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デジコン編集部 2026.8.21

飛島建設、トンネル坑内可視化システムを開発。Wi-Fi HaLowで切羽まで通信を届け、人・重機・施工サイクルを一元管理

CONTENTS
  1. GNSSが届かない坑内。専用機器のコストと切羽の通信断が課題
  2. 汎用機器とWi-Fi HaLowで解決。トンネル工事への導入は国内初
  3. 職員位置や重機の稼働を把握。i-Construction 2.0にも合致
飛島建設は、工事現場に構築したIPネットワークを基軸に、人や重機の位置・稼働状況を一元管理する「トンネル坑内可視化システム」を開発した。

実際の山岳トンネル工事現場に導入し、現場状況の一元把握が施工管理業務の効率化・高度化に有効であることを確認したという。

GNSSが届かない坑内。専用機器のコストと切羽の通信断が課題


トンネル工事現場などの地下・屋内空間では、GNSS衛星の電波を受信できず、人や重機の位置特定が難しいという課題があった。

これに対し、BLEなどの省電力無線を用いた位置管理システムも実用化されているが、専用ビーコンの管理や専用受信機の設置・延伸作業が必要で、機器・運用コストの増加が新たな課題となっていた。

加えて、坑内ネットワークの構築・延伸にも壁があった。Wi-Fiは電波の到達距離がアクセスポイントから数十mと短いうえ、発破による飛石で機器が損傷する恐れから、切羽近傍にアクセスポイントを常設しにくい。

そのため、切羽周辺の職員・作業員や重機はWi-Fiに接続できず、インターネットを利用できない状況が続いていた。

汎用機器とWi-Fi HaLowで解決。トンネル工事への導入は国内初


飛島建設は、これらの課題に対し、構築した坑内ネットワークを基軸としつつ、汎用ネットワーク機器の活用と、IEEE 802.11ah(Wi-Fi HaLow)の採用という2つのアプローチで、本システムを開発した。


Wi-Fi HaLowは、920MHz帯を利用する新しいWi-Fi規格の一つだ。

約1kmの長距離通信性能と高い回折性を持ち、Wi-Fiと同じIPフレームを使った汎用通信が可能で、画像・映像を送受信できるスループットも備える。



同社によると、トンネル工事現場へのWi-Fi HaLow導入事例は国内初(2026年7月時点、同社調べ)だという。

本システムには特長は以下の通りだ。

  • 現場状況の一元的な把握・記録:ダッシュボード上で情報を可視化し、いつでも・どこでも・どのデバイスからでも、現場状況を時系列で把握できる
  • 機器導入・運用コストの大幅低減:現場ネットワーク用に設置した汎用機器をそのまま活用できるため専用機器が不要で、掘削に伴う機器の移設作業や、職員が専用ビーコンを携帯する必要もなくなる
  • 切羽付近でのインターネット接続性の確保:Wi-Fi HaLowにより、これまで通信環境の確保が難しかった切羽付近でも、低コストでインターネット利用が可能に
  • 汎用機器やオープンソースソフトウェアの活用による、特定ベンダーに依存しない柔軟な運用

職員位置や重機の稼働を把握。i-Construction 2.0にも合致


位置・稼働状況の把握は、既存の仕組みを巧みに使う。職員の位置は、スマートフォンがどのネットワークやアクセスポイントに接続しているかを検知することで、エリア別の大局的な把握から、約100m間隔での詳細な把握までを行う。


重機の稼働状況は、テールピース台車に設置したWi-Fi HaLow親機と、吹付け機などに設置した子機との長距離無線通信によって検知する。

親機に内蔵した加速度センサで発破を検知する仕組みも備える。

山岳トンネル工事現場での検証の結果、GNSSや通信環境の確保が難しい現場でも、データ連携の自動化や、人・建設機械などの稼働状況の把握による工程最適化・予実管理に有効であることを確認した。

同社は、これらが国土交通省の「i-Construction 2.0」や「ICT施工Stage II」の主旨にも合致するとしている。



WRITTEN by

デジコン編集部

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