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デジコン編集部 2026.11.5

高気圧の地下から、倒れた作業員を素早く救う。オリエンタル白石、あらゆるケーソン現場に使える「小型救護チャンバー」を新開発

CONTENTS
  1. 高気圧下で働くケーソン工法。減圧症などの特有のリスク
  2. 内径φ622mmまで小型化し、マテリアルロックを通過可能に
    1. 小型化によるあらゆるニューマチックケーソン現場への対応
    2. 現場ホスピタルロックへの迅速な接続
  3. 収容・地上搬送・減圧治療の3ステップで救護
オリエンタル白石は、特化技術であるニューマチックケーソン工法の現場において、作業員が急性疾患などで自力歩行による高気圧作業室からの退出が困難になった場合に備え、救護対象者を迅速・安全に地上へ搬送するための「小型救護チャンバー」を開発したと発表した。

従来の大規模・大深度のニューマチックケーソン工法の現場だけでなく、小断面ケーソンを含むすべてのニューマチックケーソン工事で救護設備として採用できるようになり、万が一の際に作業員の安全を守る体制を大幅に強化できる。

高気圧下で働くケーソン工法。減圧症などの特有のリスク


ニューマチックケーソン工法は、地上で構築した鉄筋コンクリート製躯体の下部にある作業空間に圧縮空気を送り込み、地下水の浸入を空気圧で防ぎながら掘削・沈下を行い、橋梁基礎や地下構造物を構築する特殊な基礎工法だ。

狭隘地での施工性や、周辺地盤・地下水への影響を抑えられる特長から、橋梁基礎のみならず、近年激甚化している豪雨災害対策の地下調整池やポンプ場建設などでも幅広く採用されている。

一方で、圧縮空気を送り込むため作業空間内は高気圧環境となり、作業員には減圧症などの特有のリスクがある。

同社はこれまで、作業員が作業空間内に入らずに掘削できる遠隔操縦システムや自動掘削システムなど、作業員の安全確保に向けた技術開発を積極的に進めてきた。

そうしたなか、2019年3月に日本圧気技術協会が「ニューマチックケーソン工法における大深度工事の対応方針」を示し、大深度圧気工事で自力移動が困難な場合でも、救護対象者を搬送して通常減圧により退出させる設備の設置が求められた。


同社は2020年、担当した大深度圧気工事で救護チャンバーを開発・導入したものの、大型であったため、施工ヤードが限られる一般のケーソン現場や小断面ケーソン現場への展開が難しいという課題があった。

そこで、省スペース化と迅速な救出動作を両立させ、あらゆる現場に適用できる「小型救護チャンバー」の開発に着手した。

内径φ622mmまで小型化し、マテリアルロックを通過可能に


小型救護チャンバーの特徴は、大きく2つ。

小型化によるあらゆるニューマチックケーソン現場への対応


救護対象者を安全に収容できる最適寸法まで、チャンバーの大きさを小型化した(内径φ622mm・開口部φ500mm)。


これにより、資機材の搬出入に用いる「マテリアルロック」を通過できるようになり、小断面ケーソン現場を含むあらゆる現場で適用できるようになった。

現場ホスピタルロックへの迅速な接続


ホスピタルロック上部に設けた接続用シャフトへ、クレーンで吊り上げた小型救護チャンバーを垂直にドッキングさせる方式を採用した。


これにより接続時間を短縮し、迅速にホスピタルロック内へ救護対象者を搬送して、減圧を開始できる。

収容・地上搬送・減圧治療の3ステップで救護


実際の救護は、3つのステップで行う。

まず、マテリアルロックを通じて作業空間内に小型救護チャンバーを吊り下ろし、救護対象者をチャンバー内に収容して気密する。


次に、マテリアルロックを経由してクレーンで地上へ迅速に引き上げる。

そして、地上にある現場ホスピタルロックの接続シャフトに接続し、ホスピタルロック内へ患者を移したうえで、医師の指示に基づき適切な減圧・再圧治療を開始する。



WRITTEN by

デジコン編集部

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