コラム・特集
《第7回 国際 建設・測量展 CSPI-EXPO 2025》開催レポート!〜 建設・測量業界の未来が一堂に集結 〜 【随時更新】

- 「AI人検知」で建機システムの安全性向上を提案〈萩原エレクトロニクス〉
- 12年の実績を活かした「土木図面3次元化支援システム」〈株式会社アセス〉
- 産業用ゴム製品の包括的ソリューション〈コンチテック・インダストリアル・ソリューションズ・ジャパン〉
- IoT技術で建設現場の安全性向上を実現する「スマートヘルメットシステム」〈BeeInventor〉
- 30年の研究成果を活かした「クラウド型転圧管理システム」〈 酒井重工業 〉
- 従来比1/10のコストを実現した3次元データ計測システム車載モデル 〈 マップフォー 〉
- フルモデルチェンジした「国産ドローン」と「超軽量LiDARシステム」 〈 amuse oneself 〉
- 新フラッグシップ「MATRICE 400」で産業用ドローンの新基準を提示 〈 DJI JAPAN 〉
- 全国4万人利用の建設業向けコミュニケーションプラットフォーム 〈 現場サポート 〉
- NETIS登録技術による「次世代インフラ維持点検支援システム」 〈 アイ・エス・ピー 〉
- 身近なデバイスで実現する3Dスキャン&メタバース技術 〈 ミルトス 〉
- 建築GX・DX推進事業対象の「大規模点群処理ソフト」〈 アルモニコス 〉
建設・測量分野におけるDXと生産性向上の最前線を体感できる国内最大級の展示会「第7回 国際 建設・測量展 CSPI-EXPO」が、2025年6月18日から21日の4日間にわたって幕張メッセで開催された。

従来の「建設・測量生産性向上展」から「国際 建設・測量展」へと名称を一新した今回は、グローバル展開を見据えた新たなステージへの進化を印象付ける規模となった。
国内外から405社が出展し、過去最多となる2,765ブースが設置。海外企業49社の参加により、真の意味での「国際」展示会としての色彩を強めた。

会期中の総来場者数は57,362名を記録し、建設DX、i-Construction、AI・IoT活用技術から最新の建機・重機・アタッチメントまで、業界の「今」と「未来」を物語る多彩な技術・サービスが展示された。
また、最終日には業界関係者以外にも初の無料開放を実施し、将来の担い手確保に向けた新たな取り組みも注目を集めた。
本記事では、建設・測量業界の技術革新と市場動向を映し出した同展示会の模様を、注目ブースや最新ソリューションの動向とともに詳しくレポートする。
萩原エレクトロニクスは「建設機械システムの安全の要 AI人検知」をテーマに、AI技術を活用した安全ソリューション「EZEL AI」を展示した。

「EZEL AI」は、人員検知・オペレーターへの警告機能を備えたシステムで、顧客専用のAI学習機能を搭載している点が特徴だ。
同社は「Pre-Trainモデル」の活用により、初期学習コストカットと開発期間短縮を実現していると説明している。

また、「AI人検知モデルの継続的性能UPサービス」として、OTA機能を使ったソフトウェアサービスを提案。AIの最新バージョンをエンドユーザーへ配信する仕組みについても紹介していた。

ブースでは「EZELプラットフォーム」についても展示が行われ、同社のAI人検知技術を核とした建設機械向けソリューションの取り組みが示された。

株式会社アセスは「自分たちの手で3Dモデルを作成してみませんか?」をキャッチコピーに、土木計画図面の3次元化を支援するソフトウェア「アセスコマンド」を展示した。

同社は3次元測量を始めてから12年の実績とノウハウを基に、現在特許出願中の技術を披露している。
「アセスコマンド」は、AutoCADのアドインとして開発された2次元土木計画図面の3次元モデル化支援アプリだ。

「平面図の線形を基に簡単3Dモデル化」というコンセプトのもと、座標・高さを入力し各所の断面形状を設定するだけで、道路の3Dモデルを正確に自動生成できる。
主要機能として、平面図・縦断図・横断図の情報入力による道路3Dモデル自動作成、簡単操作による配管・マンホールのモデリング、XYZ座標の3D立体表示による座標の視覚化、勾配表記やクロソイド作成などの補助ツールを搭載している。

同ソフトウェアの特徴は、断面形状・拡幅・バーチカルカーブへの対応で、各地点の断面形状を自由に設定でき、拡幅やバーチカルカーブ(縦断線形)も正確に反映される。
また、作成した3Dモデルは点群データと重ねることで現場をリアルに現象でき、施工計画や台帳原図、プレゼンテーション用途にも活用可能だ。

現在は道路モデルに対応しており、今後は橋梁などの他のモデルにも対応を広げていく予定。AutodeskAppStoreでの販売準備を進めている。
同社は「いきなり3次元計画図面制作をするにはハードルが高いと感じている関係者の方々に、まずは2次元計画図面の3次元化モデリングから始めることを提案したい」と説明していた。

コンチテック・インダストリアル・ソリューションズ・ジャパンは、産業用ゴム・プラスチック製品の世界的リーダーであるコンチネンタルグループの日本法人として、建設・産業機械分野向けの包括的なソリューションを展示した。

同社は「ゴム製品メーカーとして最大のグローバルネットワーク」を有し、多様な産業分野での豊富な問題解決経験を活かした製品群を提案している。

展示の核となったのは3つの主要ソリューション分野だ。第一に「流体処理ソリューション」では、油圧・産業用ホース、継手、アセンブリを展示。
材料およびプロセスに関する包括的な専門知識を基に、顧客の用途に合わせた多彩な材料構成や寸法のホース、ラインを開発している。

物流全般およびオフショア・オンショア輸送向けソリューションから、カスタムフィットまで対応可能としている。

「動力伝達・搬送ソリューション」では、18,000製品からなるポートフォリオを誇る動力伝達用ベルトと、スチールコード、帆布、アラミド、パイプベルト、耐熱、難燃、耐油、耐摩耗、耐カット等の特殊ベルトを展示。

製鉄・製錬・製油所から石灰石鉱山、セメント・製紙・砕石・化学品・穀物工場、火力発電所、港湾設備、土木土砂搬送まで幅広い用途に対応するコンベアベルト製品を紹介した。

「防振・サスペンションソリューション」では、商用車・鉄道・オフハイウェイや産業用の空気バネや防振コンポーネントなど1,000種類以上の製品を展示。エアサスペンション用、防振用のコンポーネントおよびシステムにより、振動・騒音の効果的削減とスムーズな動作、優れた耐久性を実現するとしている。
BeeInventorは、建設現場のDX推進とスマート化を目指し、統合型IoTスマートヘルメットシステム『DasLoop』を中核とした包括的な安全管理ソリューションを展示した。
同社は2017年創業以来、官公庁や大手ゼネコンを含む80件以上のプロジェクト実績を持つ。

展示の主軸となった『DasLoop』は、NETIS登録製品(登録番号:KT-230309-A)として、「統合型IoTスマートヘルメットシステム」の技術名称で登録されている。

同システムは、ヘルメットに装着されたセンサーにより作業員の体調、転倒・転落、位置情報等をクラウド管理できるシステムで、作業員の健康状態や事故等を正確かつ迅速に把握し、関係者への通知を可能にしている。

技術面では、心拍数と体温センサーによる異常値検知時のリアルタイムアラート機能、加速度計センサーによる転落事故や静止状態の検知、緊急時の非常ボタン機能を搭載。

位置測位技術においては、屋外ではGNSSによる衛星測位、屋内ではBLEビーコンまたはUWB技術を使用し、3D BIMモデルと連携したあらゆる環境への対応を実現している。


重機衝突防止システム『DasTrack』も併せて展示された。UWB(超広帯域)無線システムを使用し、測定範囲30m以内で自由設定が可能な高精度検知機能を持つ。
同社は「すべての産業が急速にデジタル化している一方で、建設業は遅れている」として、IoT技術を用いて人、建設機械、材料、モニタリングセンサーの4つの面からより安全な作業環境を提供し、工事や建設現場の管理改善に貢献することをコンセプトとしている。
酒井重工業は、1990年代から取り組んできた土の締固め度の見える化研究の成果を活かした転圧管理システム「Compaction Meister」を展示した。
同システムは「転圧回数」「走行軌跡」「加速度応答法CCV」「舗装表面温度」によって品質を見える化するクラウド型転圧管理システムとして、ICT建設機械等の認定(認定番号:2022-36-2-3-4-0)を取得している。

「Compaction Meister」の核となるCCV(Compaction Control Value)技術は、振動輪にセンサを取り付けて振動輪の動き(加速度)を計測し、転圧回数の増加に伴う加速度の変化を数値化する技術だ。

乾燥密度が低いときには小さく、乾燥密度が高いときには大きくなる数値特性を利用し、締固め度の指標として活用している。

転圧初期の軟らかい状態では振動輪がきれいな上下運動をするが、締固めが進んだ硬い状態では上下運動に乱れが生じる変化を捉えて数値化している。

システムの特長として、多様な締固め管理(回数管理、CCV管理、温度管理)の組み合わせ管理が可能で、施工進捗は事務所でもリアルタイム確認できる。
設定・操作ガイドにより設定と帳票作成が容易になり、対象機種においてはアンテナ取付寸法が機種選択による自動入力に対応している。

低コストシステムとして、携帯電話サービスエリア内であれば本システムのみでVRS-RTK測位の利用が可能(補正情報配信サービスの契約が別途必要)で、現場に設置された基準局の利用も可能だ。

国土交通省「TS・GNSSを用いた盛土の締固め管理要領」に準拠し、各種データの表示・記録および帳票の自動生成、点群データ出力機能を搭載している。

同社は、i-Construction2.0で掲げられた「建設現場のオートメーション化」「省人力化」「開発費低減」「導入短縮」に対応する自動運転ローラARMs(アームス)も併せて展示。

3-Way System(自動運転・遠隔運転・手動運転)と3-Safety System(システム監視・遠隔監視・緊急ブレーキ装置Guardman)を搭載し、転圧管理システムと組み合わせた包括的なソリューションを提案していた。
マップフォーは、同社最新の3次元データ計測システムの車載モデル「SEAMS LX」を展示した。
同システムは電力・道路インフラ設備の保全管理をはじめ、建設、測量業界向けに、走行環境の高精度3次元点群、全方位画像、位置情報を取得可能なソリューションとして開発されている。

「SEAMS LX」の最大の特徴は、マップフォー独自のSLAM技術により、従来型のMMS(モービルマッピングシステム)と比較して同等の精度を保ちながら約1/10の価格を実現している点だ。
同社は電力会社、測量会社との実証実験を通じて、システム構成、UI、可搬性の検討を重ね、各現場においてSEAMSを使用した業務の省力化とデータの高精度化を実現している。

センサー構成では、マルチセンサー(カメラ×8台、LiDAR×2台)により、通常走行しながら周囲の3次元形状、全方位画像、位置情報を同時取得できる。技術的な知識がなくても直感操作でデータ計測が可能で、スマートフォンやタブレットといったモバイル端末での操作に対応している。

従来型MMSとの大きな差別化要素として、市販のルーフキャリアに搭載できる設計を採用。
これにより車種を選ばず、付け替えて使用することが可能となり、宅配業者による配送が可能なサイズに設計されている。
付属の樹脂製ケースに入れて全国どこへでも送ることができる可搬性を実現している。
位置情報精度の面では、GNSS、IMU、車速センサーを統合することで、MMSでは精度が低下しやすい環境や、3次元的特徴に乏しくSLAMが困難な環境においても高精度な3次元地図を作成できる。

また、マップフォー独自のセンサーキャリブレーションにより、高精度な着色点群を出力可能としている。
データ処理においては、SEAMSで取得したデータを3次元点群地図作成ソフトウェア「MAP IV Engine」で処理することで、高速に走行環境の3次元点群地図を作成できる仕組みを構築している。

amuse oneselfは、国産ドローンとドローン搭載型レーザー測量システムの最新技術を3つの新製品として展示した。
同社は「誰でも、どこでも、正確に」をコンセプトに、ドローンレーザー測量の新基準を提案している。

展示の目玉となったのは、フルモデルチェンジした国産ドローン「GLOW Rev.2.0」だ。
ハイブリッド式の「GLOW.H」とインテリジェントバッテリー式の「GLOW.L」として展開され、動力源以外の全パーツを共通化している。
最大の特徴は折り畳み機構による優れた可搬性で、収納時のサイズは60×60cmと非常にコンパクトながら、現場でのワンタッチ組立を実現している。
機能面では、跳ね上げ式ランディングギアを採用し、プロポ操作でランディングギアを跳ね上げることで、カメラやスキャナなどの広い視野を必要とする機材の撮影自由度を向上させている。
(画像元:amuse oneselfプレスリリースより)
また、有人地帯での目視外飛行(レベル3.5)に対応するため、長距離・長時間飛行能力、LTE通信による遠隔操縦機能、水平270°の衝突防止センサー、AI実行可能な内蔵コンピューターを搭載している。
専用管制アプリケーション「QGC for GLOW」では、ドローンの設定から操縦設定、フライトプランの表示と実行、フェイルセーフシステム、機体状態確認まで直感的に操作可能だ。国土交通省が定める「無人航空機の飛行記録」「日常点検記録」「点検整備記録」の記録・出力に対応し、煩雑な飛行日誌管理の一元化を実現している。

さらに測量システムでは、「TDOT 7 GREEN-LITE」を新たに発表した。従来の「TDOT 7 GREEN」のハイスペックGREEN LiDARモジュールはそのままに、徹底的な軽量化・軽装化を実施した超軽量GREEN LiDAR SYSTEMとして開発されている。
TDOTシリーズの技術的基盤となるのは、高性能なGNSS/IMU複合型のINS(慣性航法システム)だ。位置精度5mm、ヘディング0.03°、ピッチ/ロール0.006°、速度0.01m/秒という高精度仕様により、1秒間に数十万回のレーザー照射を行いながらも、数センチ未満の高精度データを安定取得できる。

特筆すべきは、測定中のスキャン断面データをリアルタイムに表示する機能で、樹木が生い茂るエリアでの植生下地形の取得状況や、水域でのレーザー光の水底到達状況を飛行中にその場で確認でき、再測定の手間を防ぎながら効率的な作業を実現している。
また、災害時などの有事の際に雨天でも長距離飛行が可能な防水性能を有したハイブリッドドローンも併せて展示し、過酷な環境下での運用ニーズに対応したソリューションを提案していた。
DJI JAPANは、産業用フラッグシップドローンの新型「DJI MATRICE 400」を中核に、次世代の業務効率化ソリューションを展示した。

MATRICE 400は「空からの業務効率を、次のレベルへ」をコンセプトに開発された産業用プラットフォームで、高耐久・高性能を追求しながら、現場での操作性・安全性・効率性に革新をもたらす新世代ドローンとして位置づけられている。
MATRICE 400の最大の特徴は、59分の長時間飛行と最大6kgまでのペイロード積載能力だ。

ペイロードを搭載しても最大59分の前方飛行時間を提供し、最大53分のホバリング時間を実現している。これらの能力により、捜索救助、消防、大規模なマッピングなどの長時間かつ連続的な業務において信頼できるツールとなっている。
また、最高25m/sの飛行速度で建物や山のような大きな障害物を回避することが可能だ。
安全性の面では、送電線レベルの障害物検知を実現する統合回転式LiDARおよびミリ波レーダーを搭載。

高度な障害物検知システムは、回転式LiDAR、高精度ミリ波レーダー、フルカラー低照度魚眼ビジョンセンサーを統合し、検知能力を前例のないレベルに押し上げている。
このシステムは、暗闇の中でも山岳地形を横切る高電圧電力線のような小さな障害物を検知し、雨や霧を貫通して周囲を感知することで、過酷な天候条件での安全性を向上させている。

堅牢性においては、保護等級IP55を備えており、重い塵や雨を含む過酷な条件でも信頼性のある動作が可能だ。-20°から50°Cの温度範囲で安定した性能を維持し、暑い条件でも寒い条件でも一貫した結果を提供している。

また、従来製品として「MATRICE 350 RTK」も併せて展示された。同機は、一新された映像伝送システムを採用し、効率性が向上したバッテリーシステム、より包括的な安全機能、パワフルな積載性能と拡張性を兼ね備えている。
自動運用ソリューションでは、「DJI DOCK 3」を紹介。

DJI Matrice 4DまたはMatrice 4TDの高性能ドローンを搭載できて、24時間365日のリモート操作を可能にしている。初めて車両搭載によるモバイル設置に対応し、さまざまな環境への適応を容易にする点が特徴だ。
これらの製品群により、点検・測量・捜索・警備・災害対応など幅広い産業利用に最適なプラットフォームを提案し、建設・測量業界のDX推進に貢献する包括的なソリューションを展示していた。
株式会社現場サポートは、建設業界のコミュニケーション革新を目指す「現場クラウドConne(コンネ)」と現場リソース管理システム「現場クラウドArune(アルネ)」と併せた現場DXソリューションを展示した。

同社は鹿児島県に本社を置き、「建設DXは情報共有から」をコンセプトに、現場に関わる全ての人の負担軽減とコミュニケーション活性化を支援している。

展示の中心となった「現場クラウドConne(コンネ)」は、会社・現場・協力会社の情報共有を円滑にする建設業向けクラウドサービスとして、全国4万人以上が利用中の実績を持つ。
お客様満足度94%以上を誇る同サービスは、「機能の多さより使い心地」にこだわり、パソコンが得意な方も苦手な方もストレスなく使いこなせる直感的な操作性を重視している。

Conneの主要機能は多岐にわたる。
コミュニケーション機能では、メッセージや写真、動画、図面ファイルの簡単送信が可能で、協力会社や社内に対する一斉連絡、既読確認、資料共有をメールより簡単に行える。

ファイル管理機能では、CADデータなどの大容量ファイルも保存可能で、ファイル形式の制限なし、バージョン管理機能により「見ていた図面が古かった」という問題を解消している。
スケジュール機能では、重機・機材の利用予定や社員・現場の予定を簡単共有でき、重機がどこで使われているのか、社員がどこの現場に行っているのかを一目で把握できる。

待望の新機能として、社内稟議機能が追加され、どこからでも社内稟議の作成・承認ができ、承認状況もリアルタイムで確認可能となった。
運用面では、部署・工事ごとのグループ分けが自由に設定でき、協力会社も招待可能だ。Conneユーザー同士なら別会社の人でもつながることができ、建設業界全体のコミュニケーション向上に貢献している。

タスク管理機能により、依頼すること・依頼されていることの管理も効率化されている。
同社の特徴的な取り組みとして、ITが苦手な方でも安心して利用できる充実したサポート体制が挙げられる。

導入時にお客様に合わせた稼働までのプログラムを作成し、利用状況に応じたサポートを提供している。
専用サポートサイトには用途に合わせたマニュアル、動画、FAQを準備し、基本的な使い方から応用的な使い方まで運用に合わせたコンテンツを提供している。
開発とサポートを自社で行うため、お客様からの改善要望を素早く反映でき、毎月バージョンアップを行っているという。

このアジリティにより、現場の声から日々改善を重ね、どんどん便利になっているサービスとして評価されている。
料金体系では、無期限で使える「お試しプラン」を提供しており、ユーザー数とデータ容量で選択できる複数プランを用意している。全てのプランで全機能を利用でき、スマートフォンアプリも提供されている。

併せて展示された「現場クラウドArune(アルネ)」は、重機や機材の位置情報・稼働状況を見える化し、効率的な管理を支援するサービス。
建機や車両の機種やメーカーを問わず、センサーを取り付けるだけで利用開始でき、始業前点検簿や月次点検簿をスマートフォンから作成できる機能も備えている。
アイ・エス・ピーは、インフラ維持点検支援システム「MEMOREAD」を展示し、「造る」「比べる」「見せる」の3本柱によるインフラ維持管理の革新を提案した。

同社は「簡単に、そしてより精密に」を企業ポリシーとして、3次元データ活用による構造物点検の新たな可能性を追求している。
「MEMOREAD」の核となる「差分解析」機能は、構造物の損傷部を抽出する新技術としてNETIS(新技術情報提供システム)に登録されている。

点群データと基準面モデルを比較し、法線距離を計算して点群データ全点に色を付けるシステムで、触ってもわからない、人の目では見えない損傷部をスクリーニングして可視化する。
3Dモデル化では、世界的にも困難とされる構造物系のモデル作成に挑戦し、2D図面からの作成、一部自動作成、手動による精巧作成の3タイプを用意。
構造物の形状や解析目的に合わせた柔軟なモデル作りを可能にしている。

応用範囲は、剥離・剥落・鉄筋露出等の損傷検出から、床版たわみ・構造物傾き・沈下の定量化、震災前後変化・落石予兆の早期発見、CIMモデル比較による施工品質検証まで多岐にわたる。

3次元可視化機能では、高さ・傾斜角度による色分け、特定箇所の強調表示、専用ビューワー出力やムービー作成により、現場の打合せスピードアップと合意形成の促進を実現している。
ミルトスは、身近なタブレットやスマートフォンを活用した3Dスキャンソリューション「DPI/Dot3Dシリーズ」を中核に、3D技術の民主化を推進するソリューションを展示した。
同社は低予算で素早い業務運用の実現をコンセプトに、従来の高価な専用機器に依存しない新たなアプローチを提案している。

「DPI/Dot3Dシリーズ」は、iPhone ProやiPad ProのLiDARセンサーと組み合わせてハンディスキャナとして利用できるアプリケーションだ。
Windows/Androidのタブレットやスマートフォンでも、外付けセンサーのDPI-XやIntel RealSense D455センサーと組み合わせることでスキャン機能を実現。
歩きながら移動することで広範囲をスキャンでき、数百メートル単位でのスキャンが可能だ。

スキャン中に背面カメラで写真撮影も同時に行え、詳細確認や報告書用のJPEGファイル出力に活用できる。
専用ターゲットはAR用QRコードで形状に中心点を持ち、測量座標を入力して点群に座標を与えたり、ターゲット2点間の距離を入力して最適化することも可能だ。
VR/AR/MR業務用3Dメタバースツール「iQ3 Connect」では、専用設備や環境を必要とせず、Webブラウザベースのクラウドサーバーで3D仮想空間を構築できる。

点群データと3Dモデルデータを混在配置し、ユーザーはアバターとして3D空間を自由に移動しながら検証やトレーニングを行える。
参加者はVRゴーグルやAR端末での没入体験はもちろん、マウスとキーボードでも3D空間を移動可能で、寸法測定やコメント記入、断面表示、3DCADモデルの分解・組み立てまで対応している。
建築系3Dモデラー「SketchUp Studio」では、従来2DCAD中心だった建築・土木業界での3Dモデリング実現を支援している。
共同出展では、モアソンジャパンの「ClassNK-PEERLESS」による点群データからの3DCADモデル短時間作成、UEL株式会社の「POLYGONALmeister」による地形メッシュ化・土量計算・出来形ヒートマップ機能、トンネル用「出来形マイスター」による覆工厚判定機能なども併せて紹介し、3D技術の包括的なワークフローソリューションを提案していた。
アルモニコスは、大規模点群処理ソフト「ClassNK-PEERLESS」を展示し、3Dスキャンデータの簡単なプロ並みモデリングを提案した。
同製品は建築GX・DX推進事業の補助金対象製品として認定されており、従来の経験とコツに左右されていた作業工数を飛躍的に短縮することを可能にしている。

「ClassNK-PEERLESS」は、固定型レーザースキャナーの大容量・高精度点群データはもちろん、ドローンやLiDARといったランダムに格納される点群データや精度が荒い点群データでもモデル化できる汎用性を持つ。
プラント・工場設備・建築・造船といった構造物のレイアウト検討やメンテナンスに使用可能な3Dモデルを作成でき、使いやすい操作性でモデリングコストの大幅削減を実現している。

3Dモデル化機能では、配管部品の自動認識・自動追跡、H鋼・山形鋼に代表される鋼材作成、床・壁に代表される平面・曲面作成、機器などの幾何形状作成、メッシュによる形状表現が可能だ。
配管や鋼材は規格のハンドブックを持たなくてもシステムが自動判断し、点群を参考にして規格品から選択できる。コマンド一つでバルブを作成するなど、直感的な操作を実現している。

計測機能では、一般的な計測機能に加えて3D注記機能、誤差カラーマップ、搬入出の経路検討機能を搭載している。
自社専用機能として、顧客の要望に合わせた専用機能追加やソフトウェアの機能群を使った専用システム構築の提案も可能。

注目すべき導入事例として、株式会社不動テトラとの協業による消波ブロック自動配置システムがある。
形状の特徴を使って消波ブロックを自動配置するシステムをClassNK-PEERLESSベースで構築し、地上型レーザースキャナーだけでなく水中レーザースキャナーからの点群も対象とした3次元モデル化作業の効率化を実現している。
その結果、モデル化時間が3分の1から4分の1に短縮、特定技術者を必要としない作業環境の実現、3次元モデルの高精度化(配置ブロックと点群との誤差はブロック寸法の約2%以内)を達成している。

従来の「建設・測量生産性向上展」から「国際 建設・測量展」へと名称を一新した今回は、グローバル展開を見据えた新たなステージへの進化を印象付ける規模となった。
国内外から405社が出展し、過去最多となる2,765ブースが設置。海外企業49社の参加により、真の意味での「国際」展示会としての色彩を強めた。

会期中の総来場者数は57,362名を記録し、建設DX、i-Construction、AI・IoT活用技術から最新の建機・重機・アタッチメントまで、業界の「今」と「未来」を物語る多彩な技術・サービスが展示された。
また、最終日には業界関係者以外にも初の無料開放を実施し、将来の担い手確保に向けた新たな取り組みも注目を集めた。
本記事では、建設・測量業界の技術革新と市場動向を映し出した同展示会の模様を、注目ブースや最新ソリューションの動向とともに詳しくレポートする。
「AI人検知」で建機システムの安全性向上を提案〈萩原エレクトロニクス〉
萩原エレクトロニクスは「建設機械システムの安全の要 AI人検知」をテーマに、AI技術を活用した安全ソリューション「EZEL AI」を展示した。

「EZEL AI」は、人員検知・オペレーターへの警告機能を備えたシステムで、顧客専用のAI学習機能を搭載している点が特徴だ。
同社は「Pre-Trainモデル」の活用により、初期学習コストカットと開発期間短縮を実現していると説明している。

また、「AI人検知モデルの継続的性能UPサービス」として、OTA機能を使ったソフトウェアサービスを提案。AIの最新バージョンをエンドユーザーへ配信する仕組みについても紹介していた。

ブースでは「EZELプラットフォーム」についても展示が行われ、同社のAI人検知技術を核とした建設機械向けソリューションの取り組みが示された。

12年の実績を活かした「土木図面3次元化支援システム」〈株式会社アセス〉
株式会社アセスは「自分たちの手で3Dモデルを作成してみませんか?」をキャッチコピーに、土木計画図面の3次元化を支援するソフトウェア「アセスコマンド」を展示した。

同社は3次元測量を始めてから12年の実績とノウハウを基に、現在特許出願中の技術を披露している。
「アセスコマンド」は、AutoCADのアドインとして開発された2次元土木計画図面の3次元モデル化支援アプリだ。

「平面図の線形を基に簡単3Dモデル化」というコンセプトのもと、座標・高さを入力し各所の断面形状を設定するだけで、道路の3Dモデルを正確に自動生成できる。
主要機能として、平面図・縦断図・横断図の情報入力による道路3Dモデル自動作成、簡単操作による配管・マンホールのモデリング、XYZ座標の3D立体表示による座標の視覚化、勾配表記やクロソイド作成などの補助ツールを搭載している。

同ソフトウェアの特徴は、断面形状・拡幅・バーチカルカーブへの対応で、各地点の断面形状を自由に設定でき、拡幅やバーチカルカーブ(縦断線形)も正確に反映される。
また、作成した3Dモデルは点群データと重ねることで現場をリアルに現象でき、施工計画や台帳原図、プレゼンテーション用途にも活用可能だ。

現在は道路モデルに対応しており、今後は橋梁などの他のモデルにも対応を広げていく予定。AutodeskAppStoreでの販売準備を進めている。
同社は「いきなり3次元計画図面制作をするにはハードルが高いと感じている関係者の方々に、まずは2次元計画図面の3次元化モデリングから始めることを提案したい」と説明していた。

産業用ゴム製品の包括的ソリューション〈コンチテック・インダストリアル・ソリューションズ・ジャパン〉
コンチテック・インダストリアル・ソリューションズ・ジャパンは、産業用ゴム・プラスチック製品の世界的リーダーであるコンチネンタルグループの日本法人として、建設・産業機械分野向けの包括的なソリューションを展示した。

同社は「ゴム製品メーカーとして最大のグローバルネットワーク」を有し、多様な産業分野での豊富な問題解決経験を活かした製品群を提案している。

展示の核となったのは3つの主要ソリューション分野だ。第一に「流体処理ソリューション」では、油圧・産業用ホース、継手、アセンブリを展示。
材料およびプロセスに関する包括的な専門知識を基に、顧客の用途に合わせた多彩な材料構成や寸法のホース、ラインを開発している。

物流全般およびオフショア・オンショア輸送向けソリューションから、カスタムフィットまで対応可能としている。

「動力伝達・搬送ソリューション」では、18,000製品からなるポートフォリオを誇る動力伝達用ベルトと、スチールコード、帆布、アラミド、パイプベルト、耐熱、難燃、耐油、耐摩耗、耐カット等の特殊ベルトを展示。

製鉄・製錬・製油所から石灰石鉱山、セメント・製紙・砕石・化学品・穀物工場、火力発電所、港湾設備、土木土砂搬送まで幅広い用途に対応するコンベアベルト製品を紹介した。

「防振・サスペンションソリューション」では、商用車・鉄道・オフハイウェイや産業用の空気バネや防振コンポーネントなど1,000種類以上の製品を展示。エアサスペンション用、防振用のコンポーネントおよびシステムにより、振動・騒音の効果的削減とスムーズな動作、優れた耐久性を実現するとしている。
IoT技術で建設現場の安全性向上を実現する「スマートヘルメットシステム」〈BeeInventor〉
BeeInventorは、建設現場のDX推進とスマート化を目指し、統合型IoTスマートヘルメットシステム『DasLoop』を中核とした包括的な安全管理ソリューションを展示した。
同社は2017年創業以来、官公庁や大手ゼネコンを含む80件以上のプロジェクト実績を持つ。

展示の主軸となった『DasLoop』は、NETIS登録製品(登録番号:KT-230309-A)として、「統合型IoTスマートヘルメットシステム」の技術名称で登録されている。

同システムは、ヘルメットに装着されたセンサーにより作業員の体調、転倒・転落、位置情報等をクラウド管理できるシステムで、作業員の健康状態や事故等を正確かつ迅速に把握し、関係者への通知を可能にしている。

技術面では、心拍数と体温センサーによる異常値検知時のリアルタイムアラート機能、加速度計センサーによる転落事故や静止状態の検知、緊急時の非常ボタン機能を搭載。

位置測位技術においては、屋外ではGNSSによる衛星測位、屋内ではBLEビーコンまたはUWB技術を使用し、3D BIMモデルと連携したあらゆる環境への対応を実現している。


重機衝突防止システム『DasTrack』も併せて展示された。UWB(超広帯域)無線システムを使用し、測定範囲30m以内で自由設定が可能な高精度検知機能を持つ。
同社は「すべての産業が急速にデジタル化している一方で、建設業は遅れている」として、IoT技術を用いて人、建設機械、材料、モニタリングセンサーの4つの面からより安全な作業環境を提供し、工事や建設現場の管理改善に貢献することをコンセプトとしている。
30年の研究成果を活かした「クラウド型転圧管理システム」〈 酒井重工業 〉
酒井重工業は、1990年代から取り組んできた土の締固め度の見える化研究の成果を活かした転圧管理システム「Compaction Meister」を展示した。
同システムは「転圧回数」「走行軌跡」「加速度応答法CCV」「舗装表面温度」によって品質を見える化するクラウド型転圧管理システムとして、ICT建設機械等の認定(認定番号:2022-36-2-3-4-0)を取得している。

「Compaction Meister」の核となるCCV(Compaction Control Value)技術は、振動輪にセンサを取り付けて振動輪の動き(加速度)を計測し、転圧回数の増加に伴う加速度の変化を数値化する技術だ。

乾燥密度が低いときには小さく、乾燥密度が高いときには大きくなる数値特性を利用し、締固め度の指標として活用している。

転圧初期の軟らかい状態では振動輪がきれいな上下運動をするが、締固めが進んだ硬い状態では上下運動に乱れが生じる変化を捉えて数値化している。

システムの特長として、多様な締固め管理(回数管理、CCV管理、温度管理)の組み合わせ管理が可能で、施工進捗は事務所でもリアルタイム確認できる。
設定・操作ガイドにより設定と帳票作成が容易になり、対象機種においてはアンテナ取付寸法が機種選択による自動入力に対応している。

低コストシステムとして、携帯電話サービスエリア内であれば本システムのみでVRS-RTK測位の利用が可能(補正情報配信サービスの契約が別途必要)で、現場に設置された基準局の利用も可能だ。

国土交通省「TS・GNSSを用いた盛土の締固め管理要領」に準拠し、各種データの表示・記録および帳票の自動生成、点群データ出力機能を搭載している。

同社は、i-Construction2.0で掲げられた「建設現場のオートメーション化」「省人力化」「開発費低減」「導入短縮」に対応する自動運転ローラARMs(アームス)も併せて展示。

3-Way System(自動運転・遠隔運転・手動運転)と3-Safety System(システム監視・遠隔監視・緊急ブレーキ装置Guardman)を搭載し、転圧管理システムと組み合わせた包括的なソリューションを提案していた。
従来比1/10のコストを実現した3次元データ計測システム車載モデル 〈 マップフォー 〉
マップフォーは、同社最新の3次元データ計測システムの車載モデル「SEAMS LX」を展示した。
同システムは電力・道路インフラ設備の保全管理をはじめ、建設、測量業界向けに、走行環境の高精度3次元点群、全方位画像、位置情報を取得可能なソリューションとして開発されている。

「SEAMS LX」の最大の特徴は、マップフォー独自のSLAM技術により、従来型のMMS(モービルマッピングシステム)と比較して同等の精度を保ちながら約1/10の価格を実現している点だ。
同社は電力会社、測量会社との実証実験を通じて、システム構成、UI、可搬性の検討を重ね、各現場においてSEAMSを使用した業務の省力化とデータの高精度化を実現している。

センサー構成では、マルチセンサー(カメラ×8台、LiDAR×2台)により、通常走行しながら周囲の3次元形状、全方位画像、位置情報を同時取得できる。技術的な知識がなくても直感操作でデータ計測が可能で、スマートフォンやタブレットといったモバイル端末での操作に対応している。

従来型MMSとの大きな差別化要素として、市販のルーフキャリアに搭載できる設計を採用。
これにより車種を選ばず、付け替えて使用することが可能となり、宅配業者による配送が可能なサイズに設計されている。
付属の樹脂製ケースに入れて全国どこへでも送ることができる可搬性を実現している。
位置情報精度の面では、GNSS、IMU、車速センサーを統合することで、MMSでは精度が低下しやすい環境や、3次元的特徴に乏しくSLAMが困難な環境においても高精度な3次元地図を作成できる。

また、マップフォー独自のセンサーキャリブレーションにより、高精度な着色点群を出力可能としている。
データ処理においては、SEAMSで取得したデータを3次元点群地図作成ソフトウェア「MAP IV Engine」で処理することで、高速に走行環境の3次元点群地図を作成できる仕組みを構築している。

フルモデルチェンジした「国産ドローン」と「超軽量LiDARシステム」 〈 amuse oneself 〉
amuse oneselfは、国産ドローンとドローン搭載型レーザー測量システムの最新技術を3つの新製品として展示した。
同社は「誰でも、どこでも、正確に」をコンセプトに、ドローンレーザー測量の新基準を提案している。

展示の目玉となったのは、フルモデルチェンジした国産ドローン「GLOW Rev.2.0」だ。
ハイブリッド式の「GLOW.H」とインテリジェントバッテリー式の「GLOW.L」として展開され、動力源以外の全パーツを共通化している。
最大の特徴は折り畳み機構による優れた可搬性で、収納時のサイズは60×60cmと非常にコンパクトながら、現場でのワンタッチ組立を実現している。
機能面では、跳ね上げ式ランディングギアを採用し、プロポ操作でランディングギアを跳ね上げることで、カメラやスキャナなどの広い視野を必要とする機材の撮影自由度を向上させている。

また、有人地帯での目視外飛行(レベル3.5)に対応するため、長距離・長時間飛行能力、LTE通信による遠隔操縦機能、水平270°の衝突防止センサー、AI実行可能な内蔵コンピューターを搭載している。
専用管制アプリケーション「QGC for GLOW」では、ドローンの設定から操縦設定、フライトプランの表示と実行、フェイルセーフシステム、機体状態確認まで直感的に操作可能だ。国土交通省が定める「無人航空機の飛行記録」「日常点検記録」「点検整備記録」の記録・出力に対応し、煩雑な飛行日誌管理の一元化を実現している。

さらに測量システムでは、「TDOT 7 GREEN-LITE」を新たに発表した。従来の「TDOT 7 GREEN」のハイスペックGREEN LiDARモジュールはそのままに、徹底的な軽量化・軽装化を実施した超軽量GREEN LiDAR SYSTEMとして開発されている。
TDOTシリーズの技術的基盤となるのは、高性能なGNSS/IMU複合型のINS(慣性航法システム)だ。位置精度5mm、ヘディング0.03°、ピッチ/ロール0.006°、速度0.01m/秒という高精度仕様により、1秒間に数十万回のレーザー照射を行いながらも、数センチ未満の高精度データを安定取得できる。

特筆すべきは、測定中のスキャン断面データをリアルタイムに表示する機能で、樹木が生い茂るエリアでの植生下地形の取得状況や、水域でのレーザー光の水底到達状況を飛行中にその場で確認でき、再測定の手間を防ぎながら効率的な作業を実現している。
また、災害時などの有事の際に雨天でも長距離飛行が可能な防水性能を有したハイブリッドドローンも併せて展示し、過酷な環境下での運用ニーズに対応したソリューションを提案していた。
新フラッグシップ「MATRICE 400」で産業用ドローンの新基準を提示 〈 DJI JAPAN 〉
DJI JAPANは、産業用フラッグシップドローンの新型「DJI MATRICE 400」を中核に、次世代の業務効率化ソリューションを展示した。

MATRICE 400は「空からの業務効率を、次のレベルへ」をコンセプトに開発された産業用プラットフォームで、高耐久・高性能を追求しながら、現場での操作性・安全性・効率性に革新をもたらす新世代ドローンとして位置づけられている。
MATRICE 400の最大の特徴は、59分の長時間飛行と最大6kgまでのペイロード積載能力だ。

ペイロードを搭載しても最大59分の前方飛行時間を提供し、最大53分のホバリング時間を実現している。これらの能力により、捜索救助、消防、大規模なマッピングなどの長時間かつ連続的な業務において信頼できるツールとなっている。
また、最高25m/sの飛行速度で建物や山のような大きな障害物を回避することが可能だ。
安全性の面では、送電線レベルの障害物検知を実現する統合回転式LiDARおよびミリ波レーダーを搭載。

高度な障害物検知システムは、回転式LiDAR、高精度ミリ波レーダー、フルカラー低照度魚眼ビジョンセンサーを統合し、検知能力を前例のないレベルに押し上げている。
このシステムは、暗闇の中でも山岳地形を横切る高電圧電力線のような小さな障害物を検知し、雨や霧を貫通して周囲を感知することで、過酷な天候条件での安全性を向上させている。

堅牢性においては、保護等級IP55を備えており、重い塵や雨を含む過酷な条件でも信頼性のある動作が可能だ。-20°から50°Cの温度範囲で安定した性能を維持し、暑い条件でも寒い条件でも一貫した結果を提供している。

また、従来製品として「MATRICE 350 RTK」も併せて展示された。同機は、一新された映像伝送システムを採用し、効率性が向上したバッテリーシステム、より包括的な安全機能、パワフルな積載性能と拡張性を兼ね備えている。
自動運用ソリューションでは、「DJI DOCK 3」を紹介。

DJI Matrice 4DまたはMatrice 4TDの高性能ドローンを搭載できて、24時間365日のリモート操作を可能にしている。初めて車両搭載によるモバイル設置に対応し、さまざまな環境への適応を容易にする点が特徴だ。
これらの製品群により、点検・測量・捜索・警備・災害対応など幅広い産業利用に最適なプラットフォームを提案し、建設・測量業界のDX推進に貢献する包括的なソリューションを展示していた。
全国4万人利用の建設業向けコミュニケーションプラットフォーム 〈 現場サポート 〉
株式会社現場サポートは、建設業界のコミュニケーション革新を目指す「現場クラウドConne(コンネ)」と現場リソース管理システム「現場クラウドArune(アルネ)」と併せた現場DXソリューションを展示した。

同社は鹿児島県に本社を置き、「建設DXは情報共有から」をコンセプトに、現場に関わる全ての人の負担軽減とコミュニケーション活性化を支援している。

展示の中心となった「現場クラウドConne(コンネ)」は、会社・現場・協力会社の情報共有を円滑にする建設業向けクラウドサービスとして、全国4万人以上が利用中の実績を持つ。
お客様満足度94%以上を誇る同サービスは、「機能の多さより使い心地」にこだわり、パソコンが得意な方も苦手な方もストレスなく使いこなせる直感的な操作性を重視している。

Conneの主要機能は多岐にわたる。
コミュニケーション機能では、メッセージや写真、動画、図面ファイルの簡単送信が可能で、協力会社や社内に対する一斉連絡、既読確認、資料共有をメールより簡単に行える。

ファイル管理機能では、CADデータなどの大容量ファイルも保存可能で、ファイル形式の制限なし、バージョン管理機能により「見ていた図面が古かった」という問題を解消している。
スケジュール機能では、重機・機材の利用予定や社員・現場の予定を簡単共有でき、重機がどこで使われているのか、社員がどこの現場に行っているのかを一目で把握できる。

待望の新機能として、社内稟議機能が追加され、どこからでも社内稟議の作成・承認ができ、承認状況もリアルタイムで確認可能となった。
運用面では、部署・工事ごとのグループ分けが自由に設定でき、協力会社も招待可能だ。Conneユーザー同士なら別会社の人でもつながることができ、建設業界全体のコミュニケーション向上に貢献している。

タスク管理機能により、依頼すること・依頼されていることの管理も効率化されている。
同社の特徴的な取り組みとして、ITが苦手な方でも安心して利用できる充実したサポート体制が挙げられる。

導入時にお客様に合わせた稼働までのプログラムを作成し、利用状況に応じたサポートを提供している。
専用サポートサイトには用途に合わせたマニュアル、動画、FAQを準備し、基本的な使い方から応用的な使い方まで運用に合わせたコンテンツを提供している。
開発とサポートを自社で行うため、お客様からの改善要望を素早く反映でき、毎月バージョンアップを行っているという。

このアジリティにより、現場の声から日々改善を重ね、どんどん便利になっているサービスとして評価されている。
料金体系では、無期限で使える「お試しプラン」を提供しており、ユーザー数とデータ容量で選択できる複数プランを用意している。全てのプランで全機能を利用でき、スマートフォンアプリも提供されている。

併せて展示された「現場クラウドArune(アルネ)」は、重機や機材の位置情報・稼働状況を見える化し、効率的な管理を支援するサービス。
建機や車両の機種やメーカーを問わず、センサーを取り付けるだけで利用開始でき、始業前点検簿や月次点検簿をスマートフォンから作成できる機能も備えている。
NETIS登録技術による「次世代インフラ維持点検支援システム」 〈 アイ・エス・ピー 〉
アイ・エス・ピーは、インフラ維持点検支援システム「MEMOREAD」を展示し、「造る」「比べる」「見せる」の3本柱によるインフラ維持管理の革新を提案した。

同社は「簡単に、そしてより精密に」を企業ポリシーとして、3次元データ活用による構造物点検の新たな可能性を追求している。
「MEMOREAD」の核となる「差分解析」機能は、構造物の損傷部を抽出する新技術としてNETIS(新技術情報提供システム)に登録されている。

点群データと基準面モデルを比較し、法線距離を計算して点群データ全点に色を付けるシステムで、触ってもわからない、人の目では見えない損傷部をスクリーニングして可視化する。
3Dモデル化では、世界的にも困難とされる構造物系のモデル作成に挑戦し、2D図面からの作成、一部自動作成、手動による精巧作成の3タイプを用意。
構造物の形状や解析目的に合わせた柔軟なモデル作りを可能にしている。

応用範囲は、剥離・剥落・鉄筋露出等の損傷検出から、床版たわみ・構造物傾き・沈下の定量化、震災前後変化・落石予兆の早期発見、CIMモデル比較による施工品質検証まで多岐にわたる。

3次元可視化機能では、高さ・傾斜角度による色分け、特定箇所の強調表示、専用ビューワー出力やムービー作成により、現場の打合せスピードアップと合意形成の促進を実現している。
身近なデバイスで実現する3Dスキャン&メタバース技術 〈 ミルトス 〉
ミルトスは、身近なタブレットやスマートフォンを活用した3Dスキャンソリューション「DPI/Dot3Dシリーズ」を中核に、3D技術の民主化を推進するソリューションを展示した。
同社は低予算で素早い業務運用の実現をコンセプトに、従来の高価な専用機器に依存しない新たなアプローチを提案している。

「DPI/Dot3Dシリーズ」は、iPhone ProやiPad ProのLiDARセンサーと組み合わせてハンディスキャナとして利用できるアプリケーションだ。
Windows/Androidのタブレットやスマートフォンでも、外付けセンサーのDPI-XやIntel RealSense D455センサーと組み合わせることでスキャン機能を実現。
歩きながら移動することで広範囲をスキャンでき、数百メートル単位でのスキャンが可能だ。

スキャン中に背面カメラで写真撮影も同時に行え、詳細確認や報告書用のJPEGファイル出力に活用できる。
専用ターゲットはAR用QRコードで形状に中心点を持ち、測量座標を入力して点群に座標を与えたり、ターゲット2点間の距離を入力して最適化することも可能だ。
VR/AR/MR業務用3Dメタバースツール「iQ3 Connect」では、専用設備や環境を必要とせず、Webブラウザベースのクラウドサーバーで3D仮想空間を構築できる。

点群データと3Dモデルデータを混在配置し、ユーザーはアバターとして3D空間を自由に移動しながら検証やトレーニングを行える。
参加者はVRゴーグルやAR端末での没入体験はもちろん、マウスとキーボードでも3D空間を移動可能で、寸法測定やコメント記入、断面表示、3DCADモデルの分解・組み立てまで対応している。
建築系3Dモデラー「SketchUp Studio」では、従来2DCAD中心だった建築・土木業界での3Dモデリング実現を支援している。
共同出展では、モアソンジャパンの「ClassNK-PEERLESS」による点群データからの3DCADモデル短時間作成、UEL株式会社の「POLYGONALmeister」による地形メッシュ化・土量計算・出来形ヒートマップ機能、トンネル用「出来形マイスター」による覆工厚判定機能なども併せて紹介し、3D技術の包括的なワークフローソリューションを提案していた。
建築GX・DX推進事業対象の「大規模点群処理ソフト」〈 アルモニコス 〉
アルモニコスは、大規模点群処理ソフト「ClassNK-PEERLESS」を展示し、3Dスキャンデータの簡単なプロ並みモデリングを提案した。
同製品は建築GX・DX推進事業の補助金対象製品として認定されており、従来の経験とコツに左右されていた作業工数を飛躍的に短縮することを可能にしている。

「ClassNK-PEERLESS」は、固定型レーザースキャナーの大容量・高精度点群データはもちろん、ドローンやLiDARといったランダムに格納される点群データや精度が荒い点群データでもモデル化できる汎用性を持つ。
プラント・工場設備・建築・造船といった構造物のレイアウト検討やメンテナンスに使用可能な3Dモデルを作成でき、使いやすい操作性でモデリングコストの大幅削減を実現している。

3Dモデル化機能では、配管部品の自動認識・自動追跡、H鋼・山形鋼に代表される鋼材作成、床・壁に代表される平面・曲面作成、機器などの幾何形状作成、メッシュによる形状表現が可能だ。
配管や鋼材は規格のハンドブックを持たなくてもシステムが自動判断し、点群を参考にして規格品から選択できる。コマンド一つでバルブを作成するなど、直感的な操作を実現している。

計測機能では、一般的な計測機能に加えて3D注記機能、誤差カラーマップ、搬入出の経路検討機能を搭載している。
自社専用機能として、顧客の要望に合わせた専用機能追加やソフトウェアの機能群を使った専用システム構築の提案も可能。

注目すべき導入事例として、株式会社不動テトラとの協業による消波ブロック自動配置システムがある。
形状の特徴を使って消波ブロックを自動配置するシステムをClassNK-PEERLESSベースで構築し、地上型レーザースキャナーだけでなく水中レーザースキャナーからの点群も対象とした3次元モデル化作業の効率化を実現している。
その結果、モデル化時間が3分の1から4分の1に短縮、特定技術者を必要としない作業環境の実現、3次元モデルの高精度化(配置ブロックと点群との誤差はブロック寸法の約2%以内)を達成している。
ーーー 続きは、近日公開予定 ーーー
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