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デジコン編集部 2026.10.23

ダンプ2台+バックホウ1台を、1人で運用。熊谷組、AI仮想信号式制御システムで複数台の運行管理を実現

CONTENTS
  1. 人口減少・高齢化で省人化が急務。走破性の高いADTを複数台自動化へ
  2. 教示運転で「仮想のレール」を作成。車両が信号に問い合わせて自ら判断
  3. ダム現場で土砂運搬を実施。1名で3台を操作・運用
熊谷組は、AI制御システムを用いて開発を進めているアーティキュレートダンプトラック(ADT)の自動走行技術について、大規模土工事現場で複数台による土砂運搬作業を実現した。

複数の自動走行車両の運用では、車両同士の接触や膠着状態を防ぐため、個々の車両が互いの位置や周囲の状況を把握し、協調動作することが重要となる。

複数台の重機を運行管理することで、国土交通省の「i-Construction 2.0」が掲げる施工のオートメーション化を推進し、少ない人数で安全かつ生産性の高い建設現場の実現を目指す。

人口減少・高齢化で省人化が急務。走破性の高いADTを複数台自動化へ


建設産業では、生産年齢人口の減少や高齢化が顕在化し、業界全体の大きな問題となっている。

これに対し、国土交通省が発表した「i-Construction 2.0」では「建設現場のオートメーション化」が掲げられ、抜本的な省人化対策に向けた自動施工の普及が求められている。

そこで、多様な現場環境でも高い走破性を持つADTの複数台自動走行を運用できれば、狭隘なトンネル現場から大規模なダム現場、軟弱地盤が課題となる災害復旧現場まで、幅広い工事に活用でき、施工効率の向上が期待できる。

教示運転で「仮想のレール」を作成。車両が信号に問い合わせて自ら判断


ADTの自動走行には、仮想レール方式による経路決定を基本技術として使用している。

これは、事前にオペレーターによる教示運転を行い、実際に走行した経路と速度を、目に見えない「仮想のレール」として自動走行に反映する仕組みだ。

教示時に人の判断が介在することで、刻々と変化する現場環境でも、人が環境に合わせた運転をすることで柔軟かつ迅速な運用を実現する。

複数台を稼働させる際に必要となるのが、仮想信号式車両運行管理システムである。

あらかじめ作成した経路上に仮想的な信号や標識などの交通情報を組み込むことで、日常で利用する信号機や標識と同様に、ある地点では車両に走行または停止を命じるなど、車両が主体となって交通管理サーバーに問い合わせ、走行の可否や速度制御を車両自身が判断する仕組みだ。

ダム現場で土砂運搬を実施。1名で3台を操作・運用


今回、2台の自動走行式ADTの運行管理を行い、ダム現場における土砂運搬作業を実施した。

この作業では、ADT2台とバックホウ1台(遠隔操作)の計3台による積込作業から土砂運搬作業までを、作業員1名で操作・運用することを実現している。

システムの効果は多面的だ。ADTは、軟弱地や起伏のある地形でも高い走破性を発揮し、中折れ式の旋回機構で狭い箇所の作業にも対応できる。


複雑な車両挙動により熟練操作を要するため、自動運転の効果が大きい点も特徴だ。

また、現場全体の重機の運行を管理して情報を一元化することで、重機の接触災害防止や効率的な稼働に寄与する。

さらに、災害復旧現場などでの二次災害の防止に加え、1名のオペレーターで3台以上の重機を操作できることから、作業の省力化と生産性の向上が期待される。




WRITTEN by

デジコン編集部

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