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デジコン編集部 2026.9.3

工事中の橋で熱中症の救助訓練。豊橋市消防本部と工事業者が合同で、宙吊り・狭隘空間からの搬出に挑む

CONTENTS
  1. 狭隘な仮設足場から搬出。まず現場作業員が初期対応と119番通報
  2. 宙吊りの意識不明者を約12mから救出。事前情報なしの「ブラインド訓練」
  3. 9月・10月も救急事案が発生。事前の備えと早めの対策を呼びかけ
愛知県豊橋市消防本部は、8月28日、工事中の三河港・港大橋(ベイブリッジウェイ)を利用し、熱中症患者が発生したという想定の救助訓練を、現場を提供した工事業者との合同で実施した。

熱中症患者への対応がまだ見込まれる9月・10月を前に、特殊環境下での訓練を通じて、救助隊・救急隊の対応力強化を図るものである。

工事業者と合同で熱中症患者を運び出す訓練は、今回が初めてだという。

狭隘な仮設足場から搬出。まず現場作業員が初期対応と119番通報


訓練は、2件の事案を想定して実施された。1件目は、塗装工事中で仮設足場が設置された狭隘空間で、重症・軽症それぞれ1名の熱中症患者が出たという想定だ。


現場となった港大橋の塗装工事現場は、仮設足場の通路幅が大人のすれ違いも困難なほど狭い。

まず、当日事前に開催した救急救命士による救命講習の実践編として、現場作業員が119番通報と初期対応を行った。


軽症者には、衣服をゆるめて経口補水液を摂取させ、首元など大きな血管が集まる部位に保冷剤をあてて体を冷やした。

重症者には、これに加えて簡易アイスバスを用いて身体を冷却している。

救急隊の到着後は、傷病者の状況やそれまでの初期対応を情報共有し、救急隊へ引き継いだ。

仮設足場という特殊な空間のため通常の担架が使えず、救急隊は大きなシーツのような布製の担架を用いて要救助者を運び出した。

宙吊りの意識不明者を約12mから救出。事前情報なしの「ブラインド訓練」


2件目は、工事作業中の従業員1名が熱中症で意識を失い、橋脚下の仮設足場から転落して宙吊りの状態になったという想定だ。

救助隊に事前の現場情報を知らせない「ブラインド訓練」として実施された。

海上に組み上げた足場を想定し、地上からの救助ができないため、約12mの高さからクレーンのフックを支点にして、人力で吊り上げて救助した。

実際の出動と同様に、要救助者の苦痛を和らげ、安全・迅速に運び出せる最適な資機材を、その場の状況に応じて選定している。

9月・10月も救急事案が発生。事前の備えと早めの対策を呼びかけ


今回の訓練は、現場作業員を熱中症から守りたい、消防に現場を提供して社会貢献をしたいという工事事業者の働きかけで実現した。


豊橋市消防本部管内では、熱中症が原因の救急事案が令和6年9月に47件、令和7年9月に35件発生しており、件数は減るものの10月にも発生している。

同本部の担当者は、特殊な環境下で訓練を行えたことや、作業員への救命講習を通じて初期対応の大切さを伝えられたことの意義を強調した。

そのうえで、正しい熱中症の知識を持ち、事前の備えや早めの対策を実施してほしいと呼びかけている。



WRITTEN by

デジコン編集部

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