トプコン、歩くだけで3D計測できるモバイルスキャナー「D-H100」を発売。SLAM技術で狭所や複雑な構造物も迅速に測量

トプコンは新ブランド「XYeeZ（エクシーズ）」より、最新のSLAM技術を活用し、歩くだけで周囲の空間を高精度に3Dモデル化できるモバイルスキャナー「D-H100」を発売する。

ハンディタイプとバックパックタイプの2種類をラインアップし、現場の状況に応じて柔軟に対応できる。

最大320,000点毎秒の高速スキャンでハンディとバックパックから選択可能

近年、SLAM（Simultaneous Localization and Mapping）技術は、「自分がどこにいるのかを推定する（自己位置推定）」と「その周囲の環境を把握する（地図作成）」を同時に行えるリアルタイム空間把握手法として、測量・建設業界で注目を集めている。


D-H100はこのSLAM技術を活用することで、狭所や細部、複雑な構造物であっても歩くだけで迅速に3Dデータを取得できる。

現況測量はもちろん、森林や山間部、災害現場など、他の3D計測手法では困難な現場や、構造物の計測、短時間で広範囲を取得したい場合など、現場の状況に応じて柔軟に対応できるよう、ハンディタイプとバックパックタイプ（オプション）の2種類をラインアップした。



軽快かつシンプルな計測スタイルで手軽に詳細な計測が可能なハンディタイプ、広範囲の計測を短時間で効率的に取得できるバックパックタイプと、用途に応じてフレキシブルに使い分けが可能である。複雑な形状の建物や入り組んだ空間でも、移動しながらスキャンできるため、地上型3Dレーザースキャナーやドローンでは計測が困難だった場所でも、簡単かつ効率的にデータ取得が行える。

座標付けにも対応しており、ハンディタイプでは地上の基準点を記録することで公共座標に対応可能だ。バックパックタイプ（オプション）ではRTKやPPKにも対応しているため、衛星測位によって得られた位置情報を基に座標付けが行える。

16ラインのレーザースキャナーユニットにより、最大320,000点毎秒の高速スキャンが可能である。スキャン範囲は最大120メートルで、屋内外を問わず効率的な計測を実現する。

専用ソフトウェアとして、Androidタブレットで動作する「D-H100 Field」と、PC用のオフィス向け解析ソフトウェア「LiDAR360MLS」の2つを提供する。D-H100 Fieldは本体の設定やデータ取得をタブレット1台で完結でき、直感的な操作とリアルタイム表示により計測漏れのない確実なデータ取得を支援。

LiDAR360MLSは基準点を用いた公共座標への取り付けやRTK軌跡解析、AIを活用した特徴物の分類など、多様な解析機能を備えている。

新ブランド「XYeeZ（エクシーズ）」は、トプコンがこれまで培ってきた技術を活かした高精度な測量機器と最新の位置情報技術をさらに強化し、ポジショニング技術の未来を切り拓くことを目的として誕生した。