に無い早さで回っている。急速に進展するIoT などの技術の動向を踏まえて、技術の現場導入を進める必要がある。

このようにi-Construction推進コンソーシアムは、建設業界内外の関係者が情報交換するための場として、設立されたものであることがわかる。

これまで、なかなか難しかった建設業界以外の関係者との連携も重視されており、発足時のコンソーシアム企画委員にはヤフーやソニーコンピュータサイエンス研究所といった情報通信系企業・団体、三菱総合研究所、富士通研究所といったシンクタンク、東京大学や立命館大学といった組織からのメンバーが名を連ねている。

アイ・コンストラクションについての情報の入手や交換のため、コンソーシアムには、多くの企業・団体が参加している。

そのなかでも3つのワーキンググループが設けられているので、その内容をみてみよう。

i-Construction推進コンソーシアムの活動内容


i-Construction推進コンソーシアムの具体的な活動内容は、主に次の3点である。

1点目は最新技術の現場導入のための、新技術発掘や企業間連携促進。2点目は3次元データの利活用を促進するための、データ標準やオープンデータ化。そして3点目はi-Constructionの海外展開である。それに対応した3つのワーキンググループが設置されている。

「技術開発・導入ワーキンググループ」「3次元データ流通・利活用ワーキンググループ」「海外標準ワーキンググループ」である。

技術開発・導入ワーキンググループ


技術開発・導入ワーキンググループでは、新技術の発掘や企業間の連携を促進させるため、行政ニーズや現場ニーズ、技術シーズの抽出と、ニーズに対しシーズをマッチングさせるための企業間連携の場が提供されている。

たとえば、地形、構造物、作業員を識別する技術では、中部地方整備局三重河川国道事務所より「 除草を低コストで頻繁に実施したい」とのニーズが提案され、「ICT化により効率的な除草箇所の抽出」「現行の路面清掃車両を改造し、従来の側方集塵ブラシを飛び石防止装置付きの刈り取り刃に取り替える」とのシーズが期待された。

3次元データ流通・利活用ワーキンググループ


3次元データ流通・利活用ワーキンググループでは、報告会を行っている。たとえば、小型ドローンを用いた危険法面における3次元出来形計測や、大分川ダム本体建設工事といった3次元データを全面的に活用したICT施工などの事例報告だ。

海外標準ワーキンググループ


海外標準ワーキンググループは、ドローンによる測量から3Dデータによる設計、無人建機による施工、ICTによる検査と維持管理、更新までを「i-Construction」パッケージとして位置付け、海外展開するための方策を検討するワーキンググループである。他2つのワーキンググループの活動を受けて始動したもので、こちらも報告会が行われている。

i-Construction推進コンソーシアムに参加しよう


ICTの導入が進む建設・土木業界では、産官学の横のつながりが何より重要となってくる。i-Construction推進コンソーシアムとそのワーキンググループに参加することで、情報収集ができる。

参加の申し込みは、下記のURLから入会申込フォームをダウンロードし、国土交通省大臣官房技術調査課 i-Construction推進コンソーシアム事務局に送付することで可能だ。

関連企業や団体は、参加を検討してみてはどうだろうか。


<関連URL>
i-Construction推進コンソーシアムへの申し込み
http://www.mlit.go.jp/tec/i-construction/apply/index.html
「i-Construction~建設現場の生産性革命~」i-Construction 委員会
http://www.mlit.go.jp/common/001127288.pdf
国土交通省 i-Construction
http://www.mlit.go.jp/tec/i-construction/index.html
WRITTEN by

デジコン編集部

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