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デジコン編集部 2022.8.10

フジタ、山岳トンネル用のAI機能付き積み込み機を開発

CONTENTS
  1. 20%の省人化を実現
フジタ(大和ハウスグループ)は、三井三池製作所と共同で、山岳トンネルにおける掘削ズリ(掘削によって発生する岩塊)だし作業の省力化と省人化を実現するAI機能搭載の積み込み機「AIロックローダ」を開発したことを発表した。

20%の省人化を実現


山岳トンネルの施工は、発破やズリだし(積込み,運搬)、支保工の順に作業を行う。とくに、ズリだし作業は、使用する大型ダンプの台数やトンネル内外への運行サイクルなどの影響で、次工程の支保工作業まで長い時間を要し、積み込み機械(ホイールローダやバックホウ)に乗車するオペレーターの拘束時間も長くなる。

そのため、従来の施工方法では、運搬機械(大型ダンプや連続ベルトコンベヤー)の改造・改善などを行うことで、ズリだし作業の効率化を図ってきた。ズリだし作業をより省力化するために、フジタはAIロックローダを開発した。

AIロックローダは、発破後に切羽(掘削の最先端箇所)から運搬されたズリをかき寄せる「掘削ブーム」と機械後方へ直接ズリを排出し、重ダンプなどに積み込みを行う「排土ベルコン」、機械運転席前方に配置したセンシング機器、GPU 盤(AI 自動運転盤)などで構成される。


AI によりズリのかき込みから積み込みまでの一連の作業がオペレータ不要で可能となり、省力化・省人化を実現した。また、発破後の切羽のズリを迅速に処理することで、切羽作業エリアを早期解放し、速やかに次工程(支保工作業)へ移行できるため、トンネル掘削のサイクルの効率化が可能になる。



フジタは、施工を進める「羽ノ浦トンネル工事(徳島県小松島市)」の現場にAIロックローダを導入しており、その結果、AIロックローダの採用により、トンネル発破後の切羽作業エリアで、次工程の支保工作業へ円滑に移行した。また、ズリ積み込み作業のオペレーターが必要なくなり、20%の省人化を実現し、省力化につながった。

今後は、さまざまな運搬方式のトンネル工事へ適用することを踏まえ、AIロックローダの導入を進めていく。


画像:フジタ プレスリリース
WRITTEN by

デジコン編集部

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