ツール紹介
デジコン編集部 2026.11.4

事故の瞬間を、作業者本人の目線で体験する。実際の建設現場を撮った360度VR安全教育「現場360」を提供開始。ジョリーグッド社

CONTENTS
  1. 建設業の死亡は全産業で最多。安全教育の悩みの1位は「マンネリ化」
  2. 本物の現場で「やりがちなミス」を、事故の瞬間まで体験
    1. 建設中のリアル現場を360度で撮影
    2. 360度撮影のプロによる実写VR化
    3. 当事者目線の安全教育
  3. 社員80名が一斉体験、93.3%が「自分にも起こりうる」と回答
当事者目線の実写VRを手がけるジョリーグッドは、現場を360度で撮影して教育や改善を促進する新サービス「現場360」を開始し、その一環として建設業向けの安全教育の提供を始める。

第一弾として、宮城建設(岩手県久慈市)と共同で、同社がいま建設している実際の現場を360度で撮影し、建設業向けの安全教育の360度VR教材を開発した。

安全教育の監修を宮城建設が行い、医療の手術室や救急の現場を実写VR化してきたジョリーグッドが360度VRの撮影・制作を担当。今後、両社で効果実証を進める。

建設業の死亡は全産業で最多。安全教育の悩みの1位は「マンネリ化」


令和7年に労働災害で亡くなった人は全産業で700人。そのうち建設業が214人(30.6%)で、業種別で最も多くなっている。

建設業の死亡のうち91人は墜落・転落によるもので、重機との接触や物の飛来・落下も、建設現場で毎年繰り返されている事故の型だ。


一方、東京労働局が561の現場に聞いたアンケートでは、安全衛生教育の課題として最も多かったのが「マンネリ化」(31.9%)だった。

毎年同じ講話と資料では、危険を自分のこととして感じにくくなる。

工夫として「映像を使って分かりやすく説明する」ことも挙がっており、危険を自分のこととして考えてもらう教育の形が求められていた。

本物の現場で「やりがちなミス」を、事故の瞬間まで体験


「現場360」の安全教育には3つの特徴がある。

建設中のリアル現場を360度で撮影


作り物の映像ではなく、ふだんは入ることのできない稼働中の現場そのもので撮影する。

360度撮影のプロによる実写VR化


医療の手術室や救急の現場を実写VRにしてきたジョリーグッドが現場に入り、事故の瞬間までを実写VRにする。

当事者目線の安全教育


作業する本人の目線で、自分の手元と周りを見回しながら、やりがちなミスと見落としがちな危険を、事故の瞬間まで体験する。

日々はスマートフォンやパソコンのブラウザで繰り返し学び、安全大会などの節目にはVRゴーグルを着けて全員で体験する。

料金は、スマホ・パソコンで受講する場合で月額33,000円(税込)から(年間プラン396,000円)だ。

社員80名が一斉体験、93.3%が「自分にも起こりうる」と回答


第一弾で共同開発した宮城建設は、1948年創業の総合建設会社で、津波から町を守る湾口防波堤工事や道路などのインフラ工事、マンションなどの建築工事を手がけてきた。


2026年10月30日には、久慈市マリンアリーナの会議室で社内体験会を開催。

社員約80名が2回に分かれ、VRゴーグルを着けて一斉に5本を体験し、一部は首や腕に着ける振動デバイスを映像と連動させ、事故の衝撃を体でも感じた。

体験後のアンケートでは、ゴーグルで体験した社員60名のうち93.3%(56名)が、事故の場面を「自分にも起こりうる」と感じたと回答。

これまでの安全教育と比べて危険が「伝わった」と答えた人は96.7%(58名)にのぼった。

体験後は班ごとに話し合い、重機の班は「オペレーターは後方をしっかり確認する」「重機の近くで作業するときは、オペレーターに一言かけてから作業する」といった、翌日からの行動を決めて発表した。



WRITTEN by

デジコン編集部

建設土木のICT化の情報を日々キャッチして、わかりやすく伝えていきます。

会員登録

会員登録していただくと、最新記事を案内するメールマガジンが購読できるほか、会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。